電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

mRNAワクチンの研究をした女性科学者の出国エピソードが映画みたい

2021年03月19日 06時01分50秒 | Weblog
新型コロナウィルス禍に対抗する切り札と期待されるファイザー社やモデルナ社の mRNAワクチンの原理(*1)を40年以上前から研究していたカタリン・カリコ博士はハンガリー生まれの女性科学者ということです。彼女は夫と娘と共に母国を出て、なんとか米国にたどり着きます。就職先の当てがあって出国したわけではありませんので、当座の生活費としてまとまった額のお金が必要になるわけですが、当時のハンガリーは、現金持ち出しに制限があり、百ドルしか持ち出せないということでした。それでは家族が暮らせない! 仕方なく、車を売って現金に変え、娘のテディベアのぬいぐるみの腹に縫い込んで持ち出し、助かったのだそうです。そんなふうにして始まった米国での研究生活も、決して順調ではなかった(*2)わけで、せっかくの発見が評価されず、大学のポストも非常勤にさせられたり、ずいぶんな対応をされたこともあったようです。例えば「カタリン・カリコ テディベア」で検索してみるとこのあたりの事情がおおよそわかりますが、これから映画になるという話もありうることと納得しました。

(*1):mRNAワクチンの原理とリポソームの実験の記憶〜「電網郊外散歩道」2021年1月、アストラゼネカ社のワクチンは原理が違います。
(*2):新型コロナウィルスのワクチン接種が始まる〜女性科学者の努力に拍手!〜「電網郊外散歩道」2021年2月

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