少し前のことになりますが、久しぶりで映画でも見ようかと映画館に行きました。お目当ては「ドライブ・マイ・カー」(*1)です。村上春樹原作でアカデミー賞にもノミネートされたという前評判は見聞きしていましたので、期待もありました。
ストーリーは、役者で演出家の夫と作家の妻の奇妙な関係から始まります。性行為の後に物語の文章が湧き出てくる妻の姿は、ホラー的で気持ち悪い。そして妻の不倫現場を目にしながら、ことなかれ主義で知らんふりする夫も気色悪い。妻の突然死も唐突で、なんでそうなるの?! そこでようやく始まるタイトルロール。そこからは、広島の演劇祭に招かれ、多言語によるチェーホフ「ワーニャ伯父」の上演に向けた取り組みの過程が描かれます。オーディションで選ばれた役者の中には、妻の不倫相手の若者が含まれ、不安定な青年が波乱の要因となる、というわけです。もう一人、主人公の愛車を運転する寡黙なドライバーの娘が登場、この人の仕事ぶりの中で、少しずつ半生が明らかになってきます。
◯
あまり詳細なネタバレはやめておきましょう。いくつか気づいた点を。
全体的には、うーん、そうですね〜、面白く見ましたけれど、二度三度と繰り返して観たい映画とは言えなかったように思います。もうちょっと、心に残る映画を観てみたいところです。「コーダ」あたりはどうなのだろう。
(*1): 映画「ドライブ・マイ・カー」公式サイト
ストーリーは、役者で演出家の夫と作家の妻の奇妙な関係から始まります。性行為の後に物語の文章が湧き出てくる妻の姿は、ホラー的で気持ち悪い。そして妻の不倫現場を目にしながら、ことなかれ主義で知らんふりする夫も気色悪い。妻の突然死も唐突で、なんでそうなるの?! そこでようやく始まるタイトルロール。そこからは、広島の演劇祭に招かれ、多言語によるチェーホフ「ワーニャ伯父」の上演に向けた取り組みの過程が描かれます。オーディションで選ばれた役者の中には、妻の不倫相手の若者が含まれ、不安定な青年が波乱の要因となる、というわけです。もう一人、主人公の愛車を運転する寡黙なドライバーの娘が登場、この人の仕事ぶりの中で、少しずつ半生が明らかになってきます。
◯
あまり詳細なネタバレはやめておきましょう。いくつか気づいた点を。
- 全体的に、ストーリーとは直接に縁がないけれど、イメージ的に効果的なチェーホフの劇中の台詞などが挿入され、あたかも台詞(文章)のコラージュのような雰囲気を醸し出しています。作家の言葉だけでなく過去の名作の一部を堂々と使えるという点では巧みな設定であろうとは思いますが、少々ズルいという感じも受けます。
- 広島から北海道に舞台は変わるのに、冬用タイヤに交換するような様子は描かれず、車を大切にする雪国生まれのドライバーにしてはおかしい。夏用タイヤで田舎の雪道を走れると思っているとしたら、ご都合主義というべきでしょう。
- 思わせぶりにタバコを使っているけれど、昔、咳喘息に悩む若い頃に会議中の禁煙を提案したら否決されたという苦い記憶を持つワタクシには、実に苦々しい無駄なカッコつけにしか見えません。今どき、タバコ産業が喜んで組織的に応援したりして(^o^)/
全体的には、うーん、そうですね〜、面白く見ましたけれど、二度三度と繰り返して観たい映画とは言えなかったように思います。もうちょっと、心に残る映画を観てみたいところです。「コーダ」あたりはどうなのだろう。
(*1): 映画「ドライブ・マイ・カー」公式サイト
そうなんですよね、この映画、悪くはないけど、世界各地で絶賛されていて、アカデミー各賞にノミネートされているというのもびっくりです。外国人に何が受けているんだろう。
濱口監督作品なら「偶然と想像」の方が面白かったと思いますけどね。
「コーダ」はまだ観れていませんが、なんか下ネタ連発の作品とか。感動的音楽映画と思っていたので興味津々なんですが・・・。
そんなことしててよく舞台に間に合ったものだ、とか。
濱口監督の力量は確かなものと思いますし、映画の出来は素晴らしかったけれど、ノーベル文学賞は多和田葉子さんが受賞すべきと思っている私には村上春樹臭がたまらなく不愉快でした。
心に残る映画というのは、必ずしも原作者や作品の知名度とは別なのかもしれません。