先日、図書館から借りてきた、毎日新聞社刊の単行本で、片瀬京子とラジオ福島著『ラジオ福島の300日』を読みました。東日本大震災に際しての報道については、私自身も何回か記事(*1,2)にしており、また河北新報社『河北新報のいちばん長い日~震災下の地元紙~』を読んだ感想(*3)も、同様に記事にしておりますが、こちらは大津波もさることながら、東京電力福島第一原子力発電所の原発事故に関連する事態を中心に取り上げています。新聞やテレビではなく地元のラジオ局である強みと弱点を率直に語りながら、300日間の奮闘の記録をまとめたものです。
本書の構成は、次のようになっています。
なんといっても、東日本大震災当日から、ずっと途切れることなく生放送で情報を流しつづける経緯がすごい。情報を提供してもらうためにインターネットを利用するあたりは、平時にはなかなかゴーサインが出ないのに、非常事態になると四の五の言っていられないということがよくわかります。
個人所有のスマートフォンの3G回線が生きている。これを使って、無料のメールアカウントを取得し、外部からの情報をメールで受け取る。さらに、すでに取得していたツイッターのアカウントを利用し、ツイートをラジオで紹介する。そうして得られる断片的な情報から、沿岸部の壊滅的な状態を知るとともに、原発への外部電源の供給が停止するという緊急事態と放射能漏れの事態に対する避難指示を伝えていきます。頼れる情報源がラジオしかないとき、当局発表に頼らざるを得ない弱点は持ちながらも、人々に伝えた情報の役割は大きいでしょう。
○
災害時におけるマスコミの役割の大きさと、報道に携わる人々も生身の人間であるという相克も描かれますが、放送の性格上、現場レポートは少なくなります。その点では、新聞の迫力ある報道よりも、もう少し日常的な情報伝言板的な性格が強くなるのでしょう。
(*1):地方メディアのありがたさ~震災関連報道に思う~「電網郊外散歩道」2011年3月
(*2):震災報道番組中の音楽~「電網郊外散歩道」2011年3月
(*3):河北新報社『河北新報のいちばん長い日~震災下の地元紙~』を読む~「電網郊外散歩道」2012年2月
本書の構成は、次のようになっています。
第1章 2011年3月11日
第2章 350時間14分CMカット連続生放送
第3章 会社はもつのかー焦りと戸惑いの再開
第4章 スタジオを出よう、現場を歩こう
第5章 爆笑問題の生放送
第6章 闘いは続く
なんといっても、東日本大震災当日から、ずっと途切れることなく生放送で情報を流しつづける経緯がすごい。情報を提供してもらうためにインターネットを利用するあたりは、平時にはなかなかゴーサインが出ないのに、非常事態になると四の五の言っていられないということがよくわかります。
個人所有のスマートフォンの3G回線が生きている。これを使って、無料のメールアカウントを取得し、外部からの情報をメールで受け取る。さらに、すでに取得していたツイッターのアカウントを利用し、ツイートをラジオで紹介する。そうして得られる断片的な情報から、沿岸部の壊滅的な状態を知るとともに、原発への外部電源の供給が停止するという緊急事態と放射能漏れの事態に対する避難指示を伝えていきます。頼れる情報源がラジオしかないとき、当局発表に頼らざるを得ない弱点は持ちながらも、人々に伝えた情報の役割は大きいでしょう。
○
災害時におけるマスコミの役割の大きさと、報道に携わる人々も生身の人間であるという相克も描かれますが、放送の性格上、現場レポートは少なくなります。その点では、新聞の迫力ある報道よりも、もう少し日常的な情報伝言板的な性格が強くなるのでしょう。
(*1):地方メディアのありがたさ~震災関連報道に思う~「電網郊外散歩道」2011年3月
(*2):震災報道番組中の音楽~「電網郊外散歩道」2011年3月
(*3):河北新報社『河北新報のいちばん長い日~震災下の地元紙~』を読む~「電網郊外散歩道」2012年2月