こだわり米専門店スズノブ 西島 豊造(五ツ星お米マイスター)の豊かに造ろう

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鈍重の青森県も動き出す

2012年01月25日 15時59分28秒 | Weblog
13時30分から1時間半にわたって、青森県農林水産部農産園芸課の人たちと会っていた。

青森県はとにかく鈍重な産地だし、ピーアールも下手くそ。
でも作っているお米については、決して悪いものではない。
そのため「もっともっと売れるはずなのに、もったいない」といつも残念に思っていたのだ。

青森県が自分の店に来る時は、新品種を紹介することが多いので、今回も新品種を持ってくるだろうと予想していたら、案の定県南北東・津軽半島北部地帯を中心とした早生地帯の良食味米として普及が見込まれている、青森県の新品種「ほっかりん」を持ってきた。

青森県の新品種「ほっかりん」は、早生熟期の低アミロース米で、単品での飯米として利用を位置づけしていて、気候条件の厳しい、ヤマセ地帯で安定的に生産することができ、地域のブランド米として親しまれるように育てたいとしている。

「ほっかりん」という名前は、つやが良く、もちもちして食べると顔がほころび、ホカホカした気持ちになるとのイメージから付けられいてるそうである。

主な特性としては
出穂期:「かけはし」より3日程度遅く、「まっしぐら」より4日程度早い。
成熟期:「かけはし」並からやや遅く、「まっしぐら」より7日程度早い。
玄米品質:「かけはし」よりやや優り、「まっしぐら」並の「上下」である。
食味:飯米は粘りが強く軟らかい。食味は「かけはし」より明らかに優り、「まっしぐら」並かやや優る「上中」である。
白米アミロース含有率:「かけはし」より5%程度、「まっしぐら」より4%程度低い。
障害型耐冷性: 「かけはし」より1ランク、「まっしぐら」より2ランク強い「極強」である。
いもち病抵抗性:葉いもち、穂いもちとも「かけはし」より1ランク強い「やや強」である。

開発にあたった県産業技術センター農林総合研究所藤坂稲作部では、アミロース含有率を少なくするために、低アミロース遺伝子を持つ「北海287号」を父に選び、「ふ系182号」を母として人工交配を行い、今回の誕生に至ったわけだが、この「北海287号」という遺伝子は、実は、北海道の高級ブランド米「おぼろづき」などにも流れていて、消費者から高い評価を得ている実力ある親である。

試食した感想としては、アミロース含有量が「まっしぐら」と比べて4~5%低いという県の結果からも、やや柔らかめに炊きあがり、食味は「上中」であり、県の主力品種である「まっしぐら」と同等か、やや勝るという感じ。

地元紙の社説には、「ほっかりん」をどう育てるか。バトンは開発研究者から生産者へと引き継がれる。期待の新品種も、生産者が作付けしなければ、消費者のもとに届けることはできない。開発研究、普及機関は、生産者に対して課題を含めた特性を丁寧に説明する必要がある。
優れた点が強調される優等生の「ほっかりん」だが、厳しい産地間競争の中で生き残るために、他品種との差別化も欠かせない。品種と生産地域の特性を知り、地元での生産、販売、消費拡大に地道に取り組む。地産地消が地域ブランド米に向けた一歩となる。と書かれている。

今回自分のもとに来たのも、そのためであろう。

県が帰った後に、まず某卸に、この品種に関心があるかどうかを確認した。

さて、販売計画を立ててみるか。
コメント
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