車に積み込んだ音楽CDの入れ替えをしていないので、通勤の音楽は相変わらずベートーヴェンの「ピアノ三重奏曲」です。ただし、先の第1番に続き、第2番ト長調Op.1-2 のほうを繰り返し聴いております。ボンからウィーンへ出てきた24歳の青年が、ハイドンやシェンクやアルブレヒツベルガーなどに師事し、課題に応えた習作の中から生み出した作品の一つです。ブログ記事を探してみても、この曲の記事は意外にないものですね~。
第1楽章:アダージョ~アレグロ・ヴィヴァーチェ、4分の3~4分の2拍子、ト長調。けっこう長いアダージョの導入部を持ち、アレグロ・ヴィヴァーチェのソナタ形式のところが始まると、軽快な音楽になります。第1主題は、テンポはぐっと速くなりますが、導入部とそっくり。
第2楽章:ラルゴ・コン・エスプレッシオーネ、8分の6拍子、ホ長調、ソナタ形式。なんとも魅力的な、若いベートーヴェンの緩徐楽章です好きですねぇ、こういう幸福な音楽!
第3楽章、スケルツォ:アレグロ、4分の3拍子、ト長調。スケルツォ主題~展開~トリオ~コーダという構成なのでしょうか。前楽章では、ピアノが高音から低音までなめらかに駆け上がり下降することで、ロマンティックな気分を表していましたが、この楽章では音を切って、ころがるような軽快な感じを出しています。
第4楽章、フィナーレ:プレスト、4分の2拍子、ト長調。ヴァイオリンの「タカタカタカタカタカラッタッタッ」という出だしがとてもおもしろい。ピアノも同じリズムを受け継ぎ、プレストで三者がやりとりする気分は上々です。この楽章も、実はお気に入りの音楽(*)です。曲は a tempo で ff で終わります。
ところで、24歳で対位法というふうにテーマを絞って専門家に師事するというのは、たぶん非常に有益な経験なのでは。現代風に言えば、大学院の修士課程や博士課程で研究をしながら専門的な指導を受けるとか、職場で一通り仕事の経験を積んだ若手が、国際的な視野を身につけるべく、海外勤務を経験するようなものでしょうか。
若いベートーヴェンは、演奏家として活躍することもできたはずなのですが、きっと自らの音楽を作り出す方に、より情熱を燃やしていたのでしょう。自己の天分の自覚というのか、あるいは宮廷音楽家の身分の限界を身近な家庭の実例として知ってしまっていたためなのでしょうか。
演奏はスーク・トリオ、ヨゼフ・スーク(Vn)、ヨゼフ・フッフロ(Vc)、ヨゼフ・ハーラ(Pf)の三人です。1984年の春に、プラハの芸術家の家で収録されています。制作は Dr. Eduard Herzog、DENON のデジタル録音です。型番は COCO-70917 で、クレスト1000シリーズ中の一枚です。
■スーク・トリオ
I=11'04" II=9'28" III=3'39" IV=7'52" total=32'03"
(*):IMSLPのスコアを見ると、rallentando とか calando rallentando などの指示があるようです。ネットを駆使して調べてみると、ラレンタンドとはそこから急に速度をゆっくりにするときに使い、カランドのほうは次第にゆっくりそして弱く、という意味だとか。なるほど、それでこういう表情になるわけですね。イタリア語由来の音楽用語も、多彩です(^o^)/
【追記】
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲Op.1の記事リンクです。
(*1):ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第1番」を聴く~「電網郊外散歩道」
(*2):ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第3番」を聴く~「電網郊外散歩道」
第1楽章:アダージョ~アレグロ・ヴィヴァーチェ、4分の3~4分の2拍子、ト長調。けっこう長いアダージョの導入部を持ち、アレグロ・ヴィヴァーチェのソナタ形式のところが始まると、軽快な音楽になります。第1主題は、テンポはぐっと速くなりますが、導入部とそっくり。
第2楽章:ラルゴ・コン・エスプレッシオーネ、8分の6拍子、ホ長調、ソナタ形式。なんとも魅力的な、若いベートーヴェンの緩徐楽章です好きですねぇ、こういう幸福な音楽!
第3楽章、スケルツォ:アレグロ、4分の3拍子、ト長調。スケルツォ主題~展開~トリオ~コーダという構成なのでしょうか。前楽章では、ピアノが高音から低音までなめらかに駆け上がり下降することで、ロマンティックな気分を表していましたが、この楽章では音を切って、ころがるような軽快な感じを出しています。
第4楽章、フィナーレ:プレスト、4分の2拍子、ト長調。ヴァイオリンの「タカタカタカタカタカラッタッタッ」という出だしがとてもおもしろい。ピアノも同じリズムを受け継ぎ、プレストで三者がやりとりする気分は上々です。この楽章も、実はお気に入りの音楽(*)です。曲は a tempo で ff で終わります。
ところで、24歳で対位法というふうにテーマを絞って専門家に師事するというのは、たぶん非常に有益な経験なのでは。現代風に言えば、大学院の修士課程や博士課程で研究をしながら専門的な指導を受けるとか、職場で一通り仕事の経験を積んだ若手が、国際的な視野を身につけるべく、海外勤務を経験するようなものでしょうか。
若いベートーヴェンは、演奏家として活躍することもできたはずなのですが、きっと自らの音楽を作り出す方に、より情熱を燃やしていたのでしょう。自己の天分の自覚というのか、あるいは宮廷音楽家の身分の限界を身近な家庭の実例として知ってしまっていたためなのでしょうか。
演奏はスーク・トリオ、ヨゼフ・スーク(Vn)、ヨゼフ・フッフロ(Vc)、ヨゼフ・ハーラ(Pf)の三人です。1984年の春に、プラハの芸術家の家で収録されています。制作は Dr. Eduard Herzog、DENON のデジタル録音です。型番は COCO-70917 で、クレスト1000シリーズ中の一枚です。
■スーク・トリオ
I=11'04" II=9'28" III=3'39" IV=7'52" total=32'03"
(*):IMSLPのスコアを見ると、rallentando とか calando rallentando などの指示があるようです。ネットを駆使して調べてみると、ラレンタンドとはそこから急に速度をゆっくりにするときに使い、カランドのほうは次第にゆっくりそして弱く、という意味だとか。なるほど、それでこういう表情になるわけですね。イタリア語由来の音楽用語も、多彩です(^o^)/
【追記】
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲Op.1の記事リンクです。
(*1):ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第1番」を聴く~「電網郊外散歩道」
(*2):ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第3番」を聴く~「電網郊外散歩道」