日本最北端の地、宗谷岬(北海道・稚内市)はどなたでも行けるのですが、最南端はなかなか上陸できない、東京から直線で1740キロも離れている「沖ノ鳥島」。
これでも小笠原村に属しているとはいえ、一般人の行ける最南端は母島の南崎。
沖ノ鳥島はネットで何度か見ましたが、私もそこに行ったかような気分をさせてくれるのはフォーラムの展示会でした。
沖ノ鳥島の面積は約4.9キロ平方メートル、周囲11キロ、東京ドーム107個とほぼ同じくらい。
1000キロ離れている小笠原、沖縄の海から流れ付いたサンゴたちが、何万年もの長い歳月をかけ、1500メートルも堆積してできた「奇跡の島」。
映像を見ると、発見時の昭和6(1931)年当時の沖ノ鳥島は現在のように満潮時に海面上より数センチ程度顔をのぞかせるほどの島ではなく、もっと広かったみたい。
地球温暖化による海面上昇で次々と水没、沖ノ鳥島のなかで標高の高い(といっても、わずか数十センチ)東小島と北小島に8億円かけた堅牢なチタン製ネットとコンクリート、鉄製の消波ブロックで日本最南端の領土は保護されています。
海洋国際法で満潮でも顔をのぞかせていれば、「島」という定義があり、完全に水没すると周囲200海里(370キロ、40万平方キロ平方メートル)もの広大な地域が日本の権益(漁業権、海底資源の開発権など)の喪失や、南の国境線が大幅に縮小し、船舶の蛇行も大きな影響もあるので、米粒の島でも大切にされています。
展示会は案納明則氏の写真でした。
沖ノ鳥島の海底は1500万年もサンゴが堆積しているので、とても幻想的。
これでも日本、しかも東京都の海。
郡山貴三氏の写真作品。
ヘリポートもある、観測基盤。
3階建ての鉄筋アパートらしきものが見えます。
日本領土を守るために人が暮らしているのかな・・・?
露岩を守るコンクリートは直径50メートルの円形。
ただの岩ではなく、サンゴでできています。
沖ノ鳥島映像ライブラリー (東京都産業労務局農林水産部)
沖ノ鳥島の貴重な映像が見られます。しかし、字幕がないのはちょっと残念。
たかがされど「岩」だけど、我が国の領土が北緯20度(ちなみに東京は北緯35度)まであるのは沖ノ鳥島のおかげです。