高野秀行さんの本にはまってます
早稲田の探検部出身で、だれも行かないところへ行き
誰も知らないことを経験するのをモットーにされてる
作家さんです
世界中のだれも行かないようなところへひょうひょうと出没します
そんな高野さんが選んだテーマが
日本に住んでる外国人が、どんなものを食べているかを取材し
レポートするという企画
題して「移民の宴」
この簡単に「移民」と書きましたが
英語で「Immigration」なんですが
日本に住む外国人にとってこの「Immigration」という言葉は
特別な意味を持つようですね
そのあたりの感覚が日本人には理解できない
国を追われて仕方なしに日本に住んでいる方
新天地に何かを求めて日本に来られた方
日本に何かを伝えるために来られた方
いろんな人がいるので「Immigration」
という単語では片づけられない人もおられるようで
日本に居ながら取材して簡単に書けると甘く見てた高野さん、
この本の執筆には苦労が多かったそうです
それはさておき、内容は興味深かったです
成田にあるタイ人のタイ人による大きな寺院の話
イラン人のベリーダンサーの話
南三陸で震災にあったフィリピ―ナの話
プライドの高い東京でフランス料理を提供するフランス人
中国人華僑の話
沖縄系ブラジル人の話
インド人のインド人によるカレー
白系ロシア人の末裔の話
朝鮮系中国人の作るキムチの話
盲目のスーダン人の話
中でも、心を打ったのが
南三陸で津波に襲われたフィリピン人の話
異国の地で未曾有の大惨事に見舞われたら
あなたは、どうなりますか
もし私がそういう目にあって、
運よく生き残ることができたとしても
普通の生活がおくれるか自信が無い
でもこの本に登場するフィリピ―ナたち
彼女らは、家族を失い、土地、家、資産、仕事すべてを失ったのに
明るく気丈に振る舞い、
地域に根付いて生きていく様子が心打たれます
彼女の話が面白く心に響きます
津波の跡地に立ち
「このあたりは、私の家の庭だった」
「季節になるとバラが咲き茂り、とても美しかった」
「津波は、美しいものを奪っていった」
「でも私という一番美しい物は残ったw」
この天真爛漫な明るさが必要なんでしょうね
この本のあとがきにもありますが
外国人にとって日本は住みやすいのか?
かつては、差別的・排他的だった日本人も最近は
ずいぶん外国人に慣れてきたそうですね
外国人との垣根が低くなってきていた
しかしまだまだヘイトスピーチなどで心無い発言を聞くと
まだまだこれからだという気がします
ぜひお読みください
移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活 (講談社文庫) | |
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