先日の星空観察会のとき、望遠鏡の視野の中心に入れてあったはずの土星が来場者から「見えない」との声。
確認すると、自動追尾しているはずなのに確かに赤経方向に外れていた?
極軸は合わせてあるし、電源もOk,耳を近づけるとモーターの動く音も聞こえる。
ところが! クラッチを締めた状態なのに赤経方向に幾らでも動かせる!?
ギヤ付近のネジでも緩んだのかと思ったが、家に帰って来て確認するとそんな事は無く、ステッピングモータのトルクが全くなくなっている事が分かった。
32年も前に買った赤道義だ! 交換部品なんてもう有るはずがない・・・・・
しかし、諦めないド根性が目を覚ました。
モータ表面に書かれた「三龍社」の会社名と型番:P43Gで検索したら・・・・
検索でヒット!
同型番の製品がまだ販売されている。 驚いた! 32年前のモーターがまだ売っている。
しかし、良く確認すると同型番でもG・RATIOの値が違うものがいくつもあるようだ。
翌日、早速この会社に電話を掛けて確認すると、1/500の物も確かに実在している事が分かった。
ただ、赤道義に使用する物は望遠鏡メーカーとの協定で直販は出来ないと断られてしまった。
更に翌日の水曜日に高橋製作所に電話をして、修理では無く自分で交換するのでモーターだけ売って欲しいと云うと、工場に確認して直に送付してくれることになった。
昨日木曜日にお金を振り込んだら今日家に届いていた。 Amazonみたいに凄い速さだ。
早速、交換に取り掛かった。
これが、届いたモーター
壊れたモーターを赤道義本体から取り外し、
現状の結線状況を確認。
半田ごてを出して、交換。
ちなみに、写真に写っているタッパーは中学の頃から半田付けの時に使っている物で、42年位使っている。
何するの?って、半田ごてが熱くなり過ぎると半田が汚くなるので、このスポンジに水を含ませて置いて、ジューッっと半田ごてを押し付けて温度を下げると同時に古い余分な半田をこて先から落とすのです。
これがきれいな半田付けをする秘訣。
と言う事で、モーターの交換は終了。
モーターを赤道義に取り付けて試運転。
あとは、実際に星を導入してこれまでどおり正確に星を追尾できるか確認をする必要がある。
でも、私の星人生は、この赤道義と共にあった。
他の方々の様に大きな赤道義に大きな望遠鏡を買った事は無く、これだけで32年間も星を見て写真を撮り、観察会もこなして来た。
カメラもそうだが、塗装が剥げるまでとことん使いこなしている。 そんな私に、これらの機材達がチャンスと夢を与え続けてくれているのかも知れないと感じた。
日本には古来から物に神が宿っていると云って鍋でも何でも神様に仕立てあげてきたが、本当にそうなのかも。