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今朝9時から夕方5時頃まで図書館に籠っていて3000円ほどの文献資料のコピーなどをして戻った。机の上に、つい最近注文した矢部宏治さんの本が届いていて、それをめくって読んだ。地元沖縄の新聞のデーターも紹介されていて、ある面、必ずしも全て新しい情報なり発見が提示されているわけではない。しかし戦後70年、日本の自発的アメリカ隷従とその歴史的起源は見えてきた。マッカーサーの企て、天皇制維持のアメリカの傀儡≪パぺッツト国家≫、おまけに「世界でただ一国だけ国連における「敵国」という最下層の地位にとどまっている、という事実、そして本の中で日本の官僚たちが忠誠を誓っているのが、安保条約でありアメリカ政府だということなどが、ドカッと迫ってきた。憲法の上に安保があり、最高裁が民衆のための法の番人ではない(特に防衛や外交、国の機密などに関する限り、あくまで民衆ではなく国のために動く)ことなども含め、GHQが占領した日本は、彼らの思うツボで手のひらの上で理想の経済大国を演じてきたのだということがわかる。しかし、同盟国&潜在的敵国でありつづけている日本の現状の異常さが、ツイターなどでもあぶりだされている。横須賀の基地の上空は米軍の領空域(治外法権)で、民間航空機さえその上を飛ばないのである。
もはやアメリカの隷従国家日本が、自らの温存のためにアメリカに沖縄を生贄として提供してなりふりかまわないのは、沖縄で新聞を読みなれている人々は良く知っている。知っていてそれもサバイバルのためにその権力の構図に身をする寄ろうとしている仲井真とその支持者たち、に対し、沖縄の人間としての誇りをかけてその日米の戦後レジームに反を突きつけているのが、名護市の稲嶺市長や翁長さんの陣営だと云えよう。今年11月の知事選の結果に日本の知識人たちが関心を示して押しかけてきているのは、欺瞞的で隠ぺいを孕んできたこの間の戦後日本に槍を突き出す沖縄民衆の心意気を現場で見たい、感じたい、そこから勇気を得たいという心理の反映だろうか?上野千鶴子の講演会が11月4日に新報ホールである、心理学者の茂木健一郎さんの公演会も11月だ。
日本の戦後民主主義の仮面を情け容赦なくはぎ取るのが沖縄の位相だからでもあろうか?矢部さんのこの本は多くの日本人にとって「眼からうろこ」だろう。しかし3・11以降のツイターなどを見ている限り、良識ある多くの日本人はすでに気付いているか気づき始めている。ただメインメディアが半ば汚染されているところもあるようだ。アメリカへのすり寄りである。真実の在り処を隠そう、隠ぺいしょうとする勢力と、真実をFACTを激しく追及せんとする知性・感性をもっている日本人がいることは「希望」になる。アメリカの総務省とペンタゴンとの政策の相違などをもっと分析すること、アメリカ=悪魔≪帝国≫の権力だけではない知性と未来を見据える層がいるのも事実のようだ。
矢部さんの後書きを見ると、昭和天皇と戦後のアメリカの工作(戦後処理、日本の疑似民主化)はよく見えるが、現在のそのシステムとどう対処していくか、答えが提示されているわけではない。米軍と外務・法務官僚が牛耳っている日本の権力構図をどう脱構築していくのだろうか?まずは現実認識からということかもしれない。
しかし沖縄の闘いは沖縄の闘いだが、東京で、大阪で、日本の各地方で、そうしたアメリカ隷属の構造への闘いを、それぞれの場と空間で推し進めてほしい。それにしても日本の大学の知識人たちが「日本は一度も占領されたことがない」と堂々と言葉にする現実である。戦後7年間、GHQは実質的に日本を占領し、その後70年も巧妙に支配しているのである。しかし知識人層(大学人)ですら、そのような認識が多いかと思うと、あまり変わらない可能性が高いね。
この本は多くの日本人に読まれてほしい本だね。沖縄の人間にとっては特別斬新ではない。オキナワの地元紙はワシントンDC(世界権力の中枢)に特派員を派遣している。共同通信をすべて頼っているわけではない。凄いね!沖縄の米軍人・軍属の住宅地の上をオスプレイは飛ばない。しかし日本のどの地域でも米軍は安保条約によって自由に低空飛行できることになっている。ただ沖縄だけはさらに自由気ままに島の上空100%、訓練基地そのものである。
日本人に目覚めてほしい。友愛の海は間違っていない。友愛の海を壊しているのは誰だろうか?「アメリカの防波堤」の方が「中国の防波堤」になるよりいいと、ツイターで知的な出版人が呟いていたが、どちらの防波堤にもならない未来があっていいね。鍵はハイブリッドな人間の交流をさらに深めることかもしれない。国境を自由に横断する交流の深まり、理解しあう、違いを認め合う、同じ人類として慈しみあう。富の配分の不均衡を是正していく。シェアリングしていく地球資源と世界の知的財産などなどー。(この問題を考えると目の前の課題に取り組めないのでここでピリオドをうつ。)ある作家が≪資本主義≫そのものが大きな癌だと書いていたが、かといって共産主義も社会主義も破綻したのだった。新しい社会制度が、新しいグラスルーツが、求められているのかもしれない。見えているようで見えない。ポスト―ヒューマニズムだろうか?共生/共働、共創社会へ?!
しかし、沖縄を餌場にするライターが多くなっている。沖縄独自の発信を応援してほしい。沖縄を草刈り場にするのではなく、自らの立ち位置で踏ん張ってほしい。沖縄のライターの本こそ多く読まれてほしい。沖縄は日本(人)の欺瞞や隠ぺいを横目に世界とつながった方がいいのかもしれない。世界のウチナーンチュとのリンクは豊かさをもたらすのかもしれない。沖縄の痛みを共有できるアジアの国々は多い。アジア人2000万人殺した日本(軍隊)とは異なる沖縄の位相がある。70年前の悪夢を繰り返さないために、仲井真さんは、単に金のために魂を売り、沖縄の人々を奈落の底に落とすようなことはしない方がいい。カジノなんてとんでもない。金の亡者=仲井真で歴史に刻まれるのは、よくないね。沖縄は独自にアジアとの友好を、貿易を、かつて薩摩が侵略してきた以前のような、同じになれないが、おだやかな貿易圏を実現した方がいいね。その芯になるのは肝心=しなさきである。騙す、収奪する取引ではなく、双方が潤う仕組みを作りだすことが理想だね。日本を全面的に信頼できないウチナーの心もあるのかもしれない。矢部さんが書いたように、沖縄=東京ではない。沖縄は70年間、アメリカの植民地である。そして復帰後内国植民地状態である。廃藩置県からすると100年以上だ。日本人の差別を沖縄はまた見据えている。「アメリカの良識ある人々」をまた信頼したいと思ってもいる。なんてね!欺瞞とペテンの日本が道化に見えたりもする。それに依存してきた自らの膿≪弱さ≫も見据えないといけない。