週末の土曜日、久々の休みなのに、お天気はぐずつき気味で、週末農業もお休みです。午前中に亡父の三回忌の案内状を準備し、午後から山形交響楽団モーツァルト定期「アマデウスへの旅」(第10回)に出かけました。少し早めに出かけたせいでいい席が確保でき、一安心です。そういえば、山形テルサホールの喫茶室で、飯森さんの姿を見つけました。ファンの人が「夜行で来たのよ~!」とアピールしていましたが、相変わらず人気ですね~。
その音楽監督・飯盛範親さんのプレコンサートトークが始まります。まずは本日のプログラムについて。交響曲第10番と第34番、あまり演奏されませんが、二曲とも非常に優れた曲だそうです。交響曲第10番は、1770年のイタリア旅行の際に、ミラノでオペラを依頼され、歌劇「ポントの王ミトリダーテ」を書きます。その頃の作品で、イタリア風の明るく華やかな曲。第34番は、ザルツブルグの大司教との不仲が決定的になっていた頃、1780年に書かれた唯一の交響曲だそうで、堂々としていて高貴な感じを受ける、逆境の中でエネルギーを集中して作り上げた作品とのこと。
それから、宣伝も少し。山形テルサ10周年演奏会のことや、東京公演「さくらんぼコンサート」のチケットが完売したとのこと、先日の「レオノーレ第3番」、ショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」、チャイコフスキー「交響曲第4番」というプログラムですから、きっと良い演奏会になることでしょう。また、7月1日に山形テルサで行われる東北経済同友会で、山響と山形舞妓が共演する件も。
さて、最初の曲目は、交響曲第10番ト長調K.74 です。ステージ上には第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンがそれぞれ4プルト(8人)ずつ左右に対向配置で並び、その後方にチェロ(5)とヴィオラ(6)が並びます。チェロが6人ではなく5人で、その点は変則ですが、かわりにファゴットの高橋あけみさんが座ります。その右にホルン(2)、オーボエ(2)、最後列にはコントラバス(3)が。今日のコンサートマスターは、高木和弘さんです。
第1楽章:アレグロ、ト長調、4分の4拍子。うーん、シンプルですが、なんとも良い響きです。とても中学生の作品とは思えません。第2楽章:アンダンテ。マエストロはイタリアのセレナード風と言っていましたが、なるほど、です。アタッカで第3楽章:アレグロへ。ト長調。山響の響きは相変わらず澄んでおり、曲の最後の音がすーっと消えていきます。これがけっこう快感です(^o^)/
続いて、ステージ上の配置換えの間に、飯森さんが次の曲目であるクラリネット協奏曲について解説します。当時、ザルツブルグやウィーンにはあまり良いオケはなく、マンハイムに良いオケがあり、そこで新興楽器クラリネットの音色に魅せられたのだとか。ザルツブルグからウィーンに出てきて、クラリネットの名手シュタットラーと出会います。クラリネットの名手にして、低音を拡大したバセットクラリネットの発明者、アントン・シュタットラーのために、モーツァルトはクラリネット五重奏曲やクラリネット協奏曲を作曲しました。特にこのクラリネット協奏曲は、モーツァルトの晩年に、彼の短い人生を凝縮したような、まるで「天上の音楽」のようだ、という紹介に頷きます。クラリネット独奏は、鶴岡市出身の山響クラリネット奏者で、牧慎一さん。うーん、海坂藩の牧といえば、藤沢周平『蝉しぐれ』の牧文四郎の末裔かと一瞬思ってしまいます(^o^)/
さて、オーケストラが配置につきます。対向配置の左右のヴァイオリンは、第3プルトまでの6人ずつ。ヴィオラ4、チェロ3、最奥にコントラバスが2と少しずつ人数を減らし、ホルン、フルート、ファゴットが各2という編成。ホルンはもちろんナチュラルホルンです。そこへソロの牧慎一さんが登場。曲目は、大大大好きなモーツァルトのクラリネット協奏曲イ長調、K.622 です。
第1楽章:アレグロ。オーケストラがふわっと柔らかい響きを奏でると、やがてクラリネットが入ってきます。ああ、なんとも甘い音色で、低音と高音の対比が素敵です。第2楽章:アダージョ。平安に満ちた祈りのような音楽です。ですが、聴き方によっては、たとえばガンに倒れた医師が一人の病室で夕焼けを眺めるような風情もあり。第3楽章:アレグロ。軽やかなリズムに乗って、オーケストラも強弱の対比をつけ、クラリネットも軽快に。いや~、堪能しました!
ここで15分の休憩が入ります。
後半のプログラムは、交響曲第34番ハ長調、K.338 です。
楽器編成がまた変わり、第1・第2ヴァイオリンは第4プルトまで8人ずつに戻り、ヴィオラ6、チェロ5、コントラバス3の弦楽部に、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、そしてティンパニという構成です。もちろん、ホルンはナチュラル・ホルンですし、トランペットもバロック・トランペットで、ティンパニもすっかりおなじみになったバロック・ティンパニです。
第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ。しょっぱなからトゥッティで、ティンパニもバンバン叩き、気合の入った華やかな始まりです。途中、チェロとコントラバスのピツィカートの後に静まり、この主題が再びトゥッティでファンファーレふうに登場。そしてコーダでもまた登場。
第2楽章:アンダンテ・ディ・モルト・ピウ・トスト。弦楽が細かく分かれてハモりながら演奏されます。ヴィオラ・パートが左右で分かれて分奏するというのも面白い。優しく繊細な音楽で、室内楽ふうというか、8-8-6-5-3 の弦楽アンサンブル。なるほど、それでヴィオラ・パートの譜面台が1人に1台ずつあるのですね(^o^)/
第3楽章:フィナーレ、アレグロ・ヴィヴァーチェ。きびきびした6拍子の舞曲です。
なるほど、たしかにあまり演奏を聴く機会はありませんが、けっこう聴きごたえのある曲です。特に、第2楽章の室内楽ふうのところなど、弦楽セクションの魅力を存分に味わえます。管楽器の方々は楽器を置いてじっと耳を澄ませて、「弦はいいなぁ」と思っていたのでしょうか(^o^)/
演奏後に、飯森さんがテレビ・クルーを紹介しました。なんでも、ドキュメンタリーを制作中なのだそうで、7月6日に全国放送、7月23日に東北六県でテレビ放送される予定なのだそうです。日付や放送局は不明ですが、たぶんそのうち山響ホームページでもアナウンスがあるでしょう。楽しみです。
写真は、演奏会の後の交流会の様子。次の写真は、「アマデウスの旅」スタンプが6個たまっていましたので、左のような CD ケースをもらいました。実はスタンプカードを忘れて押してもらえなかったこともあったのですが、まあいいか(^o^)/
その音楽監督・飯盛範親さんのプレコンサートトークが始まります。まずは本日のプログラムについて。交響曲第10番と第34番、あまり演奏されませんが、二曲とも非常に優れた曲だそうです。交響曲第10番は、1770年のイタリア旅行の際に、ミラノでオペラを依頼され、歌劇「ポントの王ミトリダーテ」を書きます。その頃の作品で、イタリア風の明るく華やかな曲。第34番は、ザルツブルグの大司教との不仲が決定的になっていた頃、1780年に書かれた唯一の交響曲だそうで、堂々としていて高貴な感じを受ける、逆境の中でエネルギーを集中して作り上げた作品とのこと。
それから、宣伝も少し。山形テルサ10周年演奏会のことや、東京公演「さくらんぼコンサート」のチケットが完売したとのこと、先日の「レオノーレ第3番」、ショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」、チャイコフスキー「交響曲第4番」というプログラムですから、きっと良い演奏会になることでしょう。また、7月1日に山形テルサで行われる東北経済同友会で、山響と山形舞妓が共演する件も。
さて、最初の曲目は、交響曲第10番ト長調K.74 です。ステージ上には第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンがそれぞれ4プルト(8人)ずつ左右に対向配置で並び、その後方にチェロ(5)とヴィオラ(6)が並びます。チェロが6人ではなく5人で、その点は変則ですが、かわりにファゴットの高橋あけみさんが座ります。その右にホルン(2)、オーボエ(2)、最後列にはコントラバス(3)が。今日のコンサートマスターは、高木和弘さんです。
第1楽章:アレグロ、ト長調、4分の4拍子。うーん、シンプルですが、なんとも良い響きです。とても中学生の作品とは思えません。第2楽章:アンダンテ。マエストロはイタリアのセレナード風と言っていましたが、なるほど、です。アタッカで第3楽章:アレグロへ。ト長調。山響の響きは相変わらず澄んでおり、曲の最後の音がすーっと消えていきます。これがけっこう快感です(^o^)/
続いて、ステージ上の配置換えの間に、飯森さんが次の曲目であるクラリネット協奏曲について解説します。当時、ザルツブルグやウィーンにはあまり良いオケはなく、マンハイムに良いオケがあり、そこで新興楽器クラリネットの音色に魅せられたのだとか。ザルツブルグからウィーンに出てきて、クラリネットの名手シュタットラーと出会います。クラリネットの名手にして、低音を拡大したバセットクラリネットの発明者、アントン・シュタットラーのために、モーツァルトはクラリネット五重奏曲やクラリネット協奏曲を作曲しました。特にこのクラリネット協奏曲は、モーツァルトの晩年に、彼の短い人生を凝縮したような、まるで「天上の音楽」のようだ、という紹介に頷きます。クラリネット独奏は、鶴岡市出身の山響クラリネット奏者で、牧慎一さん。うーん、海坂藩の牧といえば、藤沢周平『蝉しぐれ』の牧文四郎の末裔かと一瞬思ってしまいます(^o^)/
さて、オーケストラが配置につきます。対向配置の左右のヴァイオリンは、第3プルトまでの6人ずつ。ヴィオラ4、チェロ3、最奥にコントラバスが2と少しずつ人数を減らし、ホルン、フルート、ファゴットが各2という編成。ホルンはもちろんナチュラルホルンです。そこへソロの牧慎一さんが登場。曲目は、大大大好きなモーツァルトのクラリネット協奏曲イ長調、K.622 です。
第1楽章:アレグロ。オーケストラがふわっと柔らかい響きを奏でると、やがてクラリネットが入ってきます。ああ、なんとも甘い音色で、低音と高音の対比が素敵です。第2楽章:アダージョ。平安に満ちた祈りのような音楽です。ですが、聴き方によっては、たとえばガンに倒れた医師が一人の病室で夕焼けを眺めるような風情もあり。第3楽章:アレグロ。軽やかなリズムに乗って、オーケストラも強弱の対比をつけ、クラリネットも軽快に。いや~、堪能しました!
ここで15分の休憩が入ります。
後半のプログラムは、交響曲第34番ハ長調、K.338 です。
楽器編成がまた変わり、第1・第2ヴァイオリンは第4プルトまで8人ずつに戻り、ヴィオラ6、チェロ5、コントラバス3の弦楽部に、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、そしてティンパニという構成です。もちろん、ホルンはナチュラル・ホルンですし、トランペットもバロック・トランペットで、ティンパニもすっかりおなじみになったバロック・ティンパニです。
第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ。しょっぱなからトゥッティで、ティンパニもバンバン叩き、気合の入った華やかな始まりです。途中、チェロとコントラバスのピツィカートの後に静まり、この主題が再びトゥッティでファンファーレふうに登場。そしてコーダでもまた登場。
第2楽章:アンダンテ・ディ・モルト・ピウ・トスト。弦楽が細かく分かれてハモりながら演奏されます。ヴィオラ・パートが左右で分かれて分奏するというのも面白い。優しく繊細な音楽で、室内楽ふうというか、8-8-6-5-3 の弦楽アンサンブル。なるほど、それでヴィオラ・パートの譜面台が1人に1台ずつあるのですね(^o^)/
第3楽章:フィナーレ、アレグロ・ヴィヴァーチェ。きびきびした6拍子の舞曲です。
なるほど、たしかにあまり演奏を聴く機会はありませんが、けっこう聴きごたえのある曲です。特に、第2楽章の室内楽ふうのところなど、弦楽セクションの魅力を存分に味わえます。管楽器の方々は楽器を置いてじっと耳を澄ませて、「弦はいいなぁ」と思っていたのでしょうか(^o^)/
演奏後に、飯森さんがテレビ・クルーを紹介しました。なんでも、ドキュメンタリーを制作中なのだそうで、7月6日に全国放送、7月23日に東北六県でテレビ放送される予定なのだそうです。日付や放送局は不明ですが、たぶんそのうち山響ホームページでもアナウンスがあるでしょう。楽しみです。
写真は、演奏会の後の交流会の様子。次の写真は、「アマデウスの旅」スタンプが6個たまっていましたので、左のような CD ケースをもらいました。実はスタンプカードを忘れて押してもらえなかったこともあったのですが、まあいいか(^o^)/