日本農業新聞e農ネットに「豪雨 減災力の発揮を 「田んぼダム」実証開始 兵庫県赤穂市 (2013/8/28)」という記事が出ていた。
内容は以下の通り
水田の雨水貯留機能を生かし、局地的な集中豪雨の減災を目指す「田んぼダム」の試験が兵庫県の千種川流域で始まった。
水田の排水口をせき板で小さくし、急な増水時に一時的に水田に雨水をため、大量の水が短時間に河川へ流れ込むのを防ぐ仕組み。
県は「減災と田んぼの多面的機能性のPRにつながる」とし、流域の農家に協力を呼び掛けている。
・せき板工夫 10ヘクタールで1万トン貯留
取り組むのは赤穂市の「周世(すせ)美しい村づくり活動組織」。
同川流域で水稲や高たんぱく小麦「ふくほのか」などを栽培する。
農地33ヘクタールのうち、米を作付けする10ヘクタールで6月から始めた。
上流の佐用町東徳久の2ヘクタールでも、月内に試験を始める予定だ。
田んぼダムは水位を調整するせき板がコの字型になるように切り、設置するだけ。
10ヘクタールの水田で通常の水位よりさらに10センチ高く貯留すると最大1万トンの雨水を一時的にためることができる。
大雨時、排水量が限られるが、水管理方法は通常と変わらない。
作業の手間もかからない。
設置当初、周世の活動組織内では水稲の生育やごみのひっかかりを懸念する声もあった。
役員らが影響を防ぐ方法やダムの効果を書いたちらしを配るなど説得に当たり、実施にこぎ着けた。
同組織の木村隆夫さん(63)は「下流には市街地がある。水田の多面的機能を発揮し、近年増えている集中豪雨被害の軽減につながればうれしい」と期待する。
同川流域はこれまで、20年に1度のペースで大雨による氾濫の被害を受けてきた。
雨が1日で100ミリを超えると、農地や農作物、住宅が水に漬かった。
4年前には、大型台風に遭い、死者・行方不明者が20人に上った苦い記憶がある。
度重なる被害を教訓に、県は昨年4月、県民の治水に対する責務や治水推進計画などを定めた総合治水条例を全国で初めて制定。
県民の務めとして、(1)雨水の流出抑制と浸水発生への備え(2)行政が実施する総合治水に関する施策への協力――を明記した。
県西播磨県民局の光都土地改良センター農村計画課、榮藤公彦課長補佐は「1枚の田んぼだけでなく、まとまることで効果が高まる。田んぼダムの実践を通じて防災意識の醸成につなげたい」と話す。
というもの。
「田んぼは巨大なダムである」と、自分は20年以上言いつづけていた。
それを理解してくれていても、なかなか実行してくれる地域は少なく、災害を見ているたびに、「ダムなのに」と思っていた。
これが広がって行ってくれれば、山は崩れず、災害も小さくなるはずなのだが・・・