新装版 関東大震災 (文春文庫) | |
クリエーター情報なし | |
文藝春秋 |
吉村 昭 関東大震災
未曾有の震災に襲われた人々を
恐怖に陥れたのが、流言飛語でした
当時は、時代的にイケイケの時代で
朝鮮を併合し大日本帝国の権益を拡大していた時代
吉村昭先生曰く、日本人は無理やり併合した朝鮮に対して
罪悪感を持っており、その反面として心の中で朝鮮人を恐れていたと
そんな心の陰の部分に影響を及ぼしたのが
「朝鮮人が騒ぎに乗じて仕返しを行っている」というものでした
吉村先生の分析では、それは根も葉もない悪質な流言であったと
騒ぎに乗じて略奪など、わるさを働いたのは、日本人で
その姿を見て勝手に朝鮮人の仕業に仕立て上げたのだと。
その噂を信じた大衆は、愚かにもそれを信じ身を守るためと称して
多くの朝鮮人を殺しました。
それは、日本人の持つ特性によるものだと断じています
多数の意見に流されやすく、衆をたのみ非人間的な行為も辞さない
残虐な性格だと。
こういう特殊な環境に置かれたとき
冷静に物事を判断し、朝鮮人を殺してはいけないと
正しいことを言う人間がいたとしても
その人間は逆に、朝鮮人と同類のように言われ同様に殺されたそうですな
恐ろしい話です
いまでもあてはまるような行動をしてるような気がします。
つづく