電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

通勤の音楽用にセカンドUSBメモリを用意する

2021年03月16日 06時00分04秒 | クラシック音楽
今まで聴いている通勤用のUSBメモリは、だいぶ長期間にわたり聴いています。春ですので、気分一新、違う曲や演奏を用意しようと考えました。ずいぶん前に買った SONY の USB メモリが見つかりましたので、試してみるとまだ使えそうです。で、ランダムにパソコンから次のような曲をコピーして準備しました。

  • ハイドン 交響曲第92番 セル指揮クリーヴランド管
  • J.S.バッハ ゴールドベルグ変奏曲 シトコヴェツキ、紀尾井シンフォニエッタ
  • ヴィヴァルディ チェロ協奏曲 フルニエ(Vc)
  • シューマン 子供の情景、謝肉祭 ヤン・パネンカ(Pf)
  • フランク、ラヴェル、ドビュッシー ヴァイオリン・ソナタ シュロモ・ミンツ(Vn)
  • R.コルサコフ シェエラザード ストコフスキー指揮ロンドン響

などです。とりあえずこんなところを用意して、ただいま弦楽合奏でバッハのゴールドベルグ変奏曲を聴いています。

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山響第291回定期演奏会でモーツァルト、ハイドン、ブルックナーを聴く

2021年03月15日 06時00分18秒 | -オーケストラ
お天気は少々ぐずつき気味ですが、かなり暖かい日曜日、山形市のテルサホールで、山形交響楽団第291回定期演奏会を聴きました。少し早めに出かけたのだけれど、近隣の駐車場は満車で入れず、日曜の午後ということでかなり人出が多そうです。ダメ元でテルサホールの駐車場に行ったらまだまだ空いていて、ラッキー(*1)!

開演前、しばらくぶりに音楽総監督の飯森範親さんのトークを聞きました。印象的だったのは、日本ではこうやって演奏会を開催できていますが、これは世界的にみても珍しいのだそうな。欧米では感染者数が多く演奏会がなかなか開けないうえ、入国して2週間、さらに帰国して2週間の隔離期間がありますので、海外での演奏会は行かないようにしているのだそうです。たしかに、指揮者がテレワークというニュースは聞いたことがないかも(^o^)/

さて、本日のプログラムは、

  1. モーツァルト:3つの行進曲 K.408
  2. ハイドン:ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII:11
  3. ブルックナー:交響曲 第0番 ニ短調 WAB 100
     飯森範親 指揮、山形交響楽団、三原未紗子(Pf)

というものです。

1曲め、モーツァルトの「3つの行進曲」。ステージ上には小さめの編成で椅子が並び、左から第1ヴァイオリン(6)、第2ヴァイオリン(6)、ヴィオラ(4)、チェロ(4)、右後方にコントラバス(2)、正面奥に前列がフルート(2)、オーボエ(2)、その後方にホルン(2)、ファゴット(2)、さらにその後方にバロック・ティンパニとトランペット(2)という配置です。編成が小さい分、演奏には小気味良い切れ味の良さが感じられ、楽しいものです。特に、第2曲と第3曲ではティンパニの連打から始まりますが、なるほど行進曲だと納得。でも響きは威勢のよいミリタリー調ではありませんで、ホルンやトランペットはナチュラルタイプのまろやかな響きですし、弦楽の軽やかさと優雅さが印象的なものでした。

2曲め、ハイドンのピアノ協奏曲は、正面にピアノ、指揮者を囲んで左から 6-6-4-4-2 の弦楽5部に Hrn(2) と Ob(2) が加わるのみ。いたってシンプルな楽器編成です。
今回のソリスト三原未紗子さんは、深い赤色のドレスで登場。第1楽章:ヴィヴァーチェ、第2楽章:ウン・ポコ・アダージョ、第3楽章:ハンガリー風ロンド、アレグロ・アッサイ。ハイドンがエステルハージ候の楽長として働いた最後の10年間に作曲された充実した作品の一つということですが、飯森さんの話では、ハイドンがモーツァルトと親交があった時期に書かれたもので、おそらくは彼の人気のあるピアノ協奏曲を承知の上での作品だろうとのことでした。なるほど、そう言われると、当時としてはこういう音楽がもてはやされていたということもあるでしょうが、いかにも軽快で明るい音楽です。
聴衆の盛大な拍手の中でも、「ブラヴォー・タオル」を掲げている人が目立ったらしく、三原さんも嬉しそうでした。アンコールは、シューベルト(リスト編曲)「糸を紡ぐグレートヒェン」。これも良かった〜!



ここで20分の休憩です。



定期演奏会の後半は、ブルックナーの交響曲第0番。
楽器編成と配置は、10-8-6-6-4 の弦楽5部、正面奥に、Fl(2), Ob(2), その奥に Hrn(4), Cl(2), Fg(2), 最奥部に Timp. と Tp(2), Tb(3) というものです。今回はライブ録音も行っているようで、目立たないように配慮されてはいますが、興味がある人には録音マイクが立っているのがわかります。



第1楽章:アレグロ。弦の細かな刻みに始まり、低弦やホルンなどすでにブルックナーらしさが満載です。拡大された編成もあって、800席ほどのホールを埋めるような音の洪水です。そしてブルックナー休止、その後の厳粛な総奏。
第2楽章:アンダンテ。弦と木管が交互に奏され、響きが優しい。木管のアンサンブルもいいなあ。例えば Hrn とVcにVnとCbが加わるように、音色と高低の対比が印象的ですが、もしかしたらオルガンのストップのような効果でしょうか。独特の響きは、必ずしも満たされていない響きに別の楽器が加わることにより、十全さを感じさせる効果があるようです。長い全休止の後に、静かな弦のゆっくりした終わり。
第3楽章:スケルツォ、プレスト〜トリオ、緩やかに、かつ穏やかに。金管も加わり、速いテンポで駆け回るようなスケルツォ。全休止の後の、ゆるやかな優しい表情がいいなあ。再び冒頭に戻るように主部が反復されます。
第4楽章:フィナーレ、モデラート〜アレグロ・ヴィヴァーチェ。序奏の後に主部が奏されますが、この楽章に限らず、強奏ー全休止ー弱音で優しい響きというスタイルが共通です。ブルックナーはこのパターンが好きだったのかも。確かに、これはオルガンでは難しい。弱音で優しい響きというのは、オルガンにはできない、オーケストラという楽器が奏でる喜びであり、楽しさ、嬉しさがあったのかもしれません。Timp. の強打の後に続く、弦が細かく繰り広げる音型は、奏者には負担が大きいのでしょうが、実に豊かなものに感じます。終楽章らしい盛り上がり、高揚感よりも、むしろ「ああ、いいブルックナーを聴いたぞ!」という満足感のほうが大きい演奏会でした。



考えてみると、飯森さんと山響によるブルックナーをずっと聴き続けてきて、第0番まで来たことになります。ミサ曲も聴いたし、詩篇も聴きました。CDも、飯森+山響のブルックナーの交響曲録音は全部手元に揃っています。今回の録音も、発表されるのが今から楽しみです。
(あとは大編成を要求されるナンバーのものですが、これも権利関係の問題を解決し例えば仙台フィルと合同するなどして、ぜひ録音してほしいものです。)



(*1):駐車料金は800円でした。近隣駐車場の料金水準よりも高めなので、よそに流れているのかもしれません。

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スマートフォンのシステムアップデートを実施する

2021年03月14日 06時01分40秒 | コンピュータ
昨年秋に PHS から Android スマホユーザーに転じたばかりですが、現用の Aquos sense3 basic SHV48 は意外に電池が長持ちすることに驚いています。なに、要するにもっぱらパソコンで用が足りるので、あまりスマホいじりをしないということなのだろうと思いますが、このところシステムアップデートをしなさいとうるさいのでσ(^o^)、空き時間と電池の残量とWiFi使用の可否等を見計らって、早朝に実施しました。1時間くらいで完了しましたが、まだどのへんが変わったのか、よくわかっていません。後で、時間のあるときに調べてみましょう。今はまだあれこれやらなきゃいけないことが多いです。例えば確定申告とか、果樹園の剪定や剪定枝の片付けとか、野ネズミ一斉駆除とか、ハーベストオイル防除とか。

いや、その前に、本日は山形交響楽団の第291回定期演奏会でハイドンのピアノ協奏曲やブルックナーの交響曲第0番などを聴きに行く予定です。

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近ごろ家族に好評な料理のメモ〜生ハムと玉ネギのペペロンチーノ

2021年03月13日 06時00分00秒 | 料理住居衣服
一年前とは違い、今年は厨房に立つのが休日だけになってしまっていますが、たまに作ると、家族には好評です。これまでは、中華おこわだとか白菜カレー、つまり水をほとんど入れないくらい白菜をたっぷり入れたカレー、あるいはインスタントラーメンで作る酸辣湯麺などが好評でした。近頃、作ったものの中で評判が良かったのが、生ハムと玉ネギのペペロンチーノです。

    材料 (2人分)
  • パスタ @80g×2
  • 玉ネギ 適量 スライスしてさっと水にさらしておく
  • 生ハム 適量 食べやすい大きさに切っておく
  • 水菜など残り野菜 さっと塩水で茹でておいたもの
  • 鷹の爪 1本
  • ニンニク 1個
  • オリーブ油、塩

作り方は、3L の水に塩大さじ2を加えて沸騰させ、パスタを茹でている間に、フライパンでオリーブ油を加熱し、低温でニンニクの香りを移したら鷹の爪で辛味を付け、パスタの茹で汁を加えてゆすり、乳化してソースを作ります。茹でたパスタをソースに絡めて盛り付け、生ハム、玉ネギを載せ、緑の野菜を添えて供します。

ピリ辛のペペロンチーノがシンプルな美味しさです。サラダ玉ネギと生ハムが、サッパリ味。



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井戸の冬越しは成功のようだ

2021年03月12日 06時00分07秒 | 料理住居衣服
先年、地下水利用の井戸小屋を建て替えました。長年使っている井戸は、もっぱら収穫した野菜や農作業関連の道具、あるいはどろんこ長靴等を洗うのに使っていますが、冬は凍結対策が必要になります。ポンプを停め、水を抜き、乾いた状態で冬をやり過ごす(*1)のも方法ですが、この冬は少し違う方法を取りました。つまり、ずっとチョロチョロ出し続けることで凍結を防ぐという、井戸ならばごく当たり前のやり方です。厳冬期の冷え込みでごく一部に薄い氷が張ることがありましたが、それ以外はほぼ凍結せずに、ほそぼそという量ではありましたが、ずっと水が流れ続けました。電熱ヒーターのおかげで水栓も水槽も凍らず、コンクリートの破損もありませんでした。ありがたい!

さて、季節は春。もうすぐ農作業シーズンに入ります。井戸の利用機会も増えてくるでしょう。もし井戸の主(ぬし)という存在がいるとしたら、今頃はきっと張り切って準備運動を始めているに違いありません。

(*1):水温む春〜井戸水を汲み上げて〜「電網郊外散歩道」2020年3月

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あれから10年。

2021年03月11日 06時01分09秒 | Weblog
東日本大震災と福島の原発事故から数えて、10年になります。早いものです。あれから、自分の10年間もいろいろなことがありました。転勤し、定年退職し、全く違う世界に再就職、6年勤めて依願退職して専業農家となり、ゆるやかな生活を送っていたときに、降って湧いたような助っ人の依頼で再び勤め人生活へ。そうしたら、思いもよらぬ新型コロナウィルス禍に遭遇することとなりました。



考えてみれば、震災と原発事故以降、集中豪雨や豪雪被害、家族の病気や二匹の老猫の死去、きわめつけは新型感染症の流行と、一言で言えば変転と災禍の十年と言っても良さそうです。うわー、なんだかなあと思いつつ、それでも自分が健康で働いてこれたのはありがたいことでした。

自分でも料理を試み、自分で育てた美味しい果物や野菜をたっぷり食べて、億劫がらずに体を動かし、ストレスはためずに発散、コンピュータを味方につけて良い音楽を楽しみ、好奇心と読書の時間を大切にする生活は、確かに実年齢以上に「老け込む」ことから免れているようです。あれから10年、これからの1年1年。時の過ぎゆくのは速いけれど、被災地の方々の幸を祈りながら、自分自身も前向きに快活に過ごしたいものと願っています。

(写真は 3.11 のその夜、停電の中で撮影したものと、2020年11月、晩年の母猫21歳。)

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サクランボ果樹園の今冬の豪雪被害状況は

2021年03月10日 06時01分37秒 | 週末農業・定年農業
ようやく春めいてきましたので、自宅裏の果樹園の様子を見に行ってきました。途中までは除雪機で除雪していましたので、雪どけで道がすでにできていますが、そこから先はまだ雪の原です。それでも、幹の周りは土が見えて、春だなあと感じます。

さて、例年にない豪雪に見舞われた今年、サクランボ果樹園の被害状況はどんな具合でしょうか。まずは、腕より太い枝がぼっきり落ちていました。




あちゃー! だいぶひどいなあ。でもまあ、これくらいなら途中から枝が再生してまた伸びてくるだろう。




こっちもか。これは傷口をうまく対処しておかないと、ここから枯れ込みが入ってしまうと致命傷になりかねないぞ。



いやいや、どうも太枝の雪折れ被害だけではなさそうです。例年にない、初めての被害も発生しています。




サクランボの樹が根こそぎひっくり返っています。どれどれ、根っこはどうなっているのだろう。



ふーむ、なるほど。根がやられている。ひっくり返っている樹が園地の低地側に偏って発生していることから考えても、夏の集中豪雨で冠水した部分が根腐れを起こし、根張りが不足して雪の重みを受け止めきれなかったもののようです。

大きな被害は、50〜60年の樹齢の老木が4本でした。少し離れた場所にあるもう一箇所の園地では大きな倒壊は発生していないので、大きな被害は自宅裏の低地側、水はけの悪い箇所だけにとどまるようです。

これからサクランボの倒木の始末もたいへんですが、桃はどうか。



川中島白桃の老木が、やはり一箇所だけ枝がぼっきり折れていました。幸いに植えたばかりの桃「見晴白桃」の苗木は3本のうち2本が生き残り、



計画的な世代交代により昨年ようやく収穫できた「あかつき」の若木2本も、なんとか雪折れ被害を免れたようです。若木は枝がやわらかいので、雪折れも起こりにくいのかもしれません。



やっぱり若さがポイントなのかなあ(^o^;)>poripori

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新型コロナウィルスのワクチン接種が始まって〜変異株のこと

2021年03月09日 06時01分45秒 | 健康
報道によれば、医療従事者を対象に新型コロナワクチンの接種が始まっているようです。当地では、3月5日から、山形市立病院済生館と酒田市の日本海総合病院を皮切りに、医師や看護師さんたちが駐車、いや、注射を受けたそうな。なんとなく、ふだんは注射を「する」側のお医者さんたちが「される」側にまわる様子を想像すると、

「センセ、案外すぴたれ(*1)だね〜」

などとベテラン看護師さんたちからひやかされる場面などが浮かび、思わず笑ってしまいました。いや、現場はもっと緊迫しており、冗談どころでなかろうとは思いますが。



ところで、近ごろ話題になっている変異株、とくに南アフリカのものが、ワクチンの効果が低減するということが報道されています。この件について自分なりに考えてみました。

  1. 変異型ウィルスといえども、大半は共通の遺伝情報を持つRNAウィルスで、その一部が変異しているということだろう。
  2. その変異型ウィルスに特徴的なmRNAを使えば、同じ原理でワクチンを作ることができるはず。
  3. インフルエンザ・ワクチンと同じように、A型とかB型とか、種類の違うワクチンが作れるだろう。

まず、現行タイプの新型コロナウィルスに対するmRNAワクチンが作られ、ナノミセルの形でヒトに投与され、細胞内で免疫が発現します。


これに対して、変異株ウィルスでは少し違う遺伝子に対応したmRNA(赤黒色)ワクチンが作られ、ナノミセルの形で投与され、細胞内で免疫が発現します。


要するに、同じ原理で、様々な変異に対応したワクチンは作ることができるということになります。


ただし、今は全世界に一斉に現行タイプのウィルスに対応したワクチンを製造し、供給している段階で、変異株に対応したワクチンを製造・供給する態勢がとれない可能性が高いということが問題なのでしょう。とすれば、これは科学や医学の問題というよりは、産業や政治の問題ということになります。



今回の新型コロナウィルス禍で特に強く感じたのは、政治の役割は利害の調整にあるのだ、ということです。解決の道は科学と人々の暮らし方にあり、専門家が示す様々な方策と利害が対立する人々との間を調整するのが政治の役割なのでしょう。政治家と官僚が、「決めるのはこっちだ」と綱引きをするのは、本質的にはあまり重要なポイントではない。ましてや、知事と首相、あるいは知事どうしが駆け引きをするのは、野次馬的には面白いのかもしれませんが、火事場で消防士と消防団が喧嘩腰でやりあっているようなもので、早く火事を消すようにしてほしいというのが正直なところです。

(*1):すぴたれ……山形弁で「意気地なし」の意味。

【追記】
「変異種」という表記はあまり適切ではなかろうと考え、「変異株」に変更しました。(2021/05/26)

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NHK「立花登 青春手控え2」第8回「処刑の日」を観る

2021年03月08日 06時02分12秒 | 映画TVドラマ
土曜の夕方、このところ毎週楽しみにしているNHKの連続時代劇「立花登青春手控え2」の最終回、「処刑の日」を観ました。原作は藤沢周平『風雪の檻・立花登手控え(2)』(*1)の最終話、「処刑の日」です。番組予告では、こんなふうに紹介しています。

妾を殺した罪で囚われていた商家の主人・助右衛門。娘のおゆきだけは、父が犯人でないと登(溝端淳平)に訴える。そんなある日、ちえ(平祐奈)が、助右衛門の妻と手代の新七が親しげに一緒にいるところを目撃、不審に思った登は、南町奉行所にもう一度調べ直しをするよう頼み込む。やがて藤吉(石黒賢)の協力で、事件の真相と助右衛門の家の意外な事情が徐々に明らかに。しかし、助右衛門の処刑の日が刻々と迫っていた…。

ストーリーは原作に忠実なもので、まったくそのとおりです。処刑の前に死罪を申し渡す役人に対して、一介の牢医者にすぎない立花登が刑の執行を待ってほしいと願うやりとりは原作と同様に緊迫したもので、今回の藤吉親分と子分の直蔵の探索は無実の男を冤罪から救う、実に良い役まわりと言うべきでしょう。

それにしても、宮崎美子さん演じる叔母の松江さんは、家族思いではあるけれどセコさ満開(^o^)、無実の罪から救われた商家の主人・助右衛門と娘のおゆきが二人で礼に訪ねてきたのに家に入れようともせず、登が訪ねていく機会も全力でつぶします(^o^)/
もう完全に登をおちえの婿にしようと、余計な虫がつくのを妨げ、防御する姿勢です。いやはや、この年齢だからわかるオバサン族の深謀遠慮、全巻読むと結果的には良かったねとなりますが、まだこの時点では恋の花園なのか蟻地獄なのかわかっていない(^o^)
まあ、若い人たちの恋心はそんな思惑は蹴っ飛ばしていくのですが。



ところで、締まり屋の叔母・松江さんは、実は作者の奥様がモデルらしい(*2)。思わずクスッと笑ってしまいますが、これも藤沢周平流のユーモアでしょうか。

(*1):藤沢周平『風雪の檻・立花登手控え(2)』を読む〜「電網郊外散歩道」2007年9月
(*2):山形新聞「藤沢周平没後20年」の鼎談がネットで提供〜「電網郊外散歩道」2018年1月

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山形オペラ協会「フィガロの結婚&コジ・ファン・トゥッテ」を聴く

2021年03月07日 06時01分14秒 | -オペラ・声楽
日曜の午後、雪消しを中断して河北町の「サハトべに花」ホールに出かけました。山形オペラ協会の「オペラって面白い!〜"フィガロの結婚"&"コジ・ファン・トゥッテ"〜モーツァルトの世界へようこそ」というガラ・コンサート・スタイルの演奏会です。少し出遅れたため駐車場はだいぶ混んでおり、ホール前の駐車場はすでに満車、道路向かいの駐車場に停めることができました。

人口が1万8千人程度の町にあるホールは、席数が約800席あまり、ヴァイオリニストの堀米ゆず子さんはこの町の豪農堀米家の孫にあたります。そんな関係で、ちゃんとしたクラシック音楽の演奏会が開かれることもたびたびあり、コロナ対策は万全にとりながらも、お客さんの入りはずいぶん大勢です。



プログラムは、第1部が「フィガロの結婚」、第2部が「コジ・ファン・トゥッテ」です。指揮は佐藤寿一さん、演奏は山形交響楽団、演出は藤野祐一さん、山形オペラ協会(*1)の公演です。

ステージ奥にオーケストラが入り、客席側のほう、指揮台の両脇に透明なポリエチレンのシートで区画を作って、歌い手はここに入って歌う形です。新型コロナウィルス禍の中では、オペラ公演もソーシャル・ディスタンシングを余儀なくされるということなのでしょう。



今回の席は左手前方でしたので、オーケストラの配置はほとんど見えません。たぶん、左から第1ヴァイオリン(6)、第2ヴァイオリン(5)、チェロ(4)、ヴィオラ(4)、右手奥にコントラバス(2) で、 6-5-4-4-2 という、いつもの弦楽五部より縮小した形だったのではと想像しています。正面奥に管楽器とティンパニが位置しているようで、たぶんフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット各2?、それにティンパニという楽器編成でしょうか。レチタティーヴォではピアノもあるらしいんだけれど、どこにあるのか全く見えません(^o^)/

ステージ正面には、映像としてはじめはイメージ映像、歌が始まるとイタリア語の歌詞の意味が字幕で表示されるしくみで、これはわかりやすいです。

司会とナレーター役として、フリーアナウンサーの板垣幸江さんが登場、相変わらずの名司会ぶりに加えて、オペラのあらすじを簡潔にわかりやすく紹介してくれます。
第1部「フィガロの結婚」から、今回は曲順を少し変更して、

  • 序曲
  • 第17曲 ひどいぞ!なぜこんなに (スザンナ、伯爵)  鈴木洋子、藤野祐一
  • 第11曲 愛の神よ、安らぎを与えたまえ (伯爵夫人)  真下祐子
  • 第12曲 恋とはどんなものだろう (ケルビーノ)    松浦恵
  • 第10曲 もう飛ぶまいぞこの蝶々 (フィガロ)     鈴木集
  • 第5曲 さあ、そちら様がどうぞ (スザンナ、マルチェリーナ) 大沼麻子、渡邊みづき
  • 第21曲 そよ風にのせて(手紙の二重唱) (スザンナ、伯爵夫人) 佐藤美喜子、真下祐子
  • 第28曲 とうとうその時が来た〜恋人よ早くここへ (スザンナ) 佐藤美喜子
  • 第1曲 5・・10・・20 (スザンナ、フィガロ) 鈴木洋子、鈴木集
  • 第29曲 妻よ、許してください【最終景】       出演者全員

序曲が始まると、山響のモーツァルト演奏には楽しさとワクワク感があり、やっぱりいいなあ。歌い手の皆さんは、若い人もベテランもそれぞれ持ち味を発揮して、良かった。とくに明るいフィナーレの直前、モーツァルトの和解の音楽は、どうしてこうもしみじみと素晴らしいのだろう!

休憩の後、第2部「コジ・ファン・トゥッテ」は、だいぶ前に東根市で公演を観たことがありますので、ストーリーはよく承知していますし重唱に聴きどころが多いことも実感しているところですが、さて今回は

  • 序曲
  • 第4曲 妹よ見てちょうだい (フィオルディリージ、ドラベッラ) 真下祐子、越後桂
  • 第13曲 かわいいデスピーナ! (フィオルディリージ、ドラベッラ、デスピーナ、フェランド、グリエルモ、ドン・アルフォンゾ) 藤野恵美子、越後桂、深瀬浩子、佐藤祐貴、鈴木集、藤野祐一
  • 第14曲 岩のように動かず (フィオルディリージ) 藤野恵美子
  • 第17曲 愛の息吹き (フェランド)        佐藤祐貴
  • 第19曲 女も15になれば (デスピーナ)      大沼麻子
  • 第23曲 この心を受け取って (ドラベッラ、グリエルモ) 松浦めぐみ、鈴木集
  • あなた様にお辞儀します、美しいお嬢様【最終景】 出演者全員

うん、やっぱり重唱が素晴らしい。こましゃくれたデスピーナの歌も楽しいけれど、二重唱、三重唱、六重唱など、異なる人物がそれぞれの感情や思惑を別々に表現しながら声のアンサンブルとなるモーツァルトの音楽が、ほんとに見事で、いいなあ。

いや〜、楽しかった。妻と二人、久々にオペラ、声楽を楽しみました。新型コロナウィルス禍の中で、ともすれば置き去りにされがちな「声」の音楽。信頼と共感に基礎をおく音楽の分野なのに、感染を恐れて疑惑と排除の目にさらされがちな今日この頃、緊急事態宣言のさなかの大都市ではできない公演が、感染者数のごく少ない田舎では可能だということを示した公演でもありました。

(*1):山形オペラ協会〜公式ホームページ

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日差しはすでに春なのだが

2021年03月06日 06時00分38秒 | 季節と行事
ここ数日、晴天が続き、プラスの気温しかも2桁の暖かさです。ガラス越しに陽光を背に受けると、ポカポカとなんとも暖かく気持ちの良い陽気です。日差しはすっかり春、そんな感じです。

ところが、一歩外に出ると風はまだだいぶ冷たく、朝晩は相当に寒い。決して春の到来を祝う気分ではありません。日差しの暖かさは太陽と地球の公転上の位置関係によるもので、温暖な西日本でも寒い北日本でも、直達日射量のレベルはそう違わないのでしょうが、北日本に融け残った雪の上を渡る風は冷えているでしょうし、冬の置土産の影響下にあると考えられます。

とはいえ、移動性高気圧による三寒四温の春のお天気が特徴的な季節です。次々に変わっていく陽気に風邪を引かないよう、また悪化させないように気をつける必要がありそうです。本日は、確定申告準備作業も春の農作業もなげうって、午後から妻と河北町の「サハトべに花」ホールでモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚&コシ・ファン・トゥッテ」の演奏会形式の上演の予定。


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山形交響楽団第291回定期演奏会のチケットを申し込む

2021年03月05日 06時01分01秒 | クラシック音楽
今回も、うっかりしておりました。3月6日(土)の河北町サハトべに花ホールで予定されているモーツァルト「フィガロの結婚&コシ・ファン・トゥッテ」のチケットを購入した際に、ふと山響第291回定期演奏会のチケットをまだ入手していないことに気づきました。あわてて山響事務局に電話して、チケットを申し込みました。さっそく送金票が送られてきましたので、郵便局のATMから(妻に)送金してもらいました。これでチケットが送られてくれば、3月13日(土)・14日(日)、山形テルサホールで開催される定期演奏会を聴くことができます。

今回のプログラムは、

  1. モーツァルト:3つの行進曲 K.408
  2. ハイドン:ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII:11
  3. ブルックナー:交響曲 第0番 ニ短調 WAB 100
      飯森範親 指揮、山形交響楽団、三原未紗子(Pf)

というものです。ハイドンのピアノ協奏曲も、ブルックナーの交響曲第0番も、実演では初めて接します。ピアノの三原さんは、2019年ブラームス国際コンクールの覇者とのこと、曲目がハイドンの協奏曲というのも、かなり珍しいのではなかろうか。これも楽しみです。

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この三月で

2021年03月04日 06時00分59秒 | 季節と行事
年度末はどこもなにかと忙しいものです。今の勤務先での仕事は、それなりにやりがいもあり、けっこう楽しく働いているのだけれど、フルタイムの勤務は時間にしばられてやっぱりなにかと不自由です。若い頃は週末農業でなんとかしのいで来れたけれど、今は「二足のわらじ」は体力的にもきついようで、果樹園も野菜畑も手抜きになっています。冬の通勤が大変だと感じるようになったのも、おそらく古希が近いという年齢的なものがあるのでしょう。老母もだいぶ衰えが目立ち、妻の負担も増えてきています。私だけ「仕事です」と外出するわけにはいかなくなってきています。

そんな事情もあり、ボスには今春で退職の意思を伝えていますが、伝え聞くところではフルタイムでなく非常勤ではどうかという心づもりもあるらしい。それはその時に考えることにして、助っ人稼業が終わり年度末の退職を待つ日々……いやいや、まだ残務がどっさり残っているけれど。

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こだわりは煩悩の一種なのかも

2021年03月03日 06時00分27秒 | Weblog
物事には、しばしば両面があります。慎重さと優柔不断はメダルの表裏の関係にありますし、決断力と軽率さも区別が難しいように感じます。結果がうまく行けば決断力を称えられ、うまく行かないと軽率な判断を指摘されるというのが実情でしょう。

今の時代、こだわることは良いこととされていますが、そういう見方をした場合、はたしてどうなのか。例えば道具へのこだわり、嗜好品へのこだわり、ブランドへのこだわりなどです。お気に入りのものに囲まれていれば、確かに気分がいいのですが、やがて飽きたり別の欠点が見えてきたりして、また別のものを探し始めたりします。要するに、こだわりは進歩の原動力にもなる反面、別の面から見れば煩悩の一種なのかもしれません。重要でないことにはあまりこだわらず、今そこにあるもので済ませることも、実は融通無碍に対処できて良いことなのかも。(自戒を込めて。)

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山形交響楽団2021-22シーズンの概要

2021年03月02日 06時00分22秒 | クラシック音楽
山形交響楽団の2021年4月から2022年3月までのシーズンの概要が発表されています。すでに印刷物として定期演奏会等で配布されていますが、この際ですから概要をまとめておきましょう。

定期演奏会等の予定:土曜19時開演、日曜15時開演、会場:山形テルサホール
 ”Origin 感動の原点へ〜拍手を送ってくださる皆さまへの感謝をこめて〜

■2021/04/17(土)-18(日) 第292回定期 一柳慧「Between space and time」、ハイドン「チェロ協奏曲第1番」、ブラームス「交響曲第2番」 鈴木優人指揮、佐藤晴真(Vc)
■2021/05/29(土)-30(日) 第293回定期 ボロディン「ダッタン人の踊り」、トマジ「トロンボーン協奏曲」、ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」、リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」 飯森範親指揮、中川英二郎(Tb)
■2021/06/19(土)-20(日) 第294回定期 シューベルト「交響曲第3番」、ブリテン「左手のピアノと管弦楽のための主題と変奏"ディヴァージョンズ"」、モーツァルト「交響曲第38番"プラハ"」 阪哲朗指揮、舘野泉(Pf)
■2021/09/25(土)-26(日) 第295回定期 モーツァルト「交響曲第39番」、サッリネン「クラリネット、ヴィオラと室内オーケストラのための協奏曲」(日本初演)、シベリウス「交響曲第5番」 オッコ・カム指揮、川上一道(Cl)、山中保人(Vla)
■2021/10/23(土)-24(日) 第296回定期 シューベルト「交響曲第7番"未完成"」、シューマン「ピアノ協奏曲イ短調」、ハイドン「交響曲第104番"ロンドン"」 鈴木秀美指揮、三輪郁(Pf)
■2021/11/20(土)-21(日) 第297回定期 芥川也寸志「弦楽のための三楽章"トリプティーク"」、チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」、ブラームス「交響曲第4番」 阪哲朗指揮、ペーター・ヤブロンスキー(Pf)
■2022/01/15(土)-16(日) 第298回定期 外山雄三「管弦楽のためのディヴェルティメント」、メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」、ドヴォルザーク「交響曲第6番」 下野竜也指揮、ステラ・チェン(Vn)
■2022/02/12(土)-13(日) 第299回定期 モーツァルト「ピアノ協奏曲第27番」、ブルックナー「交響曲第4番"ロマンティック"」(ハース版) 飯森範親指揮、三浦謙司(Pf)
★2022/03/13(日) 合同演奏会 マーラー「交響曲第5番嬰ハ短調」 飯森範親指揮、山形交響楽団・仙台フィルハーモニー管弦楽団、会場:やまぎん県民ホール、15時開演

その他、「さくらんぼコンサート」として東京公演が2021年6月25日(金)、大阪公演が同6月26日(土)に予定されています。
また、県内では酒田(2019/08/29)と鶴岡(2022/03/24)で庄内定期、他に村山市(2021/05/22)、南陽市(2022/01/10)、米沢市(2022/02/20)でもユアタウンコンサートが開かれ、また県民ホールで「ドラゴンクエストの世界」(2021/04/29)が演奏されます。


以前は、こうして作成した概要をプリンターでバイブルサイズのリフィルに印刷し、システム手帳にはさんで常に持ち歩いていたものでした。スケジュールの調整の際には、演奏会の予定とかぶらないように、「攻めの調整」(^o^)/ を心がけていたものです。
今年は、一年ぶりに勤め人の立場を離れて再び自由の身になる予定ですので、定期演奏会と合同演奏会は全部聴きたい。とりわけオッコ・カムさんの「シベリウスの5番」は、ぜひぜひ聴きたい、絶対に聴き逃せない! ほか、オーケストラ演奏会のほかにも、山響団員の皆さんの室内楽等の演奏会にもできるだけ足を運びたいものです。新型コロナウィルス対策のワクチン接種がスムーズに進み、声楽・器楽ともに心置きなく音楽を楽しめる日が早く訪れますように。

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