絹莢の莢インゲンは薄っぺら どうしたんだよう おれみたいだよう
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これが伊藤一彦選のわたしの入選作品です。不可解でしょう? なんだこりゃ? でしょう?
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莢インゲン豆は膨らんでいません。薄っぺらなのが絹莢の莢インゲン豆の特徴です。だからこれでいいんですが、この薄っぺらさがわたしとマッチして見えてしまいました。
で、「どうしたんだよう」「おれみたいじゃないかよう」の下の句になりました。
すると、「可哀想に」の呟きになりました。でも「絹莢」です。誇りがあります。誇りがあってもこの通りです。薄っペラを生きているきりです。
ふふふ、大丈夫。自然界に生きる莢インゲン豆にはそういう自己卑下はありません。胸を張って生きています。胸を張って生きていないのは、この老爺という人間の側です。