「トキシラズ/トキ鮭の焼漬け(ときしらず/ときざけのやきづけ)」
主な伝承地域 道内全域
主な使用食材 トキシラズ
歴史・由来・関連行事
秋から初冬ごろにかけて、産卵のために北海道沿岸に遡上してくるサケを「秋サケ」と呼ぶが、春から夏にかけての季節外れの時期に遡上してきたシロザケのことを「トキシラズ」いう。漢字では「時不知」または「時鮭」と書き、時期を知らずにとれる魚という意味で名が付けられている。
秋にとれる一般的な秋サケと違うのは、その生まれた地。秋サケが北海道の川で生まれるのに対し、トキシラズはロシア北部のアムール川で生まれ、回遊している際に北海道の沿岸で漁獲される。若い状態で漁獲されるトキシラズは、産卵の準備がまだ整っていないため、脂や栄養が卵や白子ではなく全身にのっていることから、格別に美味しいといわれている。脂のりが非常に良く、身質が柔らかいトキシラズは貴重なサケであり、全国的にも人気が高い。
「トキシラズの焼漬け」は、トキシラズを使用した代表的な北海道の郷土料理の一つ。昔から家庭ではごちそうとして振る舞われていた。6月におこなわれる札幌祭(現・北海道神宮祭)の際、家庭では「トキシラズの焼漬け」や「赤飯」をつくり、食べていた。
食習の機会や時季
6月ごろに出回る脂ののった「トキシラズ」はこの季節のごちそう。高級品として販売されているが、地元では、スーパーマーケットなどでも手に入れることができるので、春から夏にかけて一般家庭の食卓に上がることも多い。
飲食方法
フライパンやグリルでさっと焼いた「トキシラズ」を、醤油、みりん、酒を混ぜた調味液に漬ける。半日程度漬ければ食べられるが、一晩ほど漬けた方が味が染みこんで美味しいといわれている。ごはんにも良く合い、夕食のおかずとして子どもにも人気がある。また、大人からも酒の肴としても好まれている。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
5月から7月ごろになると、ごちそうとして、各家庭で食べられている。現在でも札幌祭(現・北海道神宮祭)の時期に「トキシラズ」を食べる風習は一部に残っている。また、近年では、お取り寄せグルメとして全国から人気を博している。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/tokishirazu_hokkaido.html より
基本的にサケは秋に産卵回遊してきたものを漁獲するものであるが、春から初夏にかけて未成熟の鮭という意味。「時」は漁の時期のことで、この「時期を知らずしてとれる鮭」。
古くは春から初夏に北洋でとっていたものもトキシラズといった。
*https://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%83%88%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%A9%E3%82%BA より
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