久しぶりに聞こえてくる声は元気そうだった。
ハワイの空気が肌になじまないと、彼女は語り、そして思いがけないことばがやってきた。
ハワイには蝉しぐれがないのである。夏の雄叫びがない、ということが不思議に思えた。
そうか蝉は適度の湿気が必要なのかもしれない。蝉の生態について詳しく調べたことはない。
ただ小さいころから身近にあり続ける蝉たちは、センダンの木にに一杯しがみ付いていた。
那覇のはずれの御嶽の杜では夏にはひねもす愛を宙に叫んでいる蝉の合唱に圧倒されている。
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ハワイの多文化も問題ね、とさらに彼女は続けた。人生の最後の舞台に立っている女性のことばに驚いた。有能なドイツ系アメリカ人の弁護士と結婚し、彼はロースクールの教授として長年身を粉にして論文を書いたり教授したりの人生を歩んできた。そして彼女は、傍らで教育学博士号を取得し、主婦としても完璧に見える。そして雪深いアメリカの州からハワイである。物価が沖縄の3倍はするのよ、と彼女。
ハワイの姿を知るには、市内バスを10回は乗らないとわからない、とも言った。そして今、マルチ・カルチュアルの弊害を口にしている。なぜ?あなたの考えをぜひ教えてほしいとお願いした。手紙がやってくるのを楽しみにしたい。
ところで彼女の話したいことは、日本の短歌や俳句の英語翻訳の問題だった。アメリカ人が翻訳した短歌を取り上げその3人の翻訳の違いを指摘したのである。んんん、頑張っていますね。あなたのこの間の人生の貴重な体験で得た比較文化論を読ませてほしい、と前から懇願しているのだが、いつになったら、彼女は自らを語るように、彼女ならではの人生の発見を、哀しみを歓びを見せてくれるだろうか?
思いがけなくハワイからやってきた電話は、20分か30分も続き、最期には名護漁連はひどいわね、海を埋め立ててはいけないわよ、だった。
目先の利害のために、仲井真知事たちがやろうとしていること、日米政府がやろうとしていることは、無理強いの新しい基地建設である。普天間をそこに移設するということである。沖縄内のたらい回しを強行せんとしている。それに怒りを覚えている沖縄の住民は80%を超えた。
にもかかわらず、自己正当化している仲井真さんや自民党県議、国会議員の顔が並んでいる。彼らは本当に心の底から海を埋め立て、要塞基地をさらに増強することに賛成しているのだろうか?とすると、宗主国のいいなりになり自らの民の声≪命≫を無視し、彼らの安寧を宗主国に売り渡したかつての奴隷商人のような役回りである。奴隷商人になりさがる仲井真さんであり、自民党県、国会議員である。沖縄の住民を危険な立場に追い込もうとしている彼らは良心の呵責を覚えないのだろうか?