おぼろ月を歌った歌があった。
「おぼろ月夜」
菜の花畑に入日うすれ
見わたす山の端 霞ふかし
春風そよ吹く 空を見れば
夕月かかりて 匂い淡し
里わの火影も 森の色も
田中の小路を たどる人も
蛙の鳴くねも 鐘の音も
さながら霞める 朧月夜
大正元年(1912)の尋常小学校4年生唱歌、高野辰之作詞、岡野貞一作曲。他に「春の小川」「故郷」「春がきた」等~。
懐かしい歌曲が並んでいる。小学生の頃によく口ずさんだような気がする~。
久しくそのメロディーが念頭に浮かぶこともなかったが、明け方にベランダから見えるおぼろ月を見ていると、そう言えばおぼろ月を歌った歌があったと、記憶がせりだしてきた。思い出すのは祖母の姿。一緒に畑の雑草を引き抜いたあの幼い頃のイメージがやってきた。薄い紫の野の花が見えてきて、タオルを頭に巻いた祖母の姿がそれも久しぶりにやってくる。
明け方のおぼろ月❗️一分一秒毎に西の空に霞んでいく。車の疾走する雑音がうねりのように遠くで響き、そして小鳥たちが鳴き始める。なんと「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ」アカショウビンの鳴き声が聞こえてきた。嘘のような事実。渡り鳥なのですでに飛びだって行ったのではなかったのか~。
イソヒヨドリの独特な鳴き声が聞こえ、小さな目白たちも、そして雨粒もやってくる。
朝の命の合唱、消えていくおぼろ月。重たい灰色の雲の塊が幾分空に追い被さっている~。もう一度アカショウビンの鳴き声を聴きたい~。まれなる鳴き声が尊いものに思える。君は今も元気で小さくなった杜に住んでいる~、それを告げてくれただけで胸の高まりを覚える朝だ~。雉鳩たちも鳴き始めた❗️
さあ、落ちたアリアケカズラの花たちを箒で片付けよう。