
平良良勝さんの脚本に興味があります。以前大宜味小太郎さんが演じていたでしょうか。総勢25人の登場人物によるやや大掛かりな史劇になっています。小説を読むと、薩摩との関係が大きいのですが、どれほど史実に肉薄しているかですね。以前牧志恩河事件の沖縄芝居も観た覚えがあるのですが、かなり残酷な仕打ちで薩摩の意向にそって働いていたと見なされた牧志、恩河や、玉川王子らは王府中枢から白眼視され、処罰を受けたのでしたね。
1852年に英国軍艦が来訪し、1853年にあのペリーが琉球に来航しています。その時に牧志朝忠が通訳で頑張ったという事ですが、1957年に日本の幕藩体制と外交政策を改革しょうとしていた薩摩藩主・島津斉彬が急死した後、島津の意向にそってフランスから軍艦購入の交渉に関わっていた牧志らは、黒党側の政権の中枢にリベンジされるのですね。小禄親方良忠、
玉川王子、牧志や恩河親方などが白党で、大里王子、伊江王子、与那原親方良恭などが黒党で、対立していたようです。白党は改革党で、玉川王子は悲しい結末にいたるのですが、さてこの史劇がどのように歴史に切り込んでいるか、ですね。
村瀬信成さんの小説は船から海に飛び込んだはずの牧志が実は生きていたという物語です。ありえそうな話です。想像力が飛躍したサスペンスにもなっていて、時代の感性が縦横に編み込まれています。それを翻案したら面白い舞台ができそうです。
喜舎場朝賢の『琉球見聞録』がこの史実のソースになっているのですね。
しかし嘉数道彦さんではなく、小渡和道さんや佐辺良和さんが玉川王子を演じたら、女性観客が殺到しそうですがね!
