さし草工房joyで食事して、それから桜を愛でる予定で3人で出発。ナビで全国を走り切ったNさんがご一緒だった。避寒のため2ヶ月ほど那覇に滞在している還暦を過ぎた方。逞しい。
南部は、道路が複雑で、新しいバイパスもあり、慣れないので戸惑ったが無事さし草屋の可愛らしいレストランに着いた。安堵した。小雨は降っていた。暖かいさし草茶を飲みながら、初対面のお喋りを楽しんだ。Nさんを紹介してくださった八代子さんとは久しぶりで、いきなり彼女から南部の桜祭りについて聞いた時は、驚いた。
桜祭りは、名護、本部、今帰仁が恒例の桜名所で賑わっている。久しく訪れたことはない。近場でも桜が楽しめるのよ、と八代子さんの声ははずんでいた。さし草料理も食べてみたいし〜と。
そそられるお誘いで、3時間そこらで戻ってくる予定は、小雨が予想外にふり続くほかは、発見があり楽しめた。
さし草は、雑草を食用やお茶、他の製品に開発した女性のしなやかな企業精神に感銘をうける。
さし草屋
オムレツそば、じーまみもついて800円と手ごろなお値段。さし草茶もいただく。
ありふれた雑草から100倍の価値を生み出した感性、起業に、わたしも〜、と勇気を得ている女性たちは多いに違いない。さし草の料理メニューの多さや、パンや菓子類、化粧品と製品が増えていくリアルな、10年以上の歩みに拍手。
さらに進化していくに違いない。
創出した方は、メディアにも教育現場にも引っ張りだこのようだ。
広報活動も闊達で書籍も販売されている。
商品開発の奇跡のような実例は、同じく、全く思いがけないものから有益なものを世に出す事例として語り草になっていくのだろう。
さてそこから、八重瀬公園に向かった。
雨のせいか花は散っている!
愛らしい!
昨日からの雨が桜を散らしているのが惜しまれた!
高台の城址だという事がわかる。
城址本殿跡のでいごの樹木
桜はソメイヨシノがやはりいいね、と東京から来たNさんはスマホで撮った写真を見せた。
確かに日本の桜の大半はソメイヨシノやヤマザクラ、しだれ桜など、種類も豊富で、圧倒的な景観だ。日本の四季、その春の桜と秋の紅葉の美しさは、言葉に尽くせない。
沖縄の桜はカンヒザクラでピンク色が目を惹きつける。
さて初めての八重瀬公園の桜は、雨で満開を堪能するには至らなかったが、小雨も降ったりして〜。しかしそこが八重瀬城(一名富盛城)跡だと言うことが感慨深かった。
約600年前に島尻の世の主、八重瀬の按司の居城であったと伝えられている。
そこには、戦争中白梅学徒隊が負傷兵を看護した塹壕が残っていた。壕に向かって手を合わせると、締めつけられるように心が重たくなった。80年経てなお、死霊が壕の中で成仏できないままに住み着いている気がした。
塹壕の入り口
所で、組踊に登場する八重瀬の按司が念頭に浮かんだ。「忠臣身替の巻」とも異なる「身替忠女」の石碑とその組踊の紹介が詳しく掲示されていて、驚いた。
家に戻って「忠臣身替の巻」を改めて読んだ。舞台は以前観ている。波平大主道行口説(八重瀬の万歳)は真喜志康忠も演じ踊っている。
しかし、八重瀬の按司は、大里城址按司の美しいウナジャラに横恋慕して城攻めをしたのである。
一方、田里朝直創作とされる「身替忠女」の筋書きには驚いた。八重瀬の按司が糸数按司に夜討ちをかけられて滅ぼされるが、若按司が城を取り戻す物語になっている。
はじめての八重瀬グスク、小雨が降っていたが来て良かった。八代子さん、感謝!
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