たのしい夢日記

京都奈良寺社巡り・思い出・読んだ本…日々のあれこれを写真と共に。

お酒の神様

2012-08-03 02:37:29 | 現実
私は下戸。

よく、「ビール一杯位…」と気軽に言われる事があるが、ビール一杯も飲んだら倒れてしまう。奈良漬さえものによってはダメ。
父も母も全く飲めない性質で、これは遺伝だろう。
「飲んだらどうなるの?」と聞かれることもある。つまりは、赤くなるとか眠くなるとか騒ぐとか、「酒癖」系の事を避けるため飲まないのか、と飲める人は思うらしい。
それ以前の問題で体が受けつけないのだ。

なので「お酒の神様」には縁がないかと思われるが、酷暑の休日に京都、松尾大社に行ってきた。

阪急松尾から、歩いて5分位と近いからというのもあり。
真夏の京都だと、10分歩いたらもうムリ、と言う位暑いので…。



ここは、愛読書のひとつ、宮尾登美子の「蔵」に出てくるので、行って女神さまを見てきたかったのだ。「蔵」の主人公が「お酒の神様の一人は女神だった、女でも蔵元にはなれるはず」と勢いづく場面がある。
小説の方では、御堂を特別に開けてみせてもらう、というシーンだが、今では神像館にガラスケースに収められている。

さすがにこの暑さのなか、観光に歩く人も少なく、神像館のおじさんは暇そう、説明もあれこれ詳しくしてくれたが、やはり女神像というのは珍しいらしくこれを見に来る人は多いそうだ。もういいんだけど…と言う位の説明にお付き合いして(なにしろ私しかいないのだ)、さて、あとはさっきチケットを買った、お抹茶席に行くことにする。

小さな座敷に通されると、丸窓から庭。とても良い風情だが、ここでも私だけ。
お茶とお菓子が載ったお盆が出され、さすがにここは涼しくエアコン入ったお部屋で一休み。 ここは係の人の受け付けもあり、係の女性があれこれ話かけてくれるが…どっちかと言うとのんびり一人で涼みたかったなあ…。でも来られる方と人生話をいつもするそうだ。
わざわざこの暑さの中来られたの?と不思議そうに聞かれる。


その後は境内、庭めぐり。
有名な作庭家(私は知らなかったが)重森三玲という人が昭和50年に作ったものだそう。曲水の庭、上古の庭、蓬莱の庭、とある。
水が巡る曲水の庭は涼しげ。





ふと傍らを見ると蜘蛛の巣のアート。





さらに奥に進むと鳥居が見えてくる。ここの神社の水を頂いていくと、お酒が腐らないというので、蔵元の方々が来られるのだそうだ。






滝の辺りはちょっと日陰で、幾分涼しい。この滝は涸れないのだそう。


松尾大社は水辺に山吹の花が有名だそうで、今も少しばかり咲き残っている。花盛りの頃は見事だろう。






それにしても暑かった…じりじり焼かれているような暑さ。用心して、行く前に「ソルティライチ」を一本、その後も水分補給を欠かさず歩いたが、シャワー浴びたみたいな汗。

しかし、真夏のめちゃくちゃ暑い京都、真冬の底冷えの京都、どちらも実は、私は好きなのだ。特に夏。
春秋の美しさは言うまでもないが、実は今まで京都めぐりをしてきた中で、とても印象に残っているのは夏なのだ。
意外に「水」があるからなのでは?と思う。

下賀茂神社も、上賀茂神社や近くの社家あたりもそう。鴨川はもちろんのことだが、有名どころの嵐山、哲学の道、貴船、祇園、どこにも水がある。

街中を歩いていてもちょっとした流れがある事も。

そんな流れを見つけると、ふっと涼しさを感じてほっとする、そこがかえって夏を良いと思わせる部分なのかもしれない。

コメント (3)
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