日本農業新聞e農netに「農地集積バンク 東北で貸し付け低調 離農後の働く場なく 目標と大きな差 (2015/2/19)」という記事が出ていた。
内容は以下の通り
農政改革の柱として動きだした農地中間管理機構(農地集積バンク)への農地の貸し付けが水田農業が主体の東北地方で低調で、今年度目標を達成できない県も出てきた。
離農、経営縮小後の展望が描けず、貸し出しをためらう農家が多い。
中山間地では農地を引き受ける担い手を確保するのも難しい現状だ。
農地集積には担い手の育成、農地を手放した農家の働く場づくりといった課題が山積している。
東北各県の農地の貸し出し希望面積は500~2500ヘクタール。
これに対し、借り受け希望は延べ1万~6万ヘクタールに上る。
ある県の機構関係者は、貸し出し面積が確保できない背景を「農地の出し手にとっては離農や経営縮小の判断が伴う。なかなか決心できないようだ」とみる。
離農、経営縮小した後の仕事のめどが立っていないため、小規模農家らが農地の貸し出しに二の足を踏んでいる形だ。
一方、別の県の機構関係者は「現場では、担い手育成や農地の出し手の話し合いがようやく本格化したところ。まだ時間がかかる」と指摘する。
今年度2000ヘクタールの貸し付け目標を掲げた宮城県の実績は10日現在、355ヘクタールにとどまる。
県は「目標の達成は困難。原因は出し手の少なさ」(農業振興課)と説明する。
貸し付け面積の実績が目標の半分以下にとどまっている県がほとんどで、複数県の機構担当者は「今年度の目標達成は難しい」と漏らす。
秋田県は東北で唯一、現時点で貸し付け目標の1000ヘクタールを達成できる見通しだ。
ただ、借り受け希望が延べ6万1000ヘクタールあるのに対し、貸し付け希望は2000ヘクタールにとどまる。
同県の機構は「機構で抱えている農地のストックがないため、来年度以降は楽観できない」と警戒する。
農地を引き受ける担い手が不足しているという根本的な問題も大きい。
山形県の中山間地の70代農家は「離農して農地を手放したとしても、地元に農地を引き受けてくれる担い手がいない」と打ち明ける。
機構が、引き受け手の見つかりにくい農地を借り入れた場合、農地の管理費用がかさむ。
限られた財源を圧迫するのを避けるため、各県の機構は中山間地などの条件不利地ではなく、引き受け手が見つかりやすい平たん部の農地から優先して借り入れている状態だ。
一方、「平たん部は既に農地集積が一定に進んでいる。中山間地の農地流動化にもっと力を入れるべきだ」と訴える市町村担当者も多い。
「中山間地で農地を引き受ける担い手の育成が欠かせない」との指摘も相次ぐ。(宗和知克)
というもの。
農業は、机の上だけでは語れない。
産地を確認したとしても、数か所だけでは、本当の現状は見えない。
本当に日本の農業の将来を考えているのであれば、まず手を入れなければならないのは、中山間地だろう。
中山間地を切り捨てて、成り立つ水田というのはありえない。
そして、中山間地にこそ、日本のすべてがあると思う。
内容は以下の通り
農政改革の柱として動きだした農地中間管理機構(農地集積バンク)への農地の貸し付けが水田農業が主体の東北地方で低調で、今年度目標を達成できない県も出てきた。
離農、経営縮小後の展望が描けず、貸し出しをためらう農家が多い。
中山間地では農地を引き受ける担い手を確保するのも難しい現状だ。
農地集積には担い手の育成、農地を手放した農家の働く場づくりといった課題が山積している。
東北各県の農地の貸し出し希望面積は500~2500ヘクタール。
これに対し、借り受け希望は延べ1万~6万ヘクタールに上る。
ある県の機構関係者は、貸し出し面積が確保できない背景を「農地の出し手にとっては離農や経営縮小の判断が伴う。なかなか決心できないようだ」とみる。
離農、経営縮小した後の仕事のめどが立っていないため、小規模農家らが農地の貸し出しに二の足を踏んでいる形だ。
一方、別の県の機構関係者は「現場では、担い手育成や農地の出し手の話し合いがようやく本格化したところ。まだ時間がかかる」と指摘する。
今年度2000ヘクタールの貸し付け目標を掲げた宮城県の実績は10日現在、355ヘクタールにとどまる。
県は「目標の達成は困難。原因は出し手の少なさ」(農業振興課)と説明する。
貸し付け面積の実績が目標の半分以下にとどまっている県がほとんどで、複数県の機構担当者は「今年度の目標達成は難しい」と漏らす。
秋田県は東北で唯一、現時点で貸し付け目標の1000ヘクタールを達成できる見通しだ。
ただ、借り受け希望が延べ6万1000ヘクタールあるのに対し、貸し付け希望は2000ヘクタールにとどまる。
同県の機構は「機構で抱えている農地のストックがないため、来年度以降は楽観できない」と警戒する。
農地を引き受ける担い手が不足しているという根本的な問題も大きい。
山形県の中山間地の70代農家は「離農して農地を手放したとしても、地元に農地を引き受けてくれる担い手がいない」と打ち明ける。
機構が、引き受け手の見つかりにくい農地を借り入れた場合、農地の管理費用がかさむ。
限られた財源を圧迫するのを避けるため、各県の機構は中山間地などの条件不利地ではなく、引き受け手が見つかりやすい平たん部の農地から優先して借り入れている状態だ。
一方、「平たん部は既に農地集積が一定に進んでいる。中山間地の農地流動化にもっと力を入れるべきだ」と訴える市町村担当者も多い。
「中山間地で農地を引き受ける担い手の育成が欠かせない」との指摘も相次ぐ。(宗和知克)
というもの。
農業は、机の上だけでは語れない。
産地を確認したとしても、数か所だけでは、本当の現状は見えない。
本当に日本の農業の将来を考えているのであれば、まず手を入れなければならないのは、中山間地だろう。
中山間地を切り捨てて、成り立つ水田というのはありえない。
そして、中山間地にこそ、日本のすべてがあると思う。