日本農業新聞e農ネットの[現場からに「原発被災地で野生獣害深刻化 帰村できなくなる・・・ 福島県飯舘村 (2013/12/28)」という記事が出ていた。
内容は以下の通り
東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で、居住が制限されている地域で野生獣被害が深刻化し、農地だけでなく、宅地にまで被害をもたらすケースが相次いでいる。
自治体や狩猟者らが捕獲などを進めるが、対応に限界があるのが実態だ。
捕獲しても被害が減らないいたちごっこの状況で、狩猟者からは「イノシシも猿も事故前より激増している」との声が出ている。
・行政、狩猟者 対応に限界
福島県飯舘村。庭木が倒され、石垣が崩された家の前に設置した捕獲おりを点検しながら、狩猟者でかつては農家だった阿部定宣さん(72)が険しい表情を見せる。
「震災前は家の近くで被害はなかった。頭数もものすごく増えた。夜行性のはずなのに、昼間でも平気でイノシシが歩くようになっている」
同村内には、立ち入ることはできるが住むことができない地域と、立ち入りが許可されていない地域があり、営農はしていない。
村を回ると、獣に荒らされた田畑や崩れた畦畔(けいはん)、でこぼこになった農地が至る所にある。
ふんや足跡など痕跡も点在する。
深刻化する鳥獣害に対応するため、村では20人の狩猟者が班を結成し、当番制で、避難先の福島市などから村に週3日通って捕獲に当たっている。
村の狩猟者をまとめる庄司二郎さん(81)は「被害で家が傾きそうになっている所もある。このままでは除染できても、獣に乗っ取られて帰村できなくなる」と危機感を募らす。
捕獲したイノシシからは、食品中の放射性物質の基準値である1キロ当たり100ベクレルを超す値が検出されている。
狩猟者はイノシシを料理して食べるのが楽しみだったが、現在は廃棄するしかない。
庄司さんは「避難先から通って捕獲し続けることは相当な負担。それでも、いつになるか分からない帰村する日を信じ、一頭でも多く捕獲することが猟友会の使命だ」として、村を回る日々を送る。
環境省は11月から、原発から20キロ圏内の原則人が立ち入りできない浪江町、双葉町、大熊町、富岡町でイノシシの捕獲おり24基の設置を始めた。
19日までに84頭のイノシシを捕獲した。
同省は「被害の実態やどのくらい増えているかは把握できないが、イノシシが市街地や家屋にまで出没し荒らしているといった目撃例が相次いでいる」(野生生物課)と説明する。
放射線量の問題もあり、捕獲は順調に進んでいない。
県によると、帰還が困難な地域や居住が制限されている地域は、イノシシが警戒心を失い、町中や家の近くに出てきている。
また、家や庭が荒らされていても、有害鳥獣による被害なのかを特定しにくいといった課題もある。
人が居住していない地域などでは、狩猟をする作業者の線量の問題などから対策を講じることがなかなかできない。
福島県は「現状で取れる対策は限定的だ」(自然保護課)と頭を悩ませている。
というもの。
人が住まなくなった場所は、野生の生き物や、野生に戻った生き物たちには最高の場となる。
そして、野生の生き物たちが中心となり、人に対しての警戒心は無くなり、野生の生き物たちのファミリーが拡大していく。
これを食い止めるためには、少しでも早く、地域を取り戻さなくてはいけないのだが、現状はかなり厳しい。
内容は以下の通り
東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で、居住が制限されている地域で野生獣被害が深刻化し、農地だけでなく、宅地にまで被害をもたらすケースが相次いでいる。
自治体や狩猟者らが捕獲などを進めるが、対応に限界があるのが実態だ。
捕獲しても被害が減らないいたちごっこの状況で、狩猟者からは「イノシシも猿も事故前より激増している」との声が出ている。
・行政、狩猟者 対応に限界
福島県飯舘村。庭木が倒され、石垣が崩された家の前に設置した捕獲おりを点検しながら、狩猟者でかつては農家だった阿部定宣さん(72)が険しい表情を見せる。
「震災前は家の近くで被害はなかった。頭数もものすごく増えた。夜行性のはずなのに、昼間でも平気でイノシシが歩くようになっている」
同村内には、立ち入ることはできるが住むことができない地域と、立ち入りが許可されていない地域があり、営農はしていない。
村を回ると、獣に荒らされた田畑や崩れた畦畔(けいはん)、でこぼこになった農地が至る所にある。
ふんや足跡など痕跡も点在する。
深刻化する鳥獣害に対応するため、村では20人の狩猟者が班を結成し、当番制で、避難先の福島市などから村に週3日通って捕獲に当たっている。
村の狩猟者をまとめる庄司二郎さん(81)は「被害で家が傾きそうになっている所もある。このままでは除染できても、獣に乗っ取られて帰村できなくなる」と危機感を募らす。
捕獲したイノシシからは、食品中の放射性物質の基準値である1キロ当たり100ベクレルを超す値が検出されている。
狩猟者はイノシシを料理して食べるのが楽しみだったが、現在は廃棄するしかない。
庄司さんは「避難先から通って捕獲し続けることは相当な負担。それでも、いつになるか分からない帰村する日を信じ、一頭でも多く捕獲することが猟友会の使命だ」として、村を回る日々を送る。
環境省は11月から、原発から20キロ圏内の原則人が立ち入りできない浪江町、双葉町、大熊町、富岡町でイノシシの捕獲おり24基の設置を始めた。
19日までに84頭のイノシシを捕獲した。
同省は「被害の実態やどのくらい増えているかは把握できないが、イノシシが市街地や家屋にまで出没し荒らしているといった目撃例が相次いでいる」(野生生物課)と説明する。
放射線量の問題もあり、捕獲は順調に進んでいない。
県によると、帰還が困難な地域や居住が制限されている地域は、イノシシが警戒心を失い、町中や家の近くに出てきている。
また、家や庭が荒らされていても、有害鳥獣による被害なのかを特定しにくいといった課題もある。
人が居住していない地域などでは、狩猟をする作業者の線量の問題などから対策を講じることがなかなかできない。
福島県は「現状で取れる対策は限定的だ」(自然保護課)と頭を悩ませている。
というもの。
人が住まなくなった場所は、野生の生き物や、野生に戻った生き物たちには最高の場となる。
そして、野生の生き物たちが中心となり、人に対しての警戒心は無くなり、野生の生き物たちのファミリーが拡大していく。
これを食い止めるためには、少しでも早く、地域を取り戻さなくてはいけないのだが、現状はかなり厳しい。