静寂の中に死神が鎮座し、待ち受けているのだと、80代半ばを過ぎた彼や彼女の顔を思い浮かべる
そうだ、彼や彼女、鼾をかいて寝入る彼もラジオを聴きながら寝入る彼女も死を意識している川の船乗り
見知らぬ人のよう見つめるわたし、もっともっと話をしなければ、もっともっと優しく最後のステージを見守らなければ
一緒に時の川を泳ぐ日々は限られている。
そう、だから少しでも一時でも君とあなたと一緒にいたい。ただそこにいて黙っているだけでいい。
君のあなたの人生の物語を聞かせて、何でもいいの君の歓、君のあなたの悲しみ、君のあなたの誇り、痛み
嬉しい思い出思い出したくないこと、何でもいいただあなたの君のことばに耳をすませたい。