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闇に香る嘘

2023-07-04 14:01:17 | 読んだ本の紹介
闇に香る嘘 下村敦史による日本の推理小説。

第60回江戸川乱歩賞を受賞したデビュー作。





あらすじから

終戦直後の満州、幼少の村上和久は、母と兄と村の仲間たちと

迫りくるソ連兵や中国人の迫害からのがれ日本を目指していた。

が、兄は避難行の最中に濁流に飲まれ、もはや死んだものと諦めていた

その兄と中国残留孤児として日本に帰国し、再会する。

しかし、和久は終戦直後の栄養不足で失明していました。

中国人の養父母に育てられた兄の言動に、日本人とは違う相容れないものを感じた和久は自然と距離を置くようになり、

兄は岩手の実家で母親と暮らすようになる。



和久は視覚障害が原因で妻に去られ、やがて一人娘との関係も悪化し断絶。



時が経ち、69歳になった和久は、腎臓病を患う孫娘への腎臓移植の適合検査を受けるが、

数値に問題があり、移植は叶わず、和解しつつあった娘からも冷たい言葉を浴びせられる。

そんな折、残留孤児支援政策の不備を訴え、国家賠償の集団訴訟を起こしていた兄から訴訟費用を無心する電話が入る。

またかとうんざりする和久だったが、兄に移植の件を頼もうと岩手へ向かう。



久しぶりに母の手料理や懐かしい郷土料理を味わい、場の空気が和らいだのを見計らって、

兄に移植の検査の件を伝えると、兄は言下に拒否する。

せめて検査だけでもと粘るが、兄の態度は頑なだった。

諦めきれない和久は、なぜ兄がそこまで頑なに移植を拒むのか理解出来ず、検査を受けると何か困ることがあるのか、

兄は本当に自分と血が繋がった兄弟なのか、

まさか偽残留孤児ではないかという疑問が頭をもたげてくる。

疑心に苛まされる和久の元に「本物の兄」を名乗る男から電話が入り、疑惑はますます深まっていく







とまあこんな感じ

この人の本は初めて読みましたが

デビュー作ということで、力が入った本でしたね

盲目の人が主人公ということで、盲目の方の日常生活や

いかに目が見えないことが恐ろしい事なのかをしることができます

目が見えるのは本当にありがたい話ですね



あと、巻末に参考文献が載ってますが

恐ろしいくらいの本を読まれてますね

残留孤児がテーマなので、関係の文献が多かったですが

よく勉強されてますね



いろんな伏線が貼られていますが

盲目がゆえにキーパーソンが目の前に登場しても

読み手にはまったくわからない

このへんの物語の進め具合は緊張感が増してよかったです

デビュー作ということで余計な力が入ったのか

余計な伏線も多かったですけどね



ミステリーとして、引き込まれた1冊でした







コメント
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