志情(しなさき)の海へ

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『吉原という異界』 by塩見鮮一郎さんの本も届いた。田中優子、沖浦和光に続いて読ませる!

2013-01-14 20:13:10 | 書評

田中優子さんの研究報告書を読んだばかりだが、以前沖縄に来られたときお話したことがある塩見さんが「吉原」について書かれていることをネットで知った。氏のブログを東京新聞で記者をしていた女性から教えていただきそのブログを見てみると多くの著書の中に『吉原という異界』があった。早速取り寄せた。以前『浅草弾左衛門』の長編小説を読んで感銘を受けた事がある。小田原に住んでいた塩見さんのお宅にお邪魔したこともあった。遠い昔物語になってしまった。小田原城は二度行ったことになる。

遊女の生活、遊女の身分など、なるほどで興味深い。「遊女たちは本位でないにしても男の身分に所属した99%の女たちと違い身分制を逸脱していた。遊女という身分を形成してみせたとも言える」は塩見さんらしい言辞だ。「江戸の人々は彼女たちを「社会外」の者として軽侮し同時に女の中の女として賞賛もしたのだろう」とも書いている。マップや図表など多い。場所への塩見さんの情熱が感じられる。以前吉原界隈を歩いたことがある。遊女の遺体の投げ込み寺「浄閑寺」にも行った。「生まれては苦界、死しては浄閑寺」の川柳が残されている。中山太郎の「売笑三千年史」のことばを儒教的ゆえであり、マルクス主義における【奴隷の概念】をあてはめていると批判しているところなどユニークなのかもしれない。奴隷とか人権の問題ではなく貧困の問題だと結論。男の責任の追求だけでも解決しない「売春」の問題だとも書いている。

書評というより備忘録

 

 


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