電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

パイオニア製カセットテープを模した消しゴム

2010年06月15日 06時03分27秒 | 手帳文具書斎
昨日は、一時、雨が降りましたので、週末農業もお休みとしました。部屋を片付けていたら、昔の文具箱が出てきました。その中に、パイオニア製カセットテープを模した消しゴムが入っておりました。いつ頃のものか、どんな経緯で入手したものか、とんと記憶にありませんが、なんとも懐かしいものです。この消しゴムを使ってみたいという理由で、久々に鉛筆を取り出しました。

昨日は、ハイドンの交響曲第8番「晩」を聴きました。「朝」「昼」「晩」の3曲でワンセットのようなものですが、ようやく梅雨に入ったとはいうもののずいぶん涼しい夜に、落ち着いてこういう曲目を楽しむのも良いものです。
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早生種サクランボ「紅さやか」の収穫が一段落した夜の音楽と読書

2010年06月14日 06時10分47秒 | 週末農業・定年農業
週末の日曜日、朝から雇人の人たちが到着、一斉に早生種サクランボ「紅さやか」の収穫作業を開始。二年目の新米農業後継者は、大まかな一日の予定をお願いして、ダンボール箱を組み立て、午前中の分を農協に出荷し、休憩時には一緒に様々な世間話に加わり、という具合。なかなか忙しいものです。
お昼には地震がありました。合間を見てはメールを確認したり、親戚知人からの電話に出たり、突然の来客に対応したりと、席の温まる間もありません。

夜になって、ほっと一息つきました。ミニコンポに接続したパソコンで、ヴィヴァルディの合奏協奏曲集「ラ・チェトラ」を聴きながら、宮城谷昌光『孟嘗君』第3巻を再読しています。2枚組のCDも、ハードディスクに取り込んでいるために、どこからでも連続して聴くことができるのがありがたい。至福の一時とでも申しましょうか、ついうとうとと眠くなります。晴耕雨読も、くたびれ過ぎると掛け声に終わります(^o^)/

写真は、修理が完了してつい先ごろ到着したカシオのデジカメ EX-S12 です。会社に送付する時は、えらく厳重な梱包でしたが、完成して手元に到着したときは、いたって簡易な荷姿でした。これって、よく考えるとすごく会社本位なのかもなぁ、どうなんでしょ(^o^)/

次の写真は、霞城公園二の丸の緑の様子を撮影したもの。緑が次第に濃くなって、今はすっかり初夏の風景です。


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ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第7番《大公》」を聴く

2010年06月13日 06時12分10秒 | -室内楽
本当にすてきないい曲ですね!
このところの通勤の音楽は、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番Op.97です。「大公」トリオという愛称を持つこの曲は、若い頃からのお気に入りで、軽やかなヴァイオリンはもちろん、伸びやかに活躍するチェロの音色や、歌うようなピアノの旋律に魅せられておりました。

作品の完成が、作曲者41歳にあたる1811年だそうで、青木やよひ著『ベートーヴェンの生涯』によれば「人生の星の時間」の頃、彼の音楽の良き理解者であるベッティーナ・ブレンターノを通じてゲーテに接近し、さらに義姉アントーニア・ブレンターノ母子の知遇を得て、彼女の邸宅に日常的に迎えられていた時期です。そして、この音楽そのものからも、ベートーヴェンが一番充実し、幸福感を感じていた時期の作品であろうと思われます。

第1楽章:アレグロ・モデラート、4分の4拍子、ソナタ形式。ピアノによる出だしがなんとも魅力的で、通りすがりの人をも思わず振り向かせるような力があります。シンプルですが、堂々としていて、実に音楽的。終結部で第1主題が出てくるところなど、本当にほれぼれします。
第2楽章:チェロがリズミカルにリードし、ヴァイオリンが弾むように続くと、ピアノも入ってくるという形で始まります。三部形式をとる軽妙なスケルツォ、アレグロで。
第3楽章:アンダンテ・カンタービレ・マ・ベロ・コン・モート。ピアノで始まるこの楽章だけを取り出すと、思わず後期の曲かと思ってしまうような、深い思索的な緩徐楽章です。好きですね~、この音楽!カーステレオでは、音域的にチェロの魅力が今ひとつ表現されにくいのですが、自宅のステレオで音量を上げて聴くと、深々とした音色や旋律、リズムが、なんとも魅力的です。
第4楽章:アレグロ・モデラート。明るく活発なロンド形式の楽章です。ピアノの活躍の場が十分に用意されており、こんな素敵な曲を献呈された若いルドルフ大公も、きっと嬉しかったことでしょう。

ところで、モーツァルトと比較して、ベートーヴェンはチェロの魅力を引き出すのが上手だと感じます。いえ、別にモーツァルトが下手だという意味ではなく、モーツァルトは高音域の楽器が好きだったのかな、という意味で(^o^;)>poripori
もしかすると、モーツァルトの時代よりも楽器の進歩があったのかもしれませんが、ベートーヴェンはチェロの音色が好きだったのかな、と勝手に想像しています(^o^)/

見事に息の合った演奏は、スーク・トリオによるものです。メンバーは、ヤン・パネンカ(Pf)、ヨセフ・スーク(Vn)、ヨセフ・フッフロ(Vc)の三人です。1975年6月14~15日に、チェコのルチャニー聖母マリア協会で収録されたPCM/デジタル録音で、制作は結城亨、音楽監督はピーター・ヴォルモースとエドゥアルト・ヘルツォーク、録音技師は穴沢健明とミロスラフ・クールハンというように、日本コロムビアとスプラフォンの共同制作となっています。いわば、DENON の初期デジタル録音の代表的なものと言ってよいでしょう。LPは、DENON OX-7035-ND という正規盤、CDはDENONの My Classic Gallery という全集分売もので、GES-9247 という型番ですが、中身は同じものです。さすがにLPでは通勤の音楽にはなれません(^o^;)>poripori

■スーク・トリオ
I=12'14" II=6'00" III=11'39" IV=6'30" total=36'23"

(*):ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲」を聴く~ 第1番第2番第3番第4番第5番第6番
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早生種サクランボの収穫始まる

2010年06月12日 06時01分47秒 | 週末農業・定年農業
週末農業でずっと世話をしてきたサクランボの近況です。
一昨日と昨日と二日間で雨避けテントを設置して、周囲を野鳥避けの網で覆い、あとは収穫を待つばかりとなりました。メインの「佐藤錦」は、昨年よりもおよそ一週間生育が遅れていますので、来週末あたりがちょうど良い頃でしょうか。
早生種の「紅さやか」がようやく赤くなり、収穫時期を迎えています。お味の方は、残念ながら佐藤錦にはだいぶ劣りますが、なにぶん時期が早いため、わりにいいお値段がします。真っ赤に色づいたサクランボ。でも、肝心の私は、本日は庄内へ出かけなければなりません。妻と老母と雇人の皆さん、ごめんなさい、日曜日と代休日には働きますので、よろしくです~(^o^)/

さて、来週の後半から、怒涛の収穫シーズンです。
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ジュール・ヴェルヌ『動く人工島』を読む~弦楽四重奏団が主人公の物語

2010年06月11日 06時09分47秒 | -外国文学
創元SF文庫でジュール・ヴェルヌの晩年の作品『動く人工島』を読みました。主人公は、なんとフランス人の弦楽四重奏団で、アメリカを演奏旅行中に、スタンダード島に強引に「招待」されます。スタンダード島とは、鋼鉄の箱を多数連結し、その上に作られた人工島で、エンジン駆動でスクリューを回転させ、自ら太平洋を航海することができる、というものです。この時点で、「ひょっこりひょうたん島」とはだいぶ設定が違います(^o^)/

なかばだまされた形ではありましたが、島に招待された四人の個性的な弦楽四重奏団員の目を通して、太平洋の諸島の住民の様子や、お金持ちが多いスタンダード島の特徴的な政治形態などを描きます。晩年のヴェルヌに見られる、ペシミズムの色濃い作品の系統で、島の破局の描き方は迫力があります。

ただし、19世紀当時には、こういった南海の諸島の住民の様子はそれだけで読ませるものだったのでしょうが、テレビカメラが世界のいたるところに入り込んでいる現代では、紀行文的な物珍しさはすでになく、その点での面白さはありません。むしろ、人工島の上で、弦楽四重奏団が時折開く演奏会のプログラムが面白いものです。

スタンダード島での最初の演奏会のプログラム(p.114)
(1) メンデルスゾーン 弦楽四重奏曲第1番
(2) ハイドン 弦楽四重奏曲第2番
(3) ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第10番
(4) モーツァルト 弦楽四重奏曲第5番

タヒチ島滞在時の演奏会のプログラム(p.208)
(1) ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第5番
(2) モーツァルト 弦楽四重奏曲第2番
(3) ハイドン 弦楽四重奏曲第2番 第2楽章
(4) オンスロー 弦楽四重奏曲第12番

引退した貧しい王様と王妃のための演奏会(p.241)
(1) メンデルスゾーン 弦楽四重奏曲第2番
(2) ハイドン 弦楽四重奏曲第3番「オーストリア讃歌」
(3) ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第6番
(4) モーツァルト 弦楽四重奏曲第10番

というものです。番号については、当時と今とは異なっている可能性がありますが(特にハイドン)、それにしても、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、メンデルスゾーンを網羅し、オンスローを加えているあたり、たいへんな音楽ファンだったというヴェルヌの趣味がしのばれます。



一般的なSFの範疇からは、『神秘の島』のほうが圧倒的なスケールの大きさでより上回っている作品かと思いますが、音楽ファンの立場からは、弦楽四重奏団を主人公にし、市民政治のあり方をテーマとした物語という意味で、いっぷう変わった面白さがありました。旅の合間に、登場した音楽をすぐに聴くことができないのが、まことに残念といえば残念です(^o^;)>poripori
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遠方へお出かけするとき

2010年06月10日 06時00分00秒 | コンピュータ
当方、ふだんは県内での移動が中心ですので、お出かけ先の地理はあらかた頭に入っています。鶴岡、酒田、新庄、米沢など、いずれの場所でも、まずは大丈夫です。

ところが、遠方に出かける場合は、過去の経験は役に立たないことが多いものです。仙台市くらいならある程度土地勘がありますが、青森とか大阪とか、めったに行かないところは不案内ですし、都内でもビルの谷間をぬって目的地に到達するには、けっこう難儀します。

そんなとき、最近は Google マップがずいぶん便利になっています。

(1) Googleマップに、目的地の地名や建物の名称を入力
(2) 適当にズームして行先を確かめ、「ルート」をクリック
(3) 出発地や日時、目的地などを入力し、ルートを表示
(4) ルート詳細をクリックすると、たとえば駅から目的地への最短経路を教えてくれます。
(5) 目印などは、ストリートビューが案外に役立ちます。
(6) これらを印刷し、折って上着のポケットに入れておけば、たいていは大丈夫。

技術が進歩し、携帯電話やスマートフォンなどを用いて、現地で即時に調べられる便利さは現代のものでしょうが、どうも人間が「古い」ためか、事前に調べシミュレーションしていく習慣がしみついているようです(^o^;)>poripori
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高速道路無料化の社会実験

2010年06月09日 06時00分00秒 | Weblog
報道によりますと、高速道路無料化の社会実験が、今月の28日から始まるのだそうな。当地では、仙台方面へ出る山形自動車道が対象から外れるほかは、ほとんど全区間が対象となります。内陸地方から庄内方面へ出かけたり、あるいはその逆に、米沢方面に出かけたりするには、経費負担は軽くなりますが、さて混雑はどうなるのでしょうか。

また、山形市方面への通勤に利用する人も多くなると思いますので、高速の方が降り口で渋滞したりする場合も考えられます。当初はたぶん混乱は避けられないのでしょう。落ち着くまでにどのくらい時間がかかるのか、文字通り社会実験というわけですが、

すると何かい、山形県民はモルモットなのかい?

などとすごんだりはいたしません(^o^)/
貴重な社会実験に、興味深く参加してみたいと思いまする(^o^)/
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「マーフィーの法則」とは

2010年06月08日 06時00分00秒 | コンピュータ
先日の記事で、演奏会におけるマーフィーの法則などという戯れ言(*1)を書きましたし、デジタルカメラの修理の件でも、マーフィーの法則まがいの出来の悪い「法則」に言及しました(*2)が、そもそもマーフィーの法則というのは何か。昔、アスキー社から出た単行本を読んではおりますけれど、その由来というか背景というか、法則の発見史といったものに関心を持ちました。

そういう類の調べ物ならば、Wikipedia でしょう。その道の泰斗が薀蓄を傾けてくれているのではないか、と期待して、調べてみました。それがこの「マーフィーの法則」です。

人間の場合、飽きるとか嫌になるとか、途中で止めてしまうことが多いので、執拗に繰り返す作業は向いていませんが、コンピュータの場合には、すべての可能性をしらみつぶしに試すプログラムを正しく書きさえすれば、あとの実行作業は機械が忠実にやってくれます。いわば、自動化・無人化がコンピュータ利用の本質です。ですから、

"If it can happen, it will happen."
「起こる可能性のあることは、いつか実際に起こる。」

という法則に意味がある、というふうに考えています。

例の、「バターを塗ったトーストがバターの面を下にして落下する確率は、カーペットの値段に比例する」という法則は、実は

アストン大学のロバート・マシューズは「トーストの転落 マーフィーの法則と基本的定数」という論文を発表した。彼はその論文の中で通常のテーブルを使用した時ほとんどの場合にバターを塗った面が下になることを証明し、バターを塗った面を上にして着地させるためには高さ3メートル以上のテーブルを使うべきだという結論を出した。マシューズはこの功績により1996年にイグノーベル賞を受賞した。

のだそうで、まるでロゲルギストの「物理の散歩道」の世界です(^o^)/

そうそう、秋になって、色づいた葉っぱが落葉しますが、地面の落葉の表と裏との比率は正しく半々なのでしょうか。どうも、必ずしもそうではないように思います。小学生や中学生の自由研究の恰好のテーマかもしれません(^o^)/

(*1):クラシック音楽の演奏会におけるマーフィーの法則~「電網郊外散歩道」
(*2):デジタルカメラの電池の消耗がやけに早いと思ったら~「電網郊外散歩道」

今日・明日は、出張となります。移動は電車ですので、荷物を軽くするために、ノートパソコンは持参いたしません。記事のほうは予約投稿に設定して行きますが、そんなわけでコメント reply はたぶん遅くなると思います。
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携帯に便利な名刺大のフレネルレンズを購入する

2010年06月07日 06時03分28秒 | 手帳文具書斎
山形市の八文字屋書店本店で、偶然に名刺サイズのフレネルレンズを見つけました。丸善のもので、420円。妻の分とあわせて2枚を購入しました。ごく小さな文字はどうも苦手になりましたので(^o^;)、システム手帳にそっとしのばせて携帯できるのはありがたい。文庫本サイズのものもありましたが、さすがにそこまでは(^o^)/

もう一つ、文具の pool でツバメノート製B5判A罫の糸綴じ大学ノートを見つけ、これも購入してきました。40年前の大学生協のノートはこれでした。フールス紙の書き味は、やっぱり格別です。万年筆には、この紙がいちばん適しているように感じます。

ただいまの通勤の音楽は、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番Op.97「大公」、スーク・トリオの演奏です。あらためて、いい曲だなぁと思います。季節も爽やかな朝の郊外路のドライブには、いかにも「ぴったんこ」の選曲です。
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山響モーツァルト定期(第10回)でクラリネット協奏曲や交響曲第34番等を聴く

2010年06月06日 06時17分57秒 | -オーケストラ
週末の土曜日、久々の休みなのに、お天気はぐずつき気味で、週末農業もお休みです。午前中に亡父の三回忌の案内状を準備し、午後から山形交響楽団モーツァルト定期「アマデウスへの旅」(第10回)に出かけました。少し早めに出かけたせいでいい席が確保でき、一安心です。そういえば、山形テルサホールの喫茶室で、飯森さんの姿を見つけました。ファンの人が「夜行で来たのよ~!」とアピールしていましたが、相変わらず人気ですね~。

その音楽監督・飯盛範親さんのプレコンサートトークが始まります。まずは本日のプログラムについて。交響曲第10番と第34番、あまり演奏されませんが、二曲とも非常に優れた曲だそうです。交響曲第10番は、1770年のイタリア旅行の際に、ミラノでオペラを依頼され、歌劇「ポントの王ミトリダーテ」を書きます。その頃の作品で、イタリア風の明るく華やかな曲。第34番は、ザルツブルグの大司教との不仲が決定的になっていた頃、1780年に書かれた唯一の交響曲だそうで、堂々としていて高貴な感じを受ける、逆境の中でエネルギーを集中して作り上げた作品とのこと。
それから、宣伝も少し。山形テルサ10周年演奏会のことや、東京公演「さくらんぼコンサート」のチケットが完売したとのこと、先日の「レオノーレ第3番」、ショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」、チャイコフスキー「交響曲第4番」というプログラムですから、きっと良い演奏会になることでしょう。また、7月1日に山形テルサで行われる東北経済同友会で、山響と山形舞妓が共演する件も。

さて、最初の曲目は、交響曲第10番ト長調K.74 です。ステージ上には第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンがそれぞれ4プルト(8人)ずつ左右に対向配置で並び、その後方にチェロ(5)とヴィオラ(6)が並びます。チェロが6人ではなく5人で、その点は変則ですが、かわりにファゴットの高橋あけみさんが座ります。その右にホルン(2)、オーボエ(2)、最後列にはコントラバス(3)が。今日のコンサートマスターは、高木和弘さんです。
第1楽章:アレグロ、ト長調、4分の4拍子。うーん、シンプルですが、なんとも良い響きです。とても中学生の作品とは思えません。第2楽章:アンダンテ。マエストロはイタリアのセレナード風と言っていましたが、なるほど、です。アタッカで第3楽章:アレグロへ。ト長調。山響の響きは相変わらず澄んでおり、曲の最後の音がすーっと消えていきます。これがけっこう快感です(^o^)/

続いて、ステージ上の配置換えの間に、飯森さんが次の曲目であるクラリネット協奏曲について解説します。当時、ザルツブルグやウィーンにはあまり良いオケはなく、マンハイムに良いオケがあり、そこで新興楽器クラリネットの音色に魅せられたのだとか。ザルツブルグからウィーンに出てきて、クラリネットの名手シュタットラーと出会います。クラリネットの名手にして、低音を拡大したバセットクラリネットの発明者、アントン・シュタットラーのために、モーツァルトはクラリネット五重奏曲やクラリネット協奏曲を作曲しました。特にこのクラリネット協奏曲は、モーツァルトの晩年に、彼の短い人生を凝縮したような、まるで「天上の音楽」のようだ、という紹介に頷きます。クラリネット独奏は、鶴岡市出身の山響クラリネット奏者で、牧慎一さん。うーん、海坂藩の牧といえば、藤沢周平『蝉しぐれ』の牧文四郎の末裔かと一瞬思ってしまいます(^o^)/

さて、オーケストラが配置につきます。対向配置の左右のヴァイオリンは、第3プルトまでの6人ずつ。ヴィオラ4、チェロ3、最奥にコントラバスが2と少しずつ人数を減らし、ホルン、フルート、ファゴットが各2という編成。ホルンはもちろんナチュラルホルンです。そこへソロの牧慎一さんが登場。曲目は、大大大好きなモーツァルトのクラリネット協奏曲イ長調、K.622 です。
第1楽章:アレグロ。オーケストラがふわっと柔らかい響きを奏でると、やがてクラリネットが入ってきます。ああ、なんとも甘い音色で、低音と高音の対比が素敵です。第2楽章:アダージョ。平安に満ちた祈りのような音楽です。ですが、聴き方によっては、たとえばガンに倒れた医師が一人の病室で夕焼けを眺めるような風情もあり。第3楽章:アレグロ。軽やかなリズムに乗って、オーケストラも強弱の対比をつけ、クラリネットも軽快に。いや~、堪能しました!

ここで15分の休憩が入ります。
後半のプログラムは、交響曲第34番ハ長調、K.338 です。
楽器編成がまた変わり、第1・第2ヴァイオリンは第4プルトまで8人ずつに戻り、ヴィオラ6、チェロ5、コントラバス3の弦楽部に、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、そしてティンパニという構成です。もちろん、ホルンはナチュラル・ホルンですし、トランペットもバロック・トランペットで、ティンパニもすっかりおなじみになったバロック・ティンパニです。
第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ。しょっぱなからトゥッティで、ティンパニもバンバン叩き、気合の入った華やかな始まりです。途中、チェロとコントラバスのピツィカートの後に静まり、この主題が再びトゥッティでファンファーレふうに登場。そしてコーダでもまた登場。
第2楽章:アンダンテ・ディ・モルト・ピウ・トスト。弦楽が細かく分かれてハモりながら演奏されます。ヴィオラ・パートが左右で分かれて分奏するというのも面白い。優しく繊細な音楽で、室内楽ふうというか、8-8-6-5-3 の弦楽アンサンブル。なるほど、それでヴィオラ・パートの譜面台が1人に1台ずつあるのですね(^o^)/
第3楽章:フィナーレ、アレグロ・ヴィヴァーチェ。きびきびした6拍子の舞曲です。

なるほど、たしかにあまり演奏を聴く機会はありませんが、けっこう聴きごたえのある曲です。特に、第2楽章の室内楽ふうのところなど、弦楽セクションの魅力を存分に味わえます。管楽器の方々は楽器を置いてじっと耳を澄ませて、「弦はいいなぁ」と思っていたのでしょうか(^o^)/

演奏後に、飯森さんがテレビ・クルーを紹介しました。なんでも、ドキュメンタリーを制作中なのだそうで、7月6日に全国放送、7月23日に東北六県でテレビ放送される予定なのだそうです。日付や放送局は不明ですが、たぶんそのうち山響ホームページでもアナウンスがあるでしょう。楽しみです。



写真は、演奏会の後の交流会の様子。次の写真は、「アマデウスの旅」スタンプが6個たまっていましたので、左のような CD ケースをもらいました。実はスタンプカードを忘れて押してもらえなかったこともあったのですが、まあいいか(^o^)/


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再修理デジカメの代替品が届く

2010年06月05日 06時05分39秒 | ブログ運営
愛用のデジカメでありましたカシオの Exilim EX-Z30 ですが、落っことしてから不調になり、修理を依頼してレンズユニットを交換し、直ったように見えました。ところが、すぐに症状が再現して再修理を依頼していたところ、どうやら修理のほうがおおごとらしく、電話が来て機種交換の提案がありました。しかたがないので、Exilim EX-S12 という機種に交換することに同意しました。先日、お店から届いたという電話があり、受け取ってきました。



相変わらずコンパクトなカメラの本体レンズ側には、Exilim Optical 3X の表示と f=6.3-18.9mm 1:2.8-5.8 と表記されています。
また、基本的な操作性も、Exilim EX-Z330 とまったく共通です。このあたりの基本的な操作の共通性というのは、意外に便利なものです。充電方式も、電池を外して専用の充電器にセットし、充電するタイプです。ストラップの輪の中に手首を入れ、本体を持ち歩くようにすれば、うっかり落っことす可能性も少なくなります。撮影画質は、ブログ用にVGA(640x480)に設定しており、気軽に何枚でも撮影できます。便利に使えそうです。


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国民読書年とは言うけれど

2010年06月04日 06時04分10秒 | 読書
今年は国民読書年だそうです。思い立って書店にいけば、たしかに書棚にあふれるほど本は並んでいますが、では昔おもしろく読んだ本をもう一度読んでみたいと思ったとき、その本を新たに入手できるのでしょうか。

たとえば、アレクサンドル・デュマの『モンテ・クリスト伯』はどうでしょう。子ども時代はもちろん、大人になってからでも、この長大な物語をわくわくどきどき、たいへん面白く、何度も読み返しています(*)。誰かに「なにか面白い本はありませんか」と尋ねられたら、まず真っ先に推薦する本の一つです。

試しに、山形県立図書館のホームページで蔵書検索をしてみました。その結果、1927年10月刊という古~い「世界文學全集」や子ども向けの縮約版、あるいは訳語が古めかしい岩波文庫くらいしか見当たらず、しかも岩波文庫は全5巻中後半の3冊しか登録されていない、というお寒い状態です。

さらに県内のいくつかの公立図書館で、横断検索を試みましたが、状況は似たようなものでした。昔、あれほど何種類も出版されていた「世界文学全集」は、今はどこへ行ってしまったのでしょう。そして、新しい『モンテ・クリスト伯』さえも入手できないという出版界や公共図書館の現状とは?もう、電子出版や著作権切れで青空文庫に入るのを待つしかないのでしょうか。

どうもあまり盛り上がっているとは思えない国民読書年という掛け声は、逆に「奇妙な現実」に気づかせてくれます。

(*):デュマ『モンテ・クリスト伯』を読む(14)~ダングラールの場合と復讐者の幸福~「電網郊外散歩道」

写真は、霞城公園北側土塁にあるサイカチの巨木です。
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音楽に関するブログ記事

2010年06月03日 06時04分10秒 | ブログ運営
クラシック音楽やその演奏に関する記事を書いてきて、いくつかのスタイルがあることに気づきました。私の場合は、

(1) 日常生活の身辺雑記に、聴いた曲や演奏について書き記すとともに、少しの感想を付け加える。
(2) 実際に参加した演奏会や映画、放送番組について、そのテーマや構成などをおりこみながら、その様子をレポートする。
(3) ある曲目を取り上げ、作曲家のことや曲の成立時のエピソードなどをまじえて曲の構成などを紹介し、CD等の録音や演奏にふれる。
(4) 音楽史上のエピソードなどについて、書籍やネット上の記事に触れながら、自分なりの解釈や気づいたことを書く。
(5)音楽関係の書籍を取り上げ、その内容構成、特徴などについて紹介するとともに、若干の感想を加える。

などでしょうか。

多忙な時期には、(3)や(4)など、よく調べる必要のある記事は書きにくく、(1)のスタイルが多くなります。(2)のように、実際に参加した演奏会の場合は、感動が後押ししてくれるためか、一気に書けるようです。

逆にごく少ないのが、聴き比べや優劣比較の記事です。これは、当方のLPやCD等のライブラリが、あれこれ比較できるほど多量ではないことに加えて、私のような素人音楽愛好家が、プロの音楽家の長年の研鑽の成果を一刀両断することなど、とても恐ろしくてできません。
もし、比較記事を試みるとしたら、せいぜいAはこういうことを目指したのではないか、それに対し、Bはこちらの方向を目標としたのでは、というふうに推測することくらいでしょう。

いずれにしろ、音楽にたずさわる人々の真摯な努力に感謝し、楽しく興味深く聴いたことを綴りたいものだと思います。
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懐かしさと歴史

2010年06月02日 06時02分20秒 | Weblog
子供の頃、祖父母や父母が懐かしさを感じるものは、すでに歴史的な存在になっておりました。同様に、当方が懐かしさを感じるものは、子どもたちにとってはどうやら歴史の遺物のようなのです。

オープンリールのテープレコーダ、LPレコード、計算尺、対数表、デバイダ、T定規など、中には何に使うのかさえもわからないものもあるそうな。

なるほど、少年期、青年期に使った経験のあるものは懐かしく、それ以前のものは歴史的存在なのですね。すると、団塊の世代が少年少女期を過ごした時代よりも前は、すでに歴史の範疇に入り、戦後の高度経済成長期あたりが、懐かしさから歴史の範疇へ移行しつつある、ということなのでしょう。そして、歴史の範疇に入ったものは、ある程度の知識がなければ、理解できないのは当然です。

うーむ、そういう認識ができないと、自分自身が過去の遺物になってしまう、ということか。若い人に昔の話をするときは、気をつけましょう(^o^;)>poripori
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デジタルカメラの電池の消耗がやけに早いと思ったら

2010年06月01日 05時35分47秒 | ブログ運営
愛用のデジカメ Casio Exilim EX-Z30 が故障(*1)し、修理を依頼する間の当ブログ用写真撮影の目的で、Exilim EX-Z330 を購入(*2)し、使っておりました。ところが、やけに電池の消耗が早い上に、電池を取り出して充電すると、いちいち年月日時刻の設定をしなければならず、不便を感じておりました。これではクレードル上で充電する方式の旧機種 EX-Z30 の方が便利だと、やや辛めの評価(*3)をしておりました。

ところが、先日、購入したお店からお知らせが届きました。カシオ製デジタルカメラ「EX-Z330」ご購入のお客様へ と題する、当該機種の不具合の詫びと無償修理実施のお知らせです。当方、小さな文字が苦手な世代の一人です。苦労して小さな文字の製造番号を調べてみたら、なんと不具合の製品にぴったりとあてはまります。

(1)電池を抜き取ると日時設定が保持されない、(2)カメラ本体電源OFF時の電池消耗が早い、

という不具合症状も、ドンピシャリ。

やれやれ、なんという間の悪さでしょう。「ある製品が故障して修理に出すと、代替製品にも不具合が出る」なんて、まるで出来の悪いマーフィーの法則みたいです。もっとも、最初の故障は当方がうっかり落っことしたのが原因ですから、光学系の交換修理後も不具合が再現(*4)し代替製品交換という提案をいただいたメーカーの対応(*5)には、むしろ恐縮しているくらいなのですが(^o^;)>poripori

そんなわけで、WEB 上でさっそく EX-Z330 の修理依頼の申込みをしました。近日中に、返送用のリペア・キットが届く予定。EX-Z30 の代替製品交換のほうは、お店から届きましたという連絡が入っております。本日取りにいく予定。手持ちのデジカメが二台とも修理中という最悪の状態は、なんとか回避できそうです(^o^;)>poripori

(*1):デジタルカメラの調子が悪い~「電網郊外散歩道」2010/04/22
(*2):新しいコンパクト・デジカメを購入する~「電網郊外散歩道」2010/04/23
(*3):デジタルカメラの修理完了~「電網郊外散歩道」2010/05/14
(*4):あれれ、直っていないんだけど~「電網郊外散歩道」2010/05/18
(*5):デジカメは修理でなく機種交換の提案が~「電網郊外散歩道」2010/05/29
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