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第二次、第三次保持者の古典から雑踊りまで、演目は8日と重なる踊りもある。
地謡は、沖縄タイムス系と琉球新報系に分かれている。
保持者の皆さんはそれぞれに家元や会主、各流派の顔の方々ゆえに、裾野の広い琉舞界のいわばトップである。
それゆえに、会場は幾分緊張感が感じられた。将来この中から人間国宝が誕生するのである。
一人舞は、全てが試される怖い舞台に違いない。全身全霊、それは舞踊家の個々の人生、現況の体調、琉球舞踊の思想、感性、諸々が浮き彫りになるのである。
それと老いとの戦いが熾烈に思えた。身体表象故に、どれだけ広い舞台の一輪の花の煌めきを表出できるか、凝縮された10分から20分の舞である。
9日を観た。
花風、むんじゅる、鳩間節、南洋浜千鳥節、柳が印象的だった。
年齢にもよるのだろうけれど、80代の舞踊家には、厳しい舞台に見えた。
古謝弘子さんの「南洋千鳥節」は、たおやかで、地謡の声音は明るく取りを締めた。古謝さんの年齢を感じさせない美しさと色艶に魅了された。
皆川さんの「花風」はクールでワサビ色の傘も渋かった。金城光子さんの「むんじゅる」はしっとりと、根路銘広美さんの「鳩間節」は軽快で、とりわけ圧倒的な舞踊は、玉城千枝さんの「柳」だった。一番長い演目、何と20分を見事に踊りきった。
小物の柳と一体となったようなリズミカルな身のこなし、まるで波がたゆたうような所作に感銘を受けた。赤い花、そして白い梅の花を手にした踊りも、花々の聖霊が乗り移っているかのように、情感を込めて踊った。
席が14列目だったので、舞踊家の皆さんの顔の表情は、細やかに観ることはできなかったが、久しぶりに寒い中でも、鑑賞できて良かった。
(オペラグラスは車にいつも置いているのだが〜!慌てていたためカバンに入れ損ねてしまった。)
「諸屯」も長い古典で、今回、比嘉美好さんが体調不良でキャンセルされたのは残念だった。
舞踊家の方々の、至芸に向けた日々の精進は、並大抵ではないに違いない。
精神と身体の織りなす表象の厳しさは、舞台でどう咲き誇るか、常に観客の多くの目線に晒されているのである。
松含流家元の比嘉早苗さんは流派の「前の浜」を若々しい装いで踊られた。観客席は大きな拍手を送っていた。ウチナーンチュのチムグクルを感じさせた。
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