ちょうど一年前の今頃に購入していた小学館時代小説文庫で、山本一力著『菜種晴れ』を読みました。帯の紹介文を読むとずいぶん詳しいもので、内容がこれ以上ないくらいに過不足なく要約されています。
読み始めてからはしばらく経つのですが、物語の始まりの頃はもらわれていった幼女の健気さと不憫さにあまりページが進まず、成長してからの油火災や地震などの災難続きには一気に読み進めようという気力が削がれます。農家の末娘が江戸の大店の跡取りになるという出世話のはずが、必ずしも「少女の夢は、深川で花開く」という帯のキャッチコピーどおりではありませんでした。うーむ、どうも題名とは裏腹に、からりと晴れた春の菜種畑のような爽快な読後感ではないなあ。
◯
むしろ、江戸時代の菜種油製造の技術的な方に興味関心が向きます。「江戸時代 菜種油 製法」で検索してみると、YouTube でこんな動画を見つけました。
平出なたね油ができるまで(玉絞め搾油)- Japanse traditional rapeseed oil expression
菜種油を絞るには、技術と設備が必要だったんだなとあらためて認識しました。アブラナを栽培したからと言って、菜種油を作れるとは限らない。10アールの畑からどのくらいの菜種油が採れたのだろう?油1升(1.8L)が今で言えば8,000円に相当するほど高価なものだったとのこと。どうも、そうした雑学の方に興味が向いてしまいます。どうも、スーパー少女の成長と苦労譚よりも、当時の人々の暮らしやそれを支えた技術や産業の様子の方に興味関心が向いてしまう(^o^;)>poripori
房州勝山の菜種農家の末娘・二三は、黄色い海原のように潮風に揺れる菜の花畑を駆け回って育った。しかし、まだ甘えん坊のわずか五歳にして、江戸深川で親類が営む油問屋の跡取りとして貰い受けられることとなった。そこは良質な菜種油だけを商うことで江戸中に名の通った大店。「家族に迷惑をかけないように」。二三は今にも溢れ出しそうな望郷の念をそのあまりにも小さな胸に押し留め、手習や料理の厳しい修行の日々にも決して弱音を吐かず、他の大店からのからかいにも気丈に振る舞い続けた。持ち前の器量や母親ゆずりの天ぷらの腕前、周囲の温かな支えもあり、やがて深川の誰もが認める跡取りへと逞しく成長してゆく。いよいよ元服を迎えた二三は、怪我の当主に代わり、深川の油問屋の世話人たちが集う江島神社参拝に赴くことに。しかしその夜、寝静まる宿に江戸から来たという雑穀問屋の口から信じ難い知らせが飛び込んできた。「深川の町が、燃えている!」。抗いようもなく降りかかる幾多の苦難、倒れそうになった時にこそ道しるべとなるかけがえのない出会い。自分を信じてひたむきに前を向き続ける少女に光を当てた、涙の江戸人情物語。
読み始めてからはしばらく経つのですが、物語の始まりの頃はもらわれていった幼女の健気さと不憫さにあまりページが進まず、成長してからの油火災や地震などの災難続きには一気に読み進めようという気力が削がれます。農家の末娘が江戸の大店の跡取りになるという出世話のはずが、必ずしも「少女の夢は、深川で花開く」という帯のキャッチコピーどおりではありませんでした。うーむ、どうも題名とは裏腹に、からりと晴れた春の菜種畑のような爽快な読後感ではないなあ。
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むしろ、江戸時代の菜種油製造の技術的な方に興味関心が向きます。「江戸時代 菜種油 製法」で検索してみると、YouTube でこんな動画を見つけました。
平出なたね油ができるまで(玉絞め搾油)- Japanse traditional rapeseed oil expression
菜種油を絞るには、技術と設備が必要だったんだなとあらためて認識しました。アブラナを栽培したからと言って、菜種油を作れるとは限らない。10アールの畑からどのくらいの菜種油が採れたのだろう?油1升(1.8L)が今で言えば8,000円に相当するほど高価なものだったとのこと。どうも、そうした雑学の方に興味が向いてしまいます。どうも、スーパー少女の成長と苦労譚よりも、当時の人々の暮らしやそれを支えた技術や産業の様子の方に興味関心が向いてしまう(^o^;)>poripori
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