5月23日から25日のこのブログでムクドリの雛が誕生し、それが誕生二日後にはカラスに襲われてしまったことを書きました。そして、その中で都会では嫌われ者のムクドリを擁護するようなことも書きました。
そんな中、昨日の日経新聞の夕刊のコラムで「黒川博行」さんが「鳥の子育て」という文を書かれていたのが目に付きました。黒川さんの鳥たちに対する接し方や考え方が“おかさん”と似ていて共感を覚えました。
その中で驚いたのは、ムクドリには昔「農林鳥」という「益鳥」としての勲章ともいえる名前がつけられていたということです。そして、もう一つ驚いたのは、Wikipediaというネット上の百科事典情報の広がりです。
「所変われば、品変わる」ではありませんが、農業関係者からすれば害虫を駆除してくれる「益鳥」と呼ばれていたのは当たり前といえば当たり前です。でも「農林鳥」なる命名で、たたえられていたとは知りませんでした。
ただ、オンライン野鳥図鑑というところの記載によれば「北アメリカ、南アメリカ、ニュージーランドでは移入され、爆発的に個体数を増加させた。今では、害鳥となり農作物に多大な被害を与えている。ブルーギルやブラックバスと同じである。」と書かれており、現在では、農業関係者からも害鳥扱いされているとあります。
人間って、勝手に益鳥扱いしたり、害鳥扱いしたりして、身勝手そのものです。
一方、Wikipediaについてですが、昨日の新聞のコラムの中で、『ネットを検索すると、平均的なムクドリの家族(親2羽、雛6羽)が1年間に捕食する虫の数は百万匹以上と研究されている。当時害虫を1匹駆除するのに1円かかると言われていたため、ムクドリ1家族で年間に百万円以上の利益を国家にもたらす「農林鳥」とたたえられたほど――』と書かれていました。
その記事を読んで、「へーすごいな!」ムクドリ1家族で年間百万匹以上も虫を捕食するのか?と思いました。“おかさん”自身も、彼らの子育てを何回か見ている中で、ものすごい捕食力であることは間違いないと思っていたので、大いに納得しました。でも、「本当にそんな数値なのかな?」とも思いました。
そこで、黒川さんではありませんがネットで検索してみました。すると、いろいろなところでムクドリが「農林鳥」であること、「1家族一年で百万円の利益をもたらすこと」が書かれていました。
でも、その情報の出所がすべてWikipediaの同じ記事だったのです。おかさんも、便利なのでWikipediaはよく使いますが、あまり一つの情報源にだけ頼るのは恐ろしいことになるかなと、「農林鳥 ムクドリ」をネット検索をして思いました。
<追記>
ムクドリは現在いろいろな都市で害鳥として扱われています。私の住む流山市の隣の松戸市でも、かなり前からその集団での騒音や糞害を阻止しようと試みられています。
そんな中、やはり近くの我孫子市でもムクドリ対策をはじめるに当たり、その調査をしていました。この調査は、市から「鳥の博物館」が依頼を受けて調査しているので、かなり信憑性があります。(こちらがそうです。→我孫子市ムクドリ調査報告書)
かなり厚くいろいろなことが書かれていますが、その最後のところに「野鳥の活動と周辺環境を把握し、鳥との共存を図る方策を探っていく必要がある。」と、なっていました。そのとおりだなと思いました。