彼女としては、舞台の中で確かにこの眼で見た字幕に登場した「ノロ」のことば、そして確かに黒子と金持ちの男性に虐待を受けていた妻と黒子との間の場面で王府「オモロ」の独特な唱えを聞いたことを、実際にそうなのかと確かめたい意向があることは分かった。
ポリフォニー的なスケールの大きい舞台(脚本)なので、フランス語がメインでも日本語、ポルトガル語、中国語、ペルシャ語、サウジアラビア語(?)などなどが世界の状況を、ある場面で描くが、ピースのように、その場面がちりばめられていたので、どこでその独特なオモロの唱えがあったのか、ノロの言葉をみたのかは特定できたが、音源がないので、はっきりこうだと示せない。しかもフランス語の先生に翻訳をお願いしたいのだが、それも時間がかかる。
彼女は今日の午後までにその場面を特定してほしい旨、伝えてきたが、今朝6時過ぎにフランス語台本をめくった。それより、ユダヤ人の教授が持っていた同じくフランス語で書かれた舞台の進行のスケッチと説明の冊子、友人が大学で急いでコピーしてくれたその説明された冊子には、ばっちり場面のスケッチはあった。
しかし、そこからノロの言葉も王府オモロの詩句も読み取れない。つまり台本にないテキストレジ―があるので、演出ノートを音源、動画など見ないと特定できないだろう。
しかしヒントはあった。公演パンフレットの中に琉球関係のKeywordsあっるのだ。<媽祖>と<つけ揚げ>である。あえてそれを出した理由と、その場面で船の上の女性と海から顔をだした黒子が対面し、黒子がおもろの唱えをしたのだ。字幕の上には「ノロ」の字が~。それはこちらの勘違いだったのか、それとも~?
少なくとも沖縄の芸能・演劇のテーマも含めて博論を書いている彼女は、そこが知りたかったのだろう。
しかし今から名護に行かねばならず、じっくり取り組めない。とりあえずの彼女の問への応答をここに記しておきたい。
公演録画映像を観たら明らかになるだろう。
興味のある方は上のKEYWORDSを見てほしい。少なからず、米軍基地、自衛隊基地の島、琉球・沖縄はムンシュキンの意識の中にはあるのだ。演出家の思想の中にだろうか?
この場面である。ノロ二字が字幕に出たかと思ったら、おもろの唱えが聞こえてきたのだ。パンフレットの解説にある『媽祖』と関連していると、推測できる。フランス語の台本にそれらしき言葉は見つからない。フランスでの上演ではなかったと、フランスで観た研究者は話していたと、京都の友人はメールしてきた。日本バージョンのテキスト、演出でご当地サービスのように、付け加えた可能性はありえる。実際に字幕を担当した方にお話を聞いたらすぐ解決するだろうか。おそらく動画も、日本語翻訳テキストも近い将来表に出てくるだろうし、その時、太陽劇団の演出家やテキストを書いたムンシュキンさんの思いが伝わってくるのだろう。(追記)