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<知ってるようでよく知らない言葉・モノ・コト> ドナルド・トランプ

2025-01-22 09:12:23 | 知ってるようでよく知らない言葉・モノ・コト

 「ドナルド・トランプ」

 ドナルド・ジョン・トランプ(英語: Donald John Trump、1946年6月14日 - )は、アメリカ合衆国の政治家、実業家。第45代アメリカ合衆国大統領(在任:2017年1月20日 - 2021年1月20日)。不動産業の富豪として著名になり、リアリティ番組『アプレンティス』の司会[5]などのタレント業も行ったのち、2016年の大統領選挙に共和党から出馬して当選し、大統領を一期務めた。2020年の大統領選挙では民主党候補ジョー・バイデンに敗れるも、2024年の大統領選挙にて再び当選。グロバー・クリーブランド以来132年ぶりとなる、任期を連続しない再選(返り咲き)を果たした。共和党の保守強硬派の中心人物である。

 来歴
 1946年6月14日、ニューヨーク州ニューヨーク市クイーンズ区で生まれ、同地で育った。

 ペンシルベニア大学ウォートン校で[5]経済学の学士号を取得した後、1971年に父親の不動産事業を引き継いでトランプ・オーガナイゼーションと改名し、クイーンズとブルックリンからマンハッタンに事業を拡大した。同社は高層ビル、ホテル、カジノ、ゴルフコースなどの建設・改装をしていた。その後、主に彼の名前をライセンスすることによって様々なサイドベンチャーを開始した。1996年にミス・コンテストのミス・ユニバース・ブランドを購入し、2015年に売却した。2004年1月から2015年6月までリアリティ番組『アプレンティス』をプロデュースし、司会を務めた。2020年8月に『フォーブス』は彼の純資産を21億ドルと推定している。

 共和党員として2016年アメリカ合衆国大統領選挙に名乗りを上げ、16人の他の候補者を予備選挙で破った。彼の政治的立場はポピュリスト、保護主義者、ナショナリストと表現されてきた。民主党候補のヒラリー・クリントンを破って当選したが、一般投票数では敗北した。アメリカ軍(米軍)やアメリカ合衆国連邦政府の役職に就いたことの無い初の大統領となった。

 より厳格な移民政策を提唱している。様々な国への渡航禁止令を課す・移民法の執行強化により、移民の拘留・家族分離を増加させた。また、メキシコとの国境に「壁を作る」ことを誓ったが、これまでのところ既存のフェンスの改修にとどまっている。個人と企業のための減税パッケージを制定し、個人の健康保険の義務化のペナルティを撤回した。

 合衆国最高裁判所判事にはニール・ゴーサッチとブレット・カバノー、エイミー・コニー・バレットを任命した。

 対外政策では、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)貿易交渉、気候変動に関するパリ協定、イラン核合意、ロシア連邦との中距離核戦力全廃条約、国際連合人権理事会、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)、世界保健機関(WHO)からアメリカを離脱させた。中華人民共和国との貿易戦争のきっかけとなる輸入関税を日本など世界各国に課し、日本や中華人民共和国などと貿易協定を締結した。

 中東については、エルサレムをイスラエルの首都として承認した。シリア内戦にも限定的に介入し、2017年4月、シリア空軍のシャイラト基地にミサイル攻撃を実施。シリア政府の支配から離れたクルド人支配地域には米軍が駐留しており、2018年12月に撤退を表明するも、2019年2月に撤回して同年10月に油田地帯に残留させた。軍事作戦の中でISILの最高指導者アブー・バクル・アル=バグダーディー、イラン・イスラム共和国のイスラム革命防衛隊司令官ガーセム・ソレイマーニーの死をもたらした。ソレイマーニーが死亡した軍事作戦により、イランから「殺人とテロ」容疑での指名手配を2020年1月に受けている。

 2018年6月から北朝鮮の指導者である金正恩と北朝鮮核問題で3回会談したが、非核化の協議は2019年10月に決裂した。

 ロバート・モラー率いる特別検察官の調査では、トランプと彼の選挙運動は、政治的に有利になるとの信念の下で2016年アメリカ合衆国大統領選挙におけるロシアの干渉を歓迎・奨励していたが、犯罪的な共謀やロシアとの協調を告発するのに十分な証拠は見つけられなかった。モラーはまた司法妨害の罪でトランプを調査したが、その報告書ではその罪で起訴・無罪にもしなかった。アメリカ下院は2019年12月にウクライナへの軍事援助と引き換えに政敵への妨害を試みたとして権力の濫用と、アメリカ連邦議会の公務執行妨害罪でトランプを弾劾した。共和党優勢の上院は2020年2月に両罪を無罪とした。

 COVID-19パンデミックに対する反応は遅く、脅威を軽視して保健当局者からの多くの勧告を無視して証明されていない治療法・検査の利用の可能性について宣伝するなどした。

 2期目の再選を目指して2020年アメリカ合衆国大統領選挙に出馬したが、民主党候補のジョー・バイデンに敗北した。トランプ陣営は「不正選挙」を主張し、再集計及び法廷闘争を行ったが、バイデン勝利の結果は変わらなかった。現職の大統領が落選するのは1992年アメリカ合衆国大統領選挙でのジョージ・H・W・ブッシュ以来28年ぶりのことであり、戦後落選した現職の大統領はトランプで4人目[注釈 3]となる。

 2021年1月6日のトランプ支持者による連邦議会襲撃事件をめぐり「反乱の扇動」を行ったとの批判が高まり、1月13日、トランプ大統領に対する2度目の弾劾の決議案が下院で可決されたが、2月13日、上院の弾劾裁判では、有罪57票、無罪43票で罰則に必要な3分の2に届かなかった。同年1月20日に1期4年限りで退任を迎えた。

 2024年7月13日、ドナルド・トランプ暗殺未遂事件が発生。アメリカ東部のペンシルベニア州バトラーにて、2024年アメリカ合衆国大統領選挙に出馬するために行っていた選挙集会での演説中に銃撃され、右耳にけがを負った。

 2024年11月6日、2024年アメリカ合衆国大統領選挙が開票され、合衆国初の女性大統領を目指したカマラ・ハリスを破り再当選を果たした。大統領への返り咲きはグロバー・クリーブランド以来132年ぶり2人目の出来事となった。

 大統領就任前の経歴
 生い立ち
 ドナルド・トランプはフレッド・トランプとその妻メアリー・アンの第4子として、1946年6月14日にニューヨーク市クイーンズ区で誕生した。父のフレッド・トランプは1905年10月生まれのドイツ系アメリカ人であり、ニューヨーク市の富裕な不動産デベロッパーであった。ドナルドの父方の祖父フレデリック・トランプはもともとドイツ人で、1885年10月にドイツのラインラント=プファルツ州カルシュタットからアメリカに渡った移民であった。ドナルドの母メアリー・アンは、スコットランドのルイス島生まれで1930年5月にアメリカに渡った。ドナルドの両親は1936年1月に結婚し、5人の兄妹(女・男・女・男・男の順に生まれた5人兄妹)をもうけた(なお長女はドナルドより9歳ほど年上であった)。そのような環境でドナルド・トランプは育った。

 青年期と教育

 ニューヨーク・ミリタリーアカデミー在学中(1964年4月)
 少年期はクイーンズ区ジャマイカ地区のミッドランド・パークハイウェイ沿いで暮らし、13歳までは父が運営委員を務めるフォレスト・ヒルズ地区の学校に通っていたが、ドナルドの素行不良(繰り返される不良行為)が原因で、ニューヨーク・ミリタリー・アカデミー(陸軍幼年学校のひとつ)に転入させられた。

 1964年からブロンクス区のフォーダム大学に2年通った後に不動産の専門学科があった大学であるペンシルベニア大学の経営学部に転校し、1968年に経済学士号(BS〈ECon〉)を取得して卒業した。卒業後に父親が経営するエリザベス・トランプ・アンド・サンに入社して、仕事を通じて不動産管理や投資などの知識を身につける。

 経営の開始
 父親からの支援を受けて、1970年代からニューヨーク州などのアメリカ東海岸を中心としたオフィスビル開発、ホテルやカジノ経営などに乗り出し、1971年に父のフレッドから同社の経営権を与えられ社名を現行の「トランプ・オーガナイゼーション」に改めた。

 なお1982年時点では、トランプ氏は『フォーブス』誌の富裕層リストの最初のリストに、彼の家族の推定純資産2億ドルのシェアを持っていると記載されていたが、1980年代に経済的損失を被ったため、1990年から1995年の間にリストから外された。なおこのころ、「赤狩り旋風」で悪名を馳せた弁護士のロイ・コーンを顧問弁護士としている。

 1977年4月にはチェコスロバキア人でモデルのイヴァナと結婚し、「広告塔」としてインテリア関連会社・ホテル・カジノの運営を任せることで、メディアからの注目を浴びた。

 異業種進出

 1983年には、新興のプロアメリカンフットボールリーグであるUSFLのニュージャージー・ジェネラルズのオーナーとなった。1985年には、春夏制であったスケジュールをNFLと同じ秋冬制にし、NFLとの合併を目指すよう他のオーナーたちを説得する。だがNFLを反トラスト法で訴えた裁判は実りなく、USFLは1985年をもって消滅することになった。

 それまでも、自身が所有するアトランティック・シティのカジノまでの間のヘリコプター会社も経営しているなど航空業界にも進出していたが、1989年には当時経営不振に陥っていた大手航空会社の一つであるイースタン航空のニューヨーク発(ラガーディア空港)のシャトル便路線網を買収して、自らの名を冠した「トランプ・シャトル」を興すなど他異業種への展開を進めた。

 また、ニューヨークを代表する最高級ホテルの一つ「プラザ・ホテル」を1988年に買収し、買収後はホテル経営の経験のないイヴァナに経営を任せた。

 苦境(巨額債務、倒産、浮気の発覚、離婚、事業売却)
 しかし、14パーセントという高い利回りの社債の発行を行った上に、回収すら難しい多額の投資を次々と行ったことや、重役3人をヘリコプター事故で同時に失ったこと、経営の専門知識がないどころか、学士号すらないイヴァナへ多くの実権を任せたことで経営が混乱したことなどがあだとなり、1990年にかけて巨額の債務を抱えることとなった。

 父親から回転資金を僅かに受けたものの、1991年にカジノが、1992年にホテルが倒産し、また同年には不採算事業となっていた「トランプ・シャトル」や、鳴り物入りで手に入れた「プラザ・ホテル」も手放すことになった。なおこの前後には、自社にとって不利になる情報を書いたジャーナリストやメディアに対して訴訟を連発した。

 マー・ア・ラゴ
 さらにモデルのマーラ・メープルズとの浮気が発覚し、イヴァナとの間で離婚訴訟となった。この際に慰謝料を巡って裁判で泥仕合となりトランプとイヴァナの双方がメディアに情報をリークし合うなど、全米のメディアからの注目を集めた。なお1992年3月には離婚が成立し、1993年12月には子供を妊娠したことをきっかけにメープルズと再婚した。

 1994年に、巨額の借金を少しでも減らすために資産を売って借金の一部の返済に充てることにし、遊覧船事業と(前述の)航空事業から撤退し、マンハッタンに所有する物件も多数を中国系の企業に売却した。(だが返済したのは一部にすぎず)現在も中国の銀行やゴールドマン・サックス、ドイツ銀行などから多額の借金を抱えている。しかし「トランプ・プラザ」や「マー・ア・ラゴ」など多くの物件は手元に残した。

 返り咲き
 この様に困難な状況に陥ったものの、トランプはロスチャイルド、ウィルバー・ロス、フィデリティ・インベストメンツと交渉し、協力をとりつけ、これらの肝いりでこの危機を切り抜けた。また、資金調達のために「トランプ・オーガナイゼーション」のニューヨーク証券取引所への上場を行い、約12億ドルの調達に成功した。

 1990年代後半から好景気を背景に復活を成し遂げ、著名な経済誌『フォーブス』が選ぶアメリカのトップ企業400社に再びランクインし、マンハッタンに新たな高級アパートメントを多数建設する他、ラスベガスやアトランティック・シティなどアメリカ各地に多数のホテルやカジノをオープンするなど、再びアメリカの大手不動産業者として返り咲いた。

 なおその後「エンパイア・ステート・ビルディング」の50パーセントの所有権を手に入れた。1999年6月にはイタリア人モデルとの浮気が再び発覚し、メープルズと離婚した。

 2000年アメリカ合衆国大統領予備選挙
 カムバック後の2000年アメリカ合衆国大統領選挙には、リチャード・ニクソンやロナルド・レーガンなどの、共和党選出の歴代大統領の参謀を務めた政治コンサルタントのロジャー・ストーンをブレーンにアメリカ合衆国改革党の予備選挙に出馬したものの、政治コメンテーターのパット・ブキャナンが選出されることになった。当時のトランプは自身を保守と位置付けたが、以下の多くの点でリベラルと思われた。なおストーンは2016年アメリカ合衆国大統領選挙の際にもトランプのブレーンとして動くことになる。

 自身を「調停者」と呼び、公民権法を拡大してレズビアンとゲイを保護し、彼らが堂々と軍に入れるようにすると語る
 包括的な医療保険制度を求め、社会保障制度を守るために超富裕層への1回限りの課税を提案する
「品の無い扇動政治家」と評される[59]パット・ブキャナンの「ユダヤ人、黒人、ゲイ、メキシコ人……」に関する発言に異を唱えて「彼はこの国を分断したがっている」と言い、自分はそういう差別はしないと述べる
 2000年アメリカ合衆国大統領選挙
 1999年10月25日、アメリカ合衆国改革党に入党。ジェシー・ベンチュラの支援を受けて、2000年アメリカ合衆国大統領選挙への出馬を表明する。トランプの予備選キャンペーンはメディアの注目を浴びることとなった。財政赤字削減のために超富裕層に税率14.25パーセントを一度だけ課すことや、同性愛者差別を禁止するための1964年公民権法改正・法人税引き上げを財源に国民皆医療保険を実現することなどを掲げた。しかし、「改革党の内部対立が全く酷いこととなっている」として2000年2月には撤退している。

 この予備選挙で改革党の大統領候補となった政治コメンテーターのパット・ブキャナンが、「メキシコ系移民を叩き出せ」などと暴言を繰り返していたことに対して、トランプは「パット・ブキャナンはレイシストだ。あんなことを言ったらメキシコ系の支持を失う」「私はブルックリンで低所得者の移民の人たちと仕事をしてきた。ニューヨークにはいろんな人がいて当たり前。だから、差別的な発言は不快」と発言している。

 なおこの時期、自著『The America We Deserve』の中で、「われわれは今、テロ攻撃の脅威に晒されている。今度くるものは、あの(1993年WTC地下駐車場で起きた)世界貿易センター爆破事件なんてガキの爆竹に思えるぐらいの規模のものだ…。まともな頭のアナリストはその可能性さえ受け入れられないだろう。しかしその多くが自分と同じ思いで、事の成り行きを眺めている。知りたいのはIF(起こるかどうか)ではない。WHENだ[要検証 – ノート]」「ある日われわれは、オサマ・ビン・ラディンという住所不定の謎の人物がアメリカ最大の敵だという話を聞いた。米軍戦闘機がアフガニスタンの奴の拠点を荒らし…奴はどっかの岩の下に雲隠れした。そして世の中がすっかり忘れ去ったころに、奴は再び新たな敵、新たな危機としてわれわれの前に姿を現すのだ」と書いており、図らずも後の2001年9月11日に起こるアメリカ同時多発テロを予言したような言葉を残している。

 アプレンティス出演

 さらに2004年からNBCのリアリティ番組である『アプレンティス』にホストとして登場し、トランプの会社の正社員となるべく番組内で働く出場者に対し「You're fired(お前はクビだ)」と宣告するセリフが人気となった。これにより、かねてからアメリカ国内における知名度が高かったトランプは、その知名度をさらに上げることになった。なお、同番組の出演は大統領選挙出馬前の2015年6月まで続いた。

 『アプレンティス』が子供の間にも人気が広がった時に、末期癌の子供の願いを叶える団体から依頼を受けて、トランプから「お前はクビだ」と言われたいという末期癌の少年に会いに行ったことがある。その際に少年は『アプレンティス』の出演者のようにスーツとネクタイを着用してトランプと対面したが、トランプは「お前はクビだ」とはどうしても言えず、「がんばれ。人生を楽しんでくれ」と言って帰ってしまったことがある。

 2005年1月にスロベニア出身でモデルのメラニアと結婚し、2006年3月に息子のバロンを授かった。

 サブプライム問題
 2007年後半に起こったいわゆる「サブプライム問題」以降の不況を受け、社債の利子の支払い不能に陥るなど経営難に陥っていた「トランプ・プラザ」、「トランプ・マリーナ」、「トランプ・タージマハール」を経営する「トランプ・エンターテイメント・リゾーツ」が、2009年2月17日に連邦倒産法第11章の適用を申請した。

 同社の創業者でもあるトランプはこれに先立ち、同社の取締役会に対して「同社の株式をすべて購入する」との申し出を行ったが拒否されたことを不服として同社の取締役を辞職した。

 2009年2月には「レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン」に出演した際に、同じく連邦倒産法第11章の適用を申請した「ゼネラルモーターズはつぶれるべきだ」と発言した。しかし同社は翌年から急に業界の経営が上向いた。

 また2010年9月9日には「グラウンド・ゼロ」近くにイスラム教の文化センターが計画されている問題で、センター予定地を価格の25パーセント上乗せで買い取りたいと申し出た。

 2012年アメリカ合衆国大統領選挙

 2011年4月の世論調査では、トランプは2012年アメリカ合衆国大統領選挙における共和党の候補として、アーカンソー州のマイク・ハッカビー前州知事と並んで2位の支持率を獲得した(1位はマサチューセッツ州のミット・ロムニー元州知事)。 2012年2月2日には、共和党大統領候補としてミット・ロムニーを支持すると表明した。

 同年5月16日、共和党の予備選挙への不出馬を表明したが、最後に付け加える形で、のちの大統領選に、再び「(政治)見習いのセレブ(Celebrity Apprentice)」として出馬する予定であるとも述べた。

 2016年アメリカ合衆国大統領選挙
 2015年6月16日にはトランプ・タワーの会見場で、2016年アメリカ合衆国大統領選挙に共和党から出馬することを表明した。

 この出馬表明の場でトランプは「メキシコ(政府)がメキシコの人を送ってくるときは、メキシコのベストな人は送ってこない。メキシコは問題が沢山ある人を送ってきて、彼ら(問題が沢山あるメキシコ人)は問題を我々のところに持ち込む。彼らはドラッグを持ちこむ。彼らは犯罪を持ちこむ。彼らは強姦犯だ。そして、いくらかは多分良い人だ! 国境警備隊と話したら我々の直面していることを話してくれた。」と破天荒な発言し、大きな反発を招いた。

 アメリカではヒスパニック(中南米)系住民が増加の一途をたどっており、2050年には国民の3人に1人はヒスパニックになると予想されている。このヒスパニックの反感を買う発言はトランプ自身の首を締めるものと言われた。この発言を受けてアメリカのスペイン語放送最大手でヒスパニック向けのテレビ番組を放送しているユニビジョンは、トランプが共同事業者として参加しているMUO(ミス・ユニバース機構)との提携関係を解消し、「ミス・ユニバース」関連の放送を今後一切行わないと発表した。放送メディア大手NBCも「ミス・ユニバース」の放送を打ち切ると発表し、「ミスUSA」の放送も打ち切り、自社番組『アプレンティス』からトランプを降板させ、トランプ抜きで放送を続けると発表した。

 トランプは同時に「私はメキシコにもメキシコ人にも敬意を抱いているし好きだよ」(I have great respect for Mexico and love their people and their people's great spirit.)とも言ったが、大手百貨店メイシーズもトランプ・ブランドを撤去すると発表した。さらに男子ゴルフのメジャー大会優勝者で争われるPGAグランドスラムを開催する全米プロゴルフ協会(PGA)は、10月の大会をトランプが所有するロサンゼルスのコースで行う予定だったが、別の場所にすると発表した。

 同月、トランプはケーブルテレビのインタビューで、大統領に当選すれば、投資家のカール・アイカーンを財務長官に、実業家のジャック・ウェルチや投資家のヘンリー・クラビスを政策ブレーンに起用すると発言した。アイカーンは「突然のことで驚いた」「嬉しいが、この提案に応じられるほど私は早起きしていない」と一旦は辞退したものの、後に受諾を表明した。 カール・アイカーンはトランプのためにスーパーPACを組織するなど大統領選を支援し、支持を呼びかけている。アイカーンはタイム・ワーナーの大株主であったが、2006年2月7日にラザードとタイム・ワーナー解体を主導したことが 343ページの企画書 公開により明らかとなった。そのタイム・ワーナーは2016年10月現在、AT&Tが買収する見込みである。

 なお8月には著名な選挙参謀であったロジャー・ストーンが辞任した。しかしストーンはその後もヒラリー・クリントンを「夫のビルのレイプを隠した」と(事実を元に)したネガティブキャンペーンを繰り広げるなど、事実上トランプ陣営を後押しする言動を取り続けた。またトランプも同様のネガティブキャンペーンを繰り広げた。

 11月、ヒスパニック系の著名な知識人67名が、「数百万の死者を出すことに繋がった異民族に対する歴史的運動を想起させる」危険なヘイトスピーチであるとの非難声明を発表した。

 出馬表明後

 2015年12月にはムスリム系夫妻がカリフォルニア州サンバーナディーノ郡で福祉施設を銃撃し14人を殺害した事件の後、「当局が(テロの)全容を把握するまで当面の間ムスリムの入国を完全に禁止するよう」提案した。メディアはこれを「ムスリム入国禁止発言」と伝え、世界的に波紋が広がり、イスラム世界はトランプ・ブランドの商品を回収するなど激しく反発した。

 この発言を巡っては、アラブの大富豪として知られるサウジアラビアのアルワリード・ビン・タラール王子が「おまえは共和党だけでなく全米の恥だ。おまえは決して勝てないから大統領選から撤退しろ」“You are a disgrace not only to the GOP but to all America. Withdraw from the U.S. Presidential race as you will never win."と、Twitterで攻撃して話題になった。

 これに対してトランプは「まぬけ王子のアルワリード・タラルの望みは、我がアメリカの政治家をパパのお金で操縦することだ。私が当選したら出来ないがね」“Dopey Prince Alwaleed Talal wants to control our U.S. politicians with daddy’s money. Can’t do it when I get elected."とツイートし返して注目を集めた。

 その後も様々な「問題発言」が取り上げられていたが、2016年3月当時も、共和党の指名候補争いでトップの支持率を保っていた。

 2016年1月19日、2008年アメリカ合衆国大統領選挙で共和党の副大統領候補だったサラ・ペイリン元アラスカ州知事から支持を表明された。

 2月27日、大統領選挙から撤退したニュージャージー州知事クリス・クリスティから共和党指名争いにおける支持を得る。

 トランプ人気の強さが明らかになるに連れて、トランプの集会を訪れる抗議者も増えている。 特にシカゴで予定されていた3月11日の選挙集会では、移民に関する発言に反発した黒人やヒスパニック系の反トランプ派数百人が現れ、会場となっていたアリーナの5区画を占拠した。既に会場にはトランプの演説を聞くために8500人から1万人の聴衆が集まっていたが、抗議者と支持者の間で殴り合いも起き、トランプ陣営は「安全上の懸念」を理由として集会の中止を発表した。

 同日、4日に共和党指名争いから撤退した元神経外科医のベン・カーソンから大統領候補としての支持を受けた。

 民主党候補者への言動

 トランプは自身の集会でヒラリー・クリントンを「2008年の予備選挙で、ヒラリー・クリントンはバラク・オバマのペニスに屈した(シュロングされた)」と罵倒した。さらに前回の民主党候補者の討論会の途中でクリントンがトイレに行ったことに関して、「反吐が出るね。その話はしたくはない」とまくしたてた。2015年4月16日、自身が利用するツイッターで「ヒラリー・クリントンが夫を満足させられていないなら、なぜ彼女は(自分が)アメリカを満足させられると思っているのか?」というツイートを共有し、後にそのツイートを削除した

 かねてよりチェロキー族を先祖に持つエリザベス・ウォーレン上院議員を「ポカホンタス」と蔑称で呼ぶなど、SNS上で民主党関係者や共和党の対抗馬などへの挑発を続けてきたトランプであるが、ヒラリー・クリントンと最後まで予備選を争ったバーニー・サンダース候補が民主党党大会においてクリントン支持を表明するとTwitterにおいて、「バーニー・サンダースはインチキヒラリーに寝返った。これじゃあサンダースがやったこと、生み出したエネルギー、そして集めた金、何の成果もないじゃないか! 時間の無駄だったな」と挑発。サンダースは、「Never tweet.(二度とツイートするな)」と投稿した。オバマがクリントン支持を表明したことについて誰もオバマの続投を望んでいないとツイートすると、クリントンは「Delete your account.(アカウントを削除しなさい)」と短く返し話題を呼んだ。

 2016年8月10日、銃規制の強化をクリントンが主張していることについて、「銃を所持する権利を支持する人なら何かできるだろう」と発言し、支持者に暗殺を示唆したものとして波紋が広がった。トランプの選挙対策本部は、支持者に投票を呼びかけたものであると釈明に追われた。アメリカ合衆国シークレットサービスは、トランプ陣営に対して事情聴取を複数回行ったことを明らかにした。

 一方のトランプは肺炎と診断された民主党候補ヒラリー・クリントンの回復を願うと表明。トランプ陣営の職員らにもクリントンの病状に配慮し、この件に関するソーシャルメディア上の投稿を控えるよう指示している。

 性的発言
 2016年10月8日、『ワシントン・ポスト』は、2005年にトランプがテレビドラマ『デイズ・オブ・アワ・ライブス』の収録に向かうバスの中で、バラエティ番組『アクセス・ハリウッド』の司会者ビリー・ブッシュと、結婚直後であったにもかかわらず、「私は魅力的で美しい女性に磁石のように引き寄せられ、キスを始めてしまう」と既婚女性と性的関係を持とうとしたことを発言し、猥談を繰り広げる動画を公開した。

 ポール・ライアン下院議長は、気分が悪くなるとしてトランプの演説会への参加を取りやめ、ラインス・プリーバス共和党全国委員長も非難する声明を発表。さらには、ジェーソン・チェイフェッツ下院議員が、共和党の議員として初めてトランプ支持を撤回するなど、批判の広がりを受けたトランプは「気分を害した人がいたら謝罪する」と傍若無人の問題発言を繰り返すトランプが、自らの発言について謝罪を行う初の事態に追い込まれた。

 10月10日までに共和党に所属する連邦議会議員、州知事331人のうち少なくとも160人がトランプを批判し、うち32人はトランプに選挙戦からの撤退を要求した。

*Wikipedia より

 

 『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』(アプレンティス:ドナルド・トランプのつくりかた、原題:The Apprentice)は、2024年制作のアメリカ合衆国の伝記映画。

 1970年代から1980年代を舞台に、気弱で繊細だった20代の青年実業家ドナルド・トランプがマッカーシズムで悪名を馳せた弁護士ロイ・コーンと出会い、一流の実業家へと育て上げられた末に、コーンの想像を超える怪物へと変貌を遂げていく姿を描く。原題の『The Apprentice』は「見習い」という意味で、トランプ自身が出演していたリアリティ番組と同じタイトルである。第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品。

*Wikipedia より

 この映画を観れば、少しはトランプのことがわかるか?1月17日日本公開。


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