カタルーニャ・リブレ? http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/10/post-9718.html転載
Peter Koenig
Global Research
2017年10月3日
昨日の歴史的投票、マドリッドのネオリベラル・ラホイ政権からは違法と呼ばれている、カタルーニャ政府が決定した住民投票は、武器を持たない有権者大衆に対する卑劣な警察暴力事件と化した。住民投票は、スペイン憲法によれば、不法なのかも知れないが、意見表明として住民投票で投票するのは、マドリッド中央政府が投票結果を認めようと認めまいとにかかわらず人権だ。
月曜日早朝、カタルーニャ政府は、530万人の有権者の42.3%、約230万人のカタルーニャ人90%が、独立‘賛成’票を投じたという声明を出した。国家警察や治安警察による干渉が無ければ、少なくとも80%の有権者が投票をしただろうとカタルーニャ政府は推計している。
明らかに、スペイン政府による冷酷な暴力の誇示は、ヨーロッパ・ファシズムが健在であり、スペインでは、フランコ総統は死んではいないことを思いおこさせる。大西洋両岸帝国と、政治力を有するひと握りのヨーロッパ集団の、惨めな意気地ない傀儡たるブリュッセルは、まるでEU正式加盟国スペインのことが、欧州連合の‘内政’でないかのように、スペイン内政だと主張して、恥知らずにも沈黙したままだ。
10月1日、住民投票日の終わりに、ラホイ大統領は、カタルーニャでは、いかなる住民投票も行われなかったと厚かましくも宣言した。スペイン警察が、バルセロナや、カタルーニャの他の場所で、法と秩序を守り、スペイン憲法を守ったことを彼は慶賀し、感謝した。だがマスコミは、暴力的な警察が穏やかな投票者たちに対して戦う様子を、一日中写し、報じていた。暴動鎮圧服をまとった強力なスペイン警察は、有権者が投票するのを妨害しようと、投票ブースが設置されていた学校に窓を破って押し入った。彼らは投票箱も持ち去り、破壊した。
国家警察部隊の途方もない暴力により、一日で、約1,000人、公式には844人が負傷した。全く危険で、致命的な可能性があるゴム弾や、警棒で、高齢者、女性や子供を含む非暴力、非武装の有権者を無差別に粉砕した。この歴史的出来事に参加しようという何十万人もの人々、子供連れの家族がおり、自分たちの投票権を確保するため、金曜日から学校に宿泊している人々もいた。
カタルーニャ警察が、住民投票には干渉せず、投票者を暴力行為から守る不干渉政策を決め込んだので、ファシスト・ラホイ政府は、投票が行われるのを阻止するため、スペインの他地域から警察や治安警察を送り込んだ。非武装の投票者に対する警察の残虐で過剰な暴力は衝撃的だった。連中が断固たる命令を受けていたのは明らかだfor their brutalityマドリッドのご主人から -彼らが義務を遂行したことを慶賀したご主人連中から。目にするのも恐ろしい光景だった。
多くの人々に重傷を負わせ、何百人もの人々に苦痛を与えた暴虐な警察を、ラホイ大統領が讃えたことは、ヨーロッパにおいて、ファシズムが強大化している、もう一つの証しだ。ラホイの血管にはフランコの血が流れているに違いない。強化しつつあるヨーロッパ軍事政権のヨーロッパ警察国家本部、ブリュッセルは、現在既に28のEU加盟諸国を飲み込んで、不面目に沈黙して、この暴力に同意している。
国連憲章によれば、当然の人権である、自分の意見を表明しようとしているだけの人々に対するこの法外な取り締まりの背後にある理由の幾つかを検討しよう。
人口約750万人(スペインは4600万人) で、506,000 km2というスペイン面積約7%のカタルーニャが、スペインの経済生産の約20%を生み、スペインからの輸出の25%を占め、スペインへの外人観光客の23.5%を受け入れ、外国によるスペイン投資の57%を占めている。カタルーニャの分離によって失うものは多い。
現在カタルーニャは、マドリッドから、一人当たり、約1,800ユーロ交付金を得ているが、スペイン財務省に、その金額の少なくとも倍は貢献している。この不均衡は、バルセロナとマドリッドとの関係上、長年目立っていた。しかし、ラホイのPP(国民党)政権は、更なる自治や、より公平な財政のためのいかなる対話も常に断固拒否してきた。
スペインの北バスク地域は、何十年も(1959年-2011年)独立を求めて戦った。スペイン-ETA武装政治紛争、バスク民族解放運動としても知られる、何百人もの暴力による死者を生み出した。2011年、ようやくマドリッド中央政府と、武装解除と、和平協定に至った際、マドリッドとの、かなり公平な財政的合意で妥結した。
歴史を見ると、カタルーニャは、15世紀、フェルナンド2世とイザベラ女王のもとで、スペインの一部になった。二十世紀、スペイン共和国のもとで、独自の文化と言語を持つカタルーニャは、1932年に完全自治を獲得した。1938年にフランコが権力を掌握した際、彼により、自治は廃絶された。1975年、フランコの死後、カタルーニャは暫定的な自治を取り戻したが、2006年、スペイン最高裁が、自治憲章に異議を申し立て、憲章の一部の条項が‘違憲’だと裁定して、自治を失った。この時、現在のカタルーニャ独立運動が始まった。以来、最新では、2014年のものを含め、何度か模擬住民投票が行われ、投票者の80%(有権者の約30%)が独立を選んでいた。
2017年10月日の住民投票は、2006年以来、はじめての本格的な分離の取り組みだった。スペイン憲法に従ってはいなくとも、国民の表現の自由に対する激しい暴力的鎮圧は、深刻な人権侵害だ。これは逆効果になる可能性が高い - それも大きく。
対話を嫌がっているマドリッドによる、この残忍な弾圧は、大半のカタルーニャ人を、決定的に、反マドリッド、独立賛成に変えた。数週間前、カタルーニャでの世論調査は微妙で、スペインに残りたい方の人々がわずかに優位だった。マドリッドによる何週間もの威嚇と、昨日の投票への警察による暴力的取り締まりの後、カタルーニャ有権者の少なくとも80% は、今や独立を求めている。スペイン国内でも、同様な傾向が見られる。数ヶ月前、10%から20%のスペイン人が中立、あるいはカタルーニャ独立賛成だった。昨日の警察による大失態後、約半数近いスペイン人が、カタルーニャ人同胞と団結し、カタルーニャ独立を支持している。
マドリッドが暴力的に投票の弾圧を試みた後、戦いは決して終わったわけではない。内戦が避けられるようにと願うばかりだ。
ピーター・ケーニッヒは経済学者で、地政学専門家。彼は元世界銀行職員で、世界中で、環境と水資源について広範囲に働いた。アメリカ、ヨーロッパや南米の大学で講義をしている。彼は、Global Research、ICH、RT、Sputnik、PressTV、The 4th Media (中国)、TeleSur、The Vineyard of The Saker Blogや他のインターネット・サイトに良く寄稿している。彼は事実と、世界銀行での世界中での30年間という経験に基づいたフィクションの「Implosion - An Economic Thriller about War、Environmental Destruction and Corporate Greed」の著者でもある。彼は「The World Order and Revolution! - Essays from the Resistance」の共著者でもある。
本記事の初出はGlobal Research。
Copyright Peter Koenig、Global Research、2017年
記事原文のurl:https://www.globalresearch.ca/cataluna-libre/5611741
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警察の暴力的な排除の映像で、辺野古を思い出した。本土大本営広報部、反対する人々を排除する様子は決して放映しない。
記事題名、昔の独立運動組織を指すのだろう。
スペイン語で、Cataluña Libre カタルーニャ語で、Catalunya Lliure
先に訳した記事、当初地名をカタロニアとした。ジョージ・オーウェルの『カタロニア讃歌』が頭にあったため。反フランコの戦いで、POUMに加わり参戦、喉の貫通銃創を受け入院、バルセロナに送られ、そこでスターリニストに追われ、命からがら脱出したたオーウェル体験記。『カタロニア讃歌』、紙の本が現在買えないらしいことにびっくり。大昔に読んだので、探しようもない。リンクをつけた電子版の文庫を読んだように覚えている。
サグラダ・ファミリア、海鮮料理、日曜のカテドラル前広場での踊り、サルダーナを思い出す。演奏するcoblaはプロだろうが、踊り手は大半普通の市民に見えた。聞いた音楽はギリシャかアラブ音楽を思わせる哀愁あるものだった。youtubeをいくつか見ても、残念なことに、同じ音楽は見つからない。コロンブスの塔を見て世界史を思い出した。Mirador de Colón 彼の名、現地では、コロン。いつかまた行きたい町。
われにかえって自国を見れば国難は逃げ回り、緑のタヌキはサギノミックスを繰り出している。緑のタヌキ、憲法9条破壊のみならず、緊急事態条項推進の意欲満々?
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バルセロナ在住の日本人の「童士丸」という方が 以下のホームページを開いておられます。「幻想のパティオ」という題名のところをクリックしてください。生々しい現地の様子が手に取るように理解できます。
http://bcndoujimaru.web.fc2.com/spain_jouhou/menuspainhtml.html最近の記事