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亀嵩駅は1934(昭和9)年に開業。開業時からそのまま使われている昭和の雰囲気を漂わせるようなレトロな駅舎。たぶん、開業当時は駅長さんがいて、助役、出札掛、改札掛など駅員さんがたくさん駐在していたに違いない。時代の流れにより、無人駅化に伴い、駅長室を「扇屋」という蕎麦屋さんが入居。駅の近くに蕎麦製粉所があったので、今の駅長のお父さんが近所の方に昼ごはんとして蕎麦を振舞うようになったのが「扇屋」の始まりだということです。駅長兼出札掛兼店長兼駅周辺のメンテナンスなど1人で何役もこなしています。委託駅なので、出札のみで改札はやっておりません。昔ながらの料金式軟券を常備。POS端末が設置されていないため、管理駅の木次駅で料金式軟券を店主さんが一括で購入。売上の手数料は1割。例えば、240円区間を200枚購入すると4万8千円。10枚につき1枚のおまけがつくので、200枚だと20枚。4800円がお店の利益になります。長門二見駅も無人化になり、近距離乗車券の発売は駅前の二見饅頭屋さんが受託。各料金券を先に購入してから、お客さんが買われていくことで購入した分が戻ってくるわけですが・・・地元の人は直接車内で清算するので、なかなか売れない。2010(平成22)年で受託廃止。
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國鐵時代からそのまま使われている(?)駅名票。
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駅に着くなり、駅そば発売。すべてあらかじめ予約されたもので、パパパパッ!と引き渡し。
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秒殺で完売っ!!打ちたてそば1個500円(税込み)でした。
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改札ラッチ(改札掛の四角い領域)もまだ残っていました。最初から無人駅ではないと物語っています。クルマもまだ少なかった時代、鉄道最盛期。中国山地の各方面から交差するターミナル駅の備後落合駅も然り。駅前に旅館があるなど昔は賑わいを見せてくれたというのに、今は秘境のターミナル駅と化す。