電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山形交響楽団第305回定期演奏会でヘンデル、マルタン、ブラームスを聴く

2022年11月21日 06時00分10秒 | -オーケストラ
晩秋の日曜午後、山形市の山形テルサホールにでかけました。入院中の母の病状は気になるけれど、コロナ禍の中で家族は面会も何も出来ませんので、2022年の定期演奏会の一区切りということで出かけることとしたものです。

一区切りとは言うものの、プログラムは実に意欲的なもので、

  1. ヘンデル:合奏協奏曲 ト長調 作品6-1 HWV 319
  2. マルタン:7つの管楽器、ティンパニ、打楽器、弦楽器のための協奏曲
  3. ブラームス:ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83 藤田 真央(Pf)
       阪 哲朗 指揮、山形交響楽団

という協奏曲づくし、しかも時代も曲の性格もみな違う曲目を集めたもので、土曜の夜も含め、二回の公演のチケットは完売だったそうです。スゴイなあ、山響。勢いがあります。

開演前のプレトークには、西濱事務局長、指揮の阪哲朗さんに加えてピアノの藤田真央さんも登場しました。これがまたなんともとぼけた味で、思わず笑いがこぼれます。藤田さんが山形でびっくりしたのはホテルのシャンプーやリンス等の並べ方だそうで、左からボディシャンプー、髪用シャンプー、リンスと並んでいたそうな。藤田さん的にはこれが逆なのだそうで、前日に並べ替えておいたのが、翌日にはまだ同じ並びになっていたことに驚いていました(^o^)/wahaha
海外のホテルではそうした細やかさはないでしょうが、こういう笑いの感覚は、若い人ならではのものかもしれません(^o^)/

さて、ヘンデルの合奏協奏曲。ステージ中央にチェンバロが置かれ、阪哲朗さんが通奏低音?を受け持ちながら指揮をする形です。その左右に独奏ヴァイオリンが立奏で、左側にこのほどコンサートマスターに昇格した平澤海里さん、右側に堀越瑞生さん、これを囲むようにして左から第1ヴァイオリン(3)、チェロ(3)、ヴィオラ(3)、第2ヴァイオリン(3)、正面後方にコントラバス(1)、オーボエ(2)という配置と編成で、チェンバロの弾き振りというのも新鮮です。ヘンデルの合奏協奏曲というのは、伸びやかで気持ちが晴れ晴れとしてくるようなところがありますが、実演で接する機会はあまり多くはありません。その意味でも、今回は貴重な機会で、大いに堪能しました。

続いてフランク・マルタンの「7つの管楽器、ティンパニ、打楽器、弦楽器のための協奏曲」。ステージの前方(聴衆側)に 8-7-5-5-3 の弦楽セクションが対向配置で。正面後方に、7人の管楽器奏者が立奏スタイルで並びます。左から Fl-Ob-Hrn-Tb-Tp-Fg-Cl の順です。最奥部中央に Timp. その右に スネア、シンバル、バスドラムと打楽器群が配置されています。フランク・マルタン(1890-1974)は、スイスの作曲家で第二次大戦後にオランダで活躍、オネゲルなどと同時代の人のようです。7種類の管楽器の多様性を活かした面白い作品で、私はもちろん初めて聴きました。

15分の休憩の後、ブラームスのピアノ協奏曲第2番です。ステージ上はすっかり配置換えが行われ、正面中央にデーンとコンサートグランドピアノが置かれ、その後ろに指揮台、これを囲んで 8-7-5-5-3 の対向配置の弦楽、正面奥に Fl(2)-Ob(2) その奥に Cl(2)-Fg(2)-Tp(2) 、管楽器の右側に Timp. という配置となっています。拍手の中を藤田真央さんが登場、阪さんの指揮で堂々たるブラームスの響きが開始されます。この音、この響きは、山響の充実を感じさせます。プレトークの時にはむしろ柔弱な印象さえ受けた藤田真央さんも、ピアノは圧倒的でした。力強い音も繊細な響きも絶妙の間を持っています。オーケストラとのやり取り、特に矢口里菜子さんのチェロには思わずため息が出るほどでした。演奏時間もなかり長い大きな曲だけにスタミナも必要なのでしょうが、藤田真央さん、演奏が終わっても飄々とした雰囲気で、失礼ながらなんだかすごい怪物クンみたいだなあ、などと思ってしまいました。そういえば、両手首を体の前にそろえてウサギがちんまりと立っているようなスタイルを見せる様子など、ほんとにあの演奏をしたピアニストなのかと疑うほど。私にはやっぱり「怪物クン」に思えます(^o^)/



プログラムに挟まれていたチラシ類の中では、2023−2024シーズンの定期演奏会等の案内に注目です。これはさっそく新しい手帳に転記しておかなければ(^o^)/
もう一つ、いつもの駐車場が満車だったので紅花駐車場に入れたのですが、事前に県民ホール東南角の精算機で精算してから出るスタイルが可能になっていました。その分だけ出る車の流れがスムーズになると思われ、こういう改善はありがたいところです。


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