震える牛 (小学館文庫) | |
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小学館 |
震える牛
相場英雄による推理小説。
本屋のポップを見てたら、どうもノンフィクション系で
BSE問題をあつかった小説かとおもって、身構えて読み始めたら
なんだ、ただの推理小説でした。
BSE問題、食品偽装を扱った社会派サスペンス。
発生から五年が経ち未解決となっている「中野駅前居酒屋強盗殺人事件」の捜査を命じられる、
警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する田川信一、
殺されたのは、獣医師と産廃業者。事件当初物獲り強盗の線で捜査。
暗礁に乗り上げた事件を、田川が緻密に洗いなおすと・・
かたやショッピングセンターの全国展開をはかる巨大企業オックスマートの
他社を省みない姿勢に疑問を感じ、正面から立ち向かうネットマスコミの記者、鶴田。
怪しいミートボックス社がオックスマートに食らいつく情報を手にした鶴田は
オックスマートの不正を暴こうと躍起になる・・
田川と鶴田が交差するとき、事態は一気にすすむのであった。
とまあこんな感じ
推理小説・警察小説としては、あまりにご都合主義でお粗末w
でも、面白かったのはオックスマートの展開する
ショッピングセンターの焼畑農業商法
地方の田舎の休耕田を田舎政治家に金を使い働きかけ
用地変更し、大型ショッピングセンターを建てる
周りの商店街は疲弊しSCは、一時活況をしめす。
国道沿いに存在するSCは、車を持たない老人たち、買い物難民を生み出す
やがて、高額なテナント料にいやけのさした優良テナントが姿を消し
2流3流のテナントのみが残ると、SC自体も衰退しスラム化し
そして、跡にはぺんぺん草も生えなくなり
大手SCデベロッパーは次の獲物をさがしていくのだ
まさに焼畑農業。
この、システムに大きな疑問を持った作者の意思はよくわかりました。
まさに言うとおり
地方に行くことがありますが、どこへ行っても
似たような町並みです。
一部の観光地を除いては、ほんと金太郎飴のようです
国道沿いに、イオンなどSC。まわりにマクドナルド、ユニクロ、ホームセンター、
丸亀製麺ww
沖縄で「丸亀製麺」見つけたときは笑っちゃいました
そんなことはどうでもいいんです
焼畑方式で良いのか悪いのか?結果は神のみぞ知るですね
あともう一つのテーマが、題名の「震える牛」にあるように食品偽装。
肉に内臓など廃棄する部分を細かく砕いて添加する、ミートボックス
その肉を消費者に提供するシステム。
消費者はなにも知らずそれを口にするのです
ファミレスやファーストフードで提供される食材の不気味さに
いまさらながら気がつかされますね。
そんな何気ない日常に潜む不安材料を元にした小説です
でもわし気にせず、毎週マ○ドくってるしw