通学の練習五回入学す 福岡 川口美保さん
☆
今朝の西日本新聞、読者の文芸、俳句欄にこの句があった。秋尾敏選の入選句だ。
☆
わたしの作品も入選していた、めずらしくも。でも、わたしの作品よりもこの上記の作品が、目にあざやかだった。
☆
お孫さんだろうか。小学校までの通学路へ連れて行って、いっしょに通学の練習に付き合われたのだろう。なんと5回も。小学校は不安なところ、一人では不安。5回練習したなら、不安も消し飛んだことだろう。
もち、入学式の当日はお母さんに譲られたことだろう。こうして小学生が無事に誕生した。ああ、めでたい。読者のわたしまでがほっかりめでたい。
☆
このお爺さん、わたしも小学校へ入学した日があった。それを思い起こした。練習をしたのかどうかは覚えていない。入学式の日に母に手を引かれながら行ったら、引っ張っていた手が外れてしまって、そのまま湿地の田圃の中に落ちてしまって、せっかくの新しい服が台無しになった、それを覚えている。行きたくないと駄々をこねたのだろうか。