東アジア共同体研究所(EACI) News Weeky Vol.042 「東アジアを渡る『大使達』
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EACI News Weekly 第42号(10月23日号)
東アジア共同体研究所(East Asian Community Institute )
http://eaci.or.jp/
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「いいね!」で、東アジア共同体研究所の最新情報をお届けします。
Facebook : http://www.facebook.com/east.asian.community.institute
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【目次】
【1】《今週のニュース 10/17-10/23》
政治(3)、経済(2)、国際(3)、社会(3)
【2】《UIチャンネル放送予告 No.125》
10月26日(月)20時
「大浦湾の生きものたち」取材:東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター
http://live.nicovideo.jp/watch/lv239271634
【3】《EACIレポート》
ND日米原子力エネルギープロジェクトシンポジウム「原発と核-4人の米識者と考える-」
11月6日(金)19:00-21:30(18:30開場) 会場:日比谷コンベンションホール
【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「東アジアを渡る『大使達』」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【1】《今週のニュース 10/17-10/23》
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【政治】
■野党5党、臨時国会召集求める文書を参議院に提出
(TBS 2015.10.20)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2617226.html
■TPP、安保…「丁寧な説明」どこへ 閉会中審査2日のみの方針
(東京新聞 2015.10.22)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015102202000134.html?ref=rank
■辺野古の環境監視4委員、業者側から寄付・報酬
(朝日新聞 2015.10.19)
http://www.asahi.com/articles/ASHBK54G2HBKUUPI001.html
【経済】
■TPP:食の安全、政府強調 ルール分野説明
(日経/エコノミスト 2015.10.23)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO93012960Q5A021C1000000/
■[徹底 TPP報道] 大幅開放 拭えぬ懸念 農林水産物関税 8割撤廃
(日本農業新聞 2015.10.22)
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=35096
■焦点:中国減速で北アジアに忍び寄る景気後退の影
(ロイター 2015.10.22)
http://jp.reuters.com/article/2015/10/22/analysis-china-slowdown-north-asia-idJPKCN0SG0AF20151022?sp=true
【国際】
■安倍首相、中央アジア歴訪へ出発=「飛躍的に関係強化」
(時事通信 2015.10.22)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201510/2015102200041&g=pol
■ダライ・ラマ効果を払拭した英中「黄金」の朝貢外交
(NewsWeek 2015.10.22)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/10/post-4017.php
【社会】
■沖縄 県民大会から20年 負担軽減が課題
(NHK 2015.10.20)
https://www.nhk.or.jp/news/html/20151021/k10010276901000.html
■知事「取り消しは正当」 国の審査請求利用、不当と指摘 意見書・弁明書送付で会見
(琉球新報 2015.10.21)
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-158076.html
■安保法シンポ、立教大が会場許可せず 学者の会が計画
(朝日新聞 2015.10.23)
http://www.asahi.com/articles/ASHBP62NMHBPUTIL033.html
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【2】《UIチャンネル放送予告 No.125》
10月26日(月)20時
「大浦湾の生きものたち」取材:東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター
http://live.nicovideo.jp/watch/lv239271634
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
10月26日(月)20時からの第125回UIチャンネル放送は、「大浦湾の生きものたち」取材:東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センターをお送り致します。
沖縄県名護市東海岸に位置し、ジュゴンやアオサンゴをはじめ様々ないきものたちが共存し、多様性に満ちた海、「大浦湾」。その大浦湾の生きものたちの1000枚に及ぶ写真や映像、標本の展示会「大浦湾の生きものたち」(主催:ダイビングチームすなっくスナフキン、名護博物館)が、沖縄県名護市の名護博物館で開催されておりましたので、東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センターが取材に行って参りました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【3】《EACIレポート》
ND日米原子力エネルギープロジェクトシンポジウム「原発と核-4人の米識者と考える-」
11月6日(金)19:00-21:30(18:30開場) 会場:日比谷コンベンションホール
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
新外交イニシアティブ(以下ND)主催のシンポジウム「原発と核-4人の米識者と考える-」
が11月6日(金)19:00-21:30(18:30開場)に日比谷コンベンションホールで開催されます。
詳細は以下のとおり。
3・11以後、これだけ原発の問題が議論されるようになっても、日本では原発
と核のつながりが語られることはあまりありません。使用済み核燃料の再処理に
よりプルトニウムを取り出して利用する日本の核燃料サイクル政策。この政策が
安全保障問題にとって持つ意味や、経済性についての客観的な分析も不十分です。
今回、米国から4人の専門家をお招きし、原発からでてくるプルトニウムの核兵器
への転用可能性、東アジア地域における安全保障の視点からの原発・再処理問題、
核燃料サイクル政策の経済性や放射性廃棄物の管理についてご意見を伺います。
●日時:2015年11月6日(金)19:00 - 21:30(18:30開場)
●会場:日比谷コンベンションホール(日比谷図書文化館地下1F)
住所:東京都千代田区日比谷公園1番4号 地下1階
TEL:03-3502-3340
地図:http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
最寄り駅:丸の内線・日比谷線・千代田線「霞ヶ関駅」、三田線「内幸町駅」
●登壇者
○フランク・フォン・ヒッペル(プリンストン大学名誉教授)
1993年からはホワイトハウス科学技術政策室で国家安全保障補佐官を務める。30年
以上、プルトニウムと高濃縮ウランの管理に関する政策立案に携わり、使用済み燃
料からのプルトニウムの分離(1977年に決定した再処理の取りやめに繋がった)な
どの研究に貢献。
○ヘンリー・ソコルスキー(核不拡散政策教育センター理事(NPEC)理事・元米国
防省核不拡散政策副長官)
米国防省総合評価局や、CIA、米議会の指名を受け就任した「大量破壊兵器拡散・テ
ロリズム阻止委員会」のメンバーなどを経て、現在は米ワシントンD.C.の国際政治
研究所にて非常勤教授を務める。また、米上院・上院軍事委員会などで核政策に携
わってきた。
○ブルース・グッドウィン(ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)国家安全保
障政策研究所副所長)
1981年からロス・アラモス国立研究所、1985年からLLNLにて米国の核兵器
開発に従事。従来とは根本的に異なるプルトニウムの態様を実証した革新的な武器
科学研究に対し、米エネルギー省より、E.O.ローレンスアワードを受賞。
○ビクター・ギリンスキー(核不拡散政策教育センター)
1975年から1984年まで、米国原子力規制委員会のメンバーを二期にわたり務めた。
ランド研究所物理化学部長を経て、現在、核不拡散政策教育センターにて、核エネ
ルギーに関して独立したコンサルタント業務を行う。
○コーディネーター
吉田文彦氏(国際基督教大学客員教授)
東京大学文学部卒。1980年に朝日新聞社入社。外報部、科学部、経済部記者、ワシ
ントン特派員、ブリュッセル支局長、論説委員、論説副主幹などを歴任。主な著書
に「核解体」(岩波新書)、「証言 核抑止の世紀」(朝日選書)、「『人間の安
全保障』戦略」(岩波書店)、「核のアメリカ トルーマンからオバマまで」
(同)。
編書は「核を追う」(朝日新聞社)。
○司会
猿田 佐世(ND事務局長・弁護士(日本・米国ニューヨーク州)
自らワシントンにてロビーイングを行う他、日本の国会議員等の訪米行動を企画
・実施。二度の稲嶺進名護市長の訪米行動の企画・運営を担当し、米議員・米政
府面談設定の他、米シンクタンクでのシンポジウム、米国連邦議会における院内
集会等を開催。
●通訳:同時通訳有り(必要な方は受付でレシーバーをお受け取りください)
●参加費:1000円(ND会員・学生は無料、当日入会可)
●お申込み:
下記ページ下部の申し込みフォームをご利用ください。
www.nd-initiative.org/event/2079
当日参加も受け付けますが、できる限り事前申込みをお願いいたします。
●定員:200名
●主催:新外交イニシアティブ(ND)
共催:Nonproliferation Policy Education Center(核不拡散政策教育センター
(NPEC))
●お問い合わせ先:
新外交イニシアティブ(ND)事務局
03-3948-7255
Web:www.nd-initiative.org
東京都新宿区新宿 1-15-9 さわだビル 5階
E-mail:info@nd-initiative.org
Facebook:www.facebook.com/NewDiplomacyInitiative
Twitter:@nd_initiative
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【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「東アジアを渡る『大使達』」
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東アジアを渡る「大使達」
9月23日(水)に、名護市の名桜大学で「バードウォッチングとエコツーリズム~地域活性化と観光促進~」が開かれた。シンガポール、韓国、台湾からの報告もあったがここでは基調講演を紹介する。講演者は東京大学名誉教授の樋口広芳氏(慶応義塾大学特任教授)。
冒頭に「鳥がいると風景が一変する、地元にも面白い鳥がいっぱいいる、渡りを通じて人と人、自然と自然を結びつける」と強調された。
「鳥を見る楽しみ」と題したレジュメの一部を引く。
「鳥はなんといっても美しい。目の冷めるような青や黄色、あるいは真っ赤な鳥、光の加減で青から紫へと微妙に変化する鳥、頭に王冠のような羽毛をもつ鳥、背中や腰に繊細な織物のような飾り羽をもつ鳥、体の何倍もの尾羽をひらめかせて飛ぶ鳥など。よくまあ自然はこんなに素晴らしい芸術品をつくり出したものだ。」(略)
声が美しい、動作や行動がおもしろい、存在感がある、見ている者の心はおどり、生きていることのうれしさに包まれる、と絶賛の言葉が続く・・
「鳥たちは私たち人間に単に楽しみを与えてくれるだけではない。その見やすさや移動能力などを通して、生きものの世界のあり方、自然の世界の成り立ちを目に見える形で教えてくれる。動物や人間が見せる行動の由来、生きものが多様であることの意味や仕組、森林や湖沼、干潟の生態系の成り立ち、隣接したあるいは遠く離れた自然と自然のつながりなどについて教えてくれるのだ。」
鳥と自然の世界にふれながら悠久の生命の歴史に思いをはせる・・エクサイティングな講演になりそうだ。
樋口「やんばるの森、喜如嘉(きじょか)の水田、そこにシギがいる、ヤンバルクイナ、ノグチゲラがいると景色が一変する。
本州からの秋のサシバの渡りは、2009年の記録によると南西諸島を過ぎた後、台湾へ立ち寄らずにフィリピンの方まで行く。」
*10月8日(木)の宮古毎日新聞には連日飛来するサシバの群れの写真が載っている。地元の愛鳥家が4日から7日までの3日間で2000羽を数えた。宮古島野鳥の会のホームページによれば1980年には54000羽、もっとも少ない2001年には8386羽。平均でも約1万羽が飛来しているようだ。羽を広げれば1m以上、宮古島空港の建物はサシバの姿をかたどって造られている。(緒方・注)
樋口「石垣島から北へ向かう個体を追ってみた。2002年と2003年の春の渡りを示すと石垣市が3月17日、宮古島が3月30日、(以下時々略しながら)沖縄島が4月2日朝10時、徳之島が3時、奄美大島が翌4月4日の11時11分、トカラ列島が5日の10時54分、屋久島が12時59分、4月6日8時15分に鹿児島県日置群松元町、熊本県球磨郡上村に8日の10時14分、9日の朝10時に高知県中村市。本州に入ると和歌山県、三重県、岐阜県、群馬県、埼玉県、栃木県、福島県白沢村に15日の午後2時51分に着いている。ルートもほとんど同じ、出発した時期も1日か2日しか違わない。時計も方位磁石も地図も、もちろんGPSも持たずに渡る。鳥たちは、私たちが思っているよりもはるかにすごいことをやっている。
東アジアの親善大使のような役割だ。鳥たちに国境はない。鳥はビザもパスポートももたずに、いくつもの国を越えて渡っていく。渡り鳥は、遠く離れた国や地域の自然と自然をつないでいる。一方、渡り鳥は、遠く離れた国や地域の人と人をもつないでいる。世界の各地で渡り鳥を解した人と人との様々な交流、保全に向けてのいろいろな国際協力が行われている。」
ハチクマの渡り
樋口「ここで最新の研究成果をお見せする。(パワーポイント画面の文字を引用しながら)
ハチクマはなぜ秋と春とで渡り経路を違えるのか?
違いを生み出す鍵になる主な地域は、東シナ海。
秋には、東シナ海に安定した東からの風が吹いている。
ハチクマはこの追い風を利用して700kmの海を渡る。
5月上旬には、東シナ海とその周辺地域の気候は不安定で、700kmの海上を渡るのは危険。朝鮮半島から対馬経由で200km弱の海を渡る方が安全。」
つまり秋は追い風に乗って九州から中国大陸まで直接飛んで、700kmを渡る。
春(5月)に帰って来る時はこのルートを避け、朝鮮半島を経由して、対馬経由で200kmの海を渡って戻ってくる。不思議!
ここでハチクマとは何か?どこまで渡るのか、などの基礎知識について樋口氏のハチクマ渡り公開プロジェクトサイトから紹介しよう。
ハチクマとは、タカ類なのにハチ類の幼虫、蛹、成虫を主食にしている。蜂がたかっても平然としている。なぜ刺されても動じないのかはっきりした答えはない。眼は大きくクチバシは曲がり、恐竜の生き残りのような凶悪な面構えだ。顔の周りには小さなうろこ状の硬い羽毛が密生している。・・なるほどこれで蜂の針先が刺さりにくくなっているようだ。
ハチクマがスズメバチの巣を襲うシーンを見たことがある。一羽が巣の近く、ちょっと離れた木にもう二羽、さらにもう一羽というように虎視眈々(こしたんたん)というか鷹(たか)視耽々と狙っている。共同の狩りが出来る、ライオンのような奴らだ。
体重は約1キロ。こんな体で往復2万キロを移動する!
日本を出発して中国大陸に渡る。その後のルートは以下の通り。
ベトナム、ラオス、タイ、マレーシア、インドネシア(スマトラ島)、インドネシア(ジャワ島)。カリマンタンを経てフィリピンまで達するグループもいる。ここまで繁殖地の長野県安曇野を出発してから2カ月弱。
帰りは繰り返しになるが、中国大陸から朝鮮半島、対馬経由。そしてぴたりと安曇野に戻る。国で言えば行きは8カ国、帰りは10カ国(南北朝鮮が加わる)を訪問しながら・・。
東アジアを渡る親善大使、と称されるのも分かる。
ハチクマプロジェクト@日本語の2013年3月25日の書き込みを引用する。
「KenとYamaがスマトラ中北部に移動しています。Yamaもスマトラ南端に入っています。3者それぞれ経路は違うのに、同じところに向かっているというのは、ほんとうに興味深いことです。
もし単純に、向かうべき方位が遺伝的に決まっているのなら、個体によってこんなに違った経路はとらないはず。何がかれらをこのように移動せしめているのか、不思議です。でも、全体として向かうべき方角が決まっているというのも、これまた不思議。こちらは遺伝的にプログラムされているのでしょう。本能と学習や経験が組み合わさって、こうした相違と類似が生み出されているのではないかと思われます。
Naoは相変わらずゆっくりと移動しています。現在、スンバワ島中央部で測位されています。大物はやっぱりあとから行く、のでしょうか(一番大きく、重い、もちろん冗談!)。たぶん雌(Nao)の方が雄(ほかの3羽)より遅れて繁殖地に着くことと関係しているのだと思います。」
衛星で4羽のハチクマたちの動きを追いながら、わくわくしている様子が伝わる。てっきり慶應大学の研究チームの学生によるメモと思ったら、樋口先生ご本人だった。第一人者にして、あらためてハチクマの渡りに不思議、不思議と感動しておられます。
ハチクマは蜂の成虫、幼虫、蛹まで全て食べる。巣をかためるプロポリスはガンに効く、なんていう話まであるからハチクマはロイヤルゼリーに加え、プロポリスを食べて元気いっぱいなのかもしれない。
以上、勝手な解釈を加えながらハチクマの渡りの不思議さをご紹介した。
樋口先生のレジュメの最後の言葉を引用する。
「私たちは、鳥や自然の世界に触れながら、また国内各地での出会いを楽しみながら、悠久の生命の歴史に思いをはせ、多様な生きものが織りなす複雑精妙な仕組に感動し、我々人間をふくむ多くの動物がもつ不思議な能力に驚きを感じる瞬間をもつことができるのである。なんと幸せなことだろうか。
四季折々に、また日本や世界の各地でいろいろな鳥に出会う機会をもつことにより、私たちの人生は確実に豊かになる。きょうも日本や世界の各地で、数多くの人たちが鳥の観察を楽しんでいる。」
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【目次】
【1】《今週のニュース 10/17-10/23》
政治(3)、経済(2)、国際(3)、社会(3)
【2】《UIチャンネル放送予告 No.125》
10月26日(月)20時
「大浦湾の生きものたち」取材:東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター
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【3】《EACIレポート》
ND日米原子力エネルギープロジェクトシンポジウム「原発と核-4人の米識者と考える-」
11月6日(金)19:00-21:30(18:30開場) 会場:日比谷コンベンションホール
【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「東アジアを渡る『大使達』」
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【1】《今週のニュース 10/17-10/23》
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【政治】
■野党5党、臨時国会召集求める文書を参議院に提出
(TBS 2015.10.20)
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■TPP、安保…「丁寧な説明」どこへ 閉会中審査2日のみの方針
(東京新聞 2015.10.22)
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■辺野古の環境監視4委員、業者側から寄付・報酬
(朝日新聞 2015.10.19)
http://www.asahi.com/articles/ASHBK54G2HBKUUPI001.html
【経済】
■TPP:食の安全、政府強調 ルール分野説明
(日経/エコノミスト 2015.10.23)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO93012960Q5A021C1000000/
■[徹底 TPP報道] 大幅開放 拭えぬ懸念 農林水産物関税 8割撤廃
(日本農業新聞 2015.10.22)
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=35096
■焦点:中国減速で北アジアに忍び寄る景気後退の影
(ロイター 2015.10.22)
http://jp.reuters.com/article/2015/10/22/analysis-china-slowdown-north-asia-idJPKCN0SG0AF20151022?sp=true
【国際】
■安倍首相、中央アジア歴訪へ出発=「飛躍的に関係強化」
(時事通信 2015.10.22)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201510/2015102200041&g=pol
■ダライ・ラマ効果を払拭した英中「黄金」の朝貢外交
(NewsWeek 2015.10.22)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/10/post-4017.php
【社会】
■沖縄 県民大会から20年 負担軽減が課題
(NHK 2015.10.20)
https://www.nhk.or.jp/news/html/20151021/k10010276901000.html
■知事「取り消しは正当」 国の審査請求利用、不当と指摘 意見書・弁明書送付で会見
(琉球新報 2015.10.21)
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-158076.html
■安保法シンポ、立教大が会場許可せず 学者の会が計画
(朝日新聞 2015.10.23)
http://www.asahi.com/articles/ASHBP62NMHBPUTIL033.html
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【2】《UIチャンネル放送予告 No.125》
10月26日(月)20時
「大浦湾の生きものたち」取材:東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター
http://live.nicovideo.jp/watch/lv239271634
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10月26日(月)20時からの第125回UIチャンネル放送は、「大浦湾の生きものたち」取材:東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センターをお送り致します。
沖縄県名護市東海岸に位置し、ジュゴンやアオサンゴをはじめ様々ないきものたちが共存し、多様性に満ちた海、「大浦湾」。その大浦湾の生きものたちの1000枚に及ぶ写真や映像、標本の展示会「大浦湾の生きものたち」(主催:ダイビングチームすなっくスナフキン、名護博物館)が、沖縄県名護市の名護博物館で開催されておりましたので、東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センターが取材に行って参りました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【3】《EACIレポート》
ND日米原子力エネルギープロジェクトシンポジウム「原発と核-4人の米識者と考える-」
11月6日(金)19:00-21:30(18:30開場) 会場:日比谷コンベンションホール
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新外交イニシアティブ(以下ND)主催のシンポジウム「原発と核-4人の米識者と考える-」
が11月6日(金)19:00-21:30(18:30開場)に日比谷コンベンションホールで開催されます。
詳細は以下のとおり。
3・11以後、これだけ原発の問題が議論されるようになっても、日本では原発
と核のつながりが語られることはあまりありません。使用済み核燃料の再処理に
よりプルトニウムを取り出して利用する日本の核燃料サイクル政策。この政策が
安全保障問題にとって持つ意味や、経済性についての客観的な分析も不十分です。
今回、米国から4人の専門家をお招きし、原発からでてくるプルトニウムの核兵器
への転用可能性、東アジア地域における安全保障の視点からの原発・再処理問題、
核燃料サイクル政策の経済性や放射性廃棄物の管理についてご意見を伺います。
●日時:2015年11月6日(金)19:00 - 21:30(18:30開場)
●会場:日比谷コンベンションホール(日比谷図書文化館地下1F)
住所:東京都千代田区日比谷公園1番4号 地下1階
TEL:03-3502-3340
地図:http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
最寄り駅:丸の内線・日比谷線・千代田線「霞ヶ関駅」、三田線「内幸町駅」
●登壇者
○フランク・フォン・ヒッペル(プリンストン大学名誉教授)
1993年からはホワイトハウス科学技術政策室で国家安全保障補佐官を務める。30年
以上、プルトニウムと高濃縮ウランの管理に関する政策立案に携わり、使用済み燃
料からのプルトニウムの分離(1977年に決定した再処理の取りやめに繋がった)な
どの研究に貢献。
○ヘンリー・ソコルスキー(核不拡散政策教育センター理事(NPEC)理事・元米国
防省核不拡散政策副長官)
米国防省総合評価局や、CIA、米議会の指名を受け就任した「大量破壊兵器拡散・テ
ロリズム阻止委員会」のメンバーなどを経て、現在は米ワシントンD.C.の国際政治
研究所にて非常勤教授を務める。また、米上院・上院軍事委員会などで核政策に携
わってきた。
○ブルース・グッドウィン(ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)国家安全保
障政策研究所副所長)
1981年からロス・アラモス国立研究所、1985年からLLNLにて米国の核兵器
開発に従事。従来とは根本的に異なるプルトニウムの態様を実証した革新的な武器
科学研究に対し、米エネルギー省より、E.O.ローレンスアワードを受賞。
○ビクター・ギリンスキー(核不拡散政策教育センター)
1975年から1984年まで、米国原子力規制委員会のメンバーを二期にわたり務めた。
ランド研究所物理化学部長を経て、現在、核不拡散政策教育センターにて、核エネ
ルギーに関して独立したコンサルタント業務を行う。
○コーディネーター
吉田文彦氏(国際基督教大学客員教授)
東京大学文学部卒。1980年に朝日新聞社入社。外報部、科学部、経済部記者、ワシ
ントン特派員、ブリュッセル支局長、論説委員、論説副主幹などを歴任。主な著書
に「核解体」(岩波新書)、「証言 核抑止の世紀」(朝日選書)、「『人間の安
全保障』戦略」(岩波書店)、「核のアメリカ トルーマンからオバマまで」
(同)。
編書は「核を追う」(朝日新聞社)。
○司会
猿田 佐世(ND事務局長・弁護士(日本・米国ニューヨーク州)
自らワシントンにてロビーイングを行う他、日本の国会議員等の訪米行動を企画
・実施。二度の稲嶺進名護市長の訪米行動の企画・運営を担当し、米議員・米政
府面談設定の他、米シンクタンクでのシンポジウム、米国連邦議会における院内
集会等を開催。
●通訳:同時通訳有り(必要な方は受付でレシーバーをお受け取りください)
●参加費:1000円(ND会員・学生は無料、当日入会可)
●お申込み:
下記ページ下部の申し込みフォームをご利用ください。
www.nd-initiative.org/event/2079
当日参加も受け付けますが、できる限り事前申込みをお願いいたします。
●定員:200名
●主催:新外交イニシアティブ(ND)
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【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「東アジアを渡る『大使達』」
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東アジアを渡る「大使達」
9月23日(水)に、名護市の名桜大学で「バードウォッチングとエコツーリズム~地域活性化と観光促進~」が開かれた。シンガポール、韓国、台湾からの報告もあったがここでは基調講演を紹介する。講演者は東京大学名誉教授の樋口広芳氏(慶応義塾大学特任教授)。
冒頭に「鳥がいると風景が一変する、地元にも面白い鳥がいっぱいいる、渡りを通じて人と人、自然と自然を結びつける」と強調された。
「鳥を見る楽しみ」と題したレジュメの一部を引く。
「鳥はなんといっても美しい。目の冷めるような青や黄色、あるいは真っ赤な鳥、光の加減で青から紫へと微妙に変化する鳥、頭に王冠のような羽毛をもつ鳥、背中や腰に繊細な織物のような飾り羽をもつ鳥、体の何倍もの尾羽をひらめかせて飛ぶ鳥など。よくまあ自然はこんなに素晴らしい芸術品をつくり出したものだ。」(略)
声が美しい、動作や行動がおもしろい、存在感がある、見ている者の心はおどり、生きていることのうれしさに包まれる、と絶賛の言葉が続く・・
「鳥たちは私たち人間に単に楽しみを与えてくれるだけではない。その見やすさや移動能力などを通して、生きものの世界のあり方、自然の世界の成り立ちを目に見える形で教えてくれる。動物や人間が見せる行動の由来、生きものが多様であることの意味や仕組、森林や湖沼、干潟の生態系の成り立ち、隣接したあるいは遠く離れた自然と自然のつながりなどについて教えてくれるのだ。」
鳥と自然の世界にふれながら悠久の生命の歴史に思いをはせる・・エクサイティングな講演になりそうだ。
樋口「やんばるの森、喜如嘉(きじょか)の水田、そこにシギがいる、ヤンバルクイナ、ノグチゲラがいると景色が一変する。
本州からの秋のサシバの渡りは、2009年の記録によると南西諸島を過ぎた後、台湾へ立ち寄らずにフィリピンの方まで行く。」
*10月8日(木)の宮古毎日新聞には連日飛来するサシバの群れの写真が載っている。地元の愛鳥家が4日から7日までの3日間で2000羽を数えた。宮古島野鳥の会のホームページによれば1980年には54000羽、もっとも少ない2001年には8386羽。平均でも約1万羽が飛来しているようだ。羽を広げれば1m以上、宮古島空港の建物はサシバの姿をかたどって造られている。(緒方・注)
樋口「石垣島から北へ向かう個体を追ってみた。2002年と2003年の春の渡りを示すと石垣市が3月17日、宮古島が3月30日、(以下時々略しながら)沖縄島が4月2日朝10時、徳之島が3時、奄美大島が翌4月4日の11時11分、トカラ列島が5日の10時54分、屋久島が12時59分、4月6日8時15分に鹿児島県日置群松元町、熊本県球磨郡上村に8日の10時14分、9日の朝10時に高知県中村市。本州に入ると和歌山県、三重県、岐阜県、群馬県、埼玉県、栃木県、福島県白沢村に15日の午後2時51分に着いている。ルートもほとんど同じ、出発した時期も1日か2日しか違わない。時計も方位磁石も地図も、もちろんGPSも持たずに渡る。鳥たちは、私たちが思っているよりもはるかにすごいことをやっている。
東アジアの親善大使のような役割だ。鳥たちに国境はない。鳥はビザもパスポートももたずに、いくつもの国を越えて渡っていく。渡り鳥は、遠く離れた国や地域の自然と自然をつないでいる。一方、渡り鳥は、遠く離れた国や地域の人と人をもつないでいる。世界の各地で渡り鳥を解した人と人との様々な交流、保全に向けてのいろいろな国際協力が行われている。」
ハチクマの渡り
樋口「ここで最新の研究成果をお見せする。(パワーポイント画面の文字を引用しながら)
ハチクマはなぜ秋と春とで渡り経路を違えるのか?
違いを生み出す鍵になる主な地域は、東シナ海。
秋には、東シナ海に安定した東からの風が吹いている。
ハチクマはこの追い風を利用して700kmの海を渡る。
5月上旬には、東シナ海とその周辺地域の気候は不安定で、700kmの海上を渡るのは危険。朝鮮半島から対馬経由で200km弱の海を渡る方が安全。」
つまり秋は追い風に乗って九州から中国大陸まで直接飛んで、700kmを渡る。
春(5月)に帰って来る時はこのルートを避け、朝鮮半島を経由して、対馬経由で200kmの海を渡って戻ってくる。不思議!
ここでハチクマとは何か?どこまで渡るのか、などの基礎知識について樋口氏のハチクマ渡り公開プロジェクトサイトから紹介しよう。
ハチクマとは、タカ類なのにハチ類の幼虫、蛹、成虫を主食にしている。蜂がたかっても平然としている。なぜ刺されても動じないのかはっきりした答えはない。眼は大きくクチバシは曲がり、恐竜の生き残りのような凶悪な面構えだ。顔の周りには小さなうろこ状の硬い羽毛が密生している。・・なるほどこれで蜂の針先が刺さりにくくなっているようだ。
ハチクマがスズメバチの巣を襲うシーンを見たことがある。一羽が巣の近く、ちょっと離れた木にもう二羽、さらにもう一羽というように虎視眈々(こしたんたん)というか鷹(たか)視耽々と狙っている。共同の狩りが出来る、ライオンのような奴らだ。
体重は約1キロ。こんな体で往復2万キロを移動する!
日本を出発して中国大陸に渡る。その後のルートは以下の通り。
ベトナム、ラオス、タイ、マレーシア、インドネシア(スマトラ島)、インドネシア(ジャワ島)。カリマンタンを経てフィリピンまで達するグループもいる。ここまで繁殖地の長野県安曇野を出発してから2カ月弱。
帰りは繰り返しになるが、中国大陸から朝鮮半島、対馬経由。そしてぴたりと安曇野に戻る。国で言えば行きは8カ国、帰りは10カ国(南北朝鮮が加わる)を訪問しながら・・。
東アジアを渡る親善大使、と称されるのも分かる。
ハチクマプロジェクト@日本語の2013年3月25日の書き込みを引用する。
「KenとYamaがスマトラ中北部に移動しています。Yamaもスマトラ南端に入っています。3者それぞれ経路は違うのに、同じところに向かっているというのは、ほんとうに興味深いことです。
もし単純に、向かうべき方位が遺伝的に決まっているのなら、個体によってこんなに違った経路はとらないはず。何がかれらをこのように移動せしめているのか、不思議です。でも、全体として向かうべき方角が決まっているというのも、これまた不思議。こちらは遺伝的にプログラムされているのでしょう。本能と学習や経験が組み合わさって、こうした相違と類似が生み出されているのではないかと思われます。
Naoは相変わらずゆっくりと移動しています。現在、スンバワ島中央部で測位されています。大物はやっぱりあとから行く、のでしょうか(一番大きく、重い、もちろん冗談!)。たぶん雌(Nao)の方が雄(ほかの3羽)より遅れて繁殖地に着くことと関係しているのだと思います。」
衛星で4羽のハチクマたちの動きを追いながら、わくわくしている様子が伝わる。てっきり慶應大学の研究チームの学生によるメモと思ったら、樋口先生ご本人だった。第一人者にして、あらためてハチクマの渡りに不思議、不思議と感動しておられます。
ハチクマは蜂の成虫、幼虫、蛹まで全て食べる。巣をかためるプロポリスはガンに効く、なんていう話まであるからハチクマはロイヤルゼリーに加え、プロポリスを食べて元気いっぱいなのかもしれない。
以上、勝手な解釈を加えながらハチクマの渡りの不思議さをご紹介した。
樋口先生のレジュメの最後の言葉を引用する。
「私たちは、鳥や自然の世界に触れながら、また国内各地での出会いを楽しみながら、悠久の生命の歴史に思いをはせ、多様な生きものが織りなす複雑精妙な仕組に感動し、我々人間をふくむ多くの動物がもつ不思議な能力に驚きを感じる瞬間をもつことができるのである。なんと幸せなことだろうか。
四季折々に、また日本や世界の各地でいろいろな鳥に出会う機会をもつことにより、私たちの人生は確実に豊かになる。きょうも日本や世界の各地で、数多くの人たちが鳥の観察を楽しんでいる。」
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