【平成30酒造年度全国新酒鑑評会 金賞銘柄一覧(名古屋国税局)】
〈岐阜〉 花美蔵/白扇酒造
白扇酒造の清酒杜氏をしている服部です。
清酒に携わり数年色々と勉強し、念願の杜氏となる事ができました。
身の引き締まる思いです。
杜氏として目的の酒質・品質を維持、または向上させていくために、
原料のチェックから微生物管理まであらゆる技を巧みに駆使して、
細心の注意を払いながら製造しています。
毎年、気候や仕込む時期で絶えず変化し続ける条件に対して苦労も多い
ですが、お客様に満足していただける商品造りを心掛けています。
原材料へのこだわり
酵母について
清酒で使われている酵母の特徴は、何と言ってもお米からアルコールをつくることです。
酵母には酒造りに適さないものや有害なものがいます。
酒造りには多くの酵母の中から健全な発酵をする優良清酒酵母のみを使用しています。
白扇酒造で使われている酵母は、華やかな香りを出す酵母・貯蔵して旨みを出す酵母・さくらの木から取れた花酵母などがあります。
華やかな香りを出す酵母は主に純米大吟醸・純米吟醸などに使用していて、口の中いっぱいに吟醸香が広がり、のど越しもスッキリしたタイプに仕上がります。
貯蔵して旨みを出す酵母は主に純米酒・本醸造などに使われていて、貯蔵することにより旨みが引き出され味わい深いタイプに仕上がります。
さくらの花から取れた花酵母は普通酒に使用していて、スッキリとした飲み飽きないタイプに仕上がります。
麹のこだわり
酒造りにおいて麹の役割は、麹に存在する酵素でお米を溶解・分解して酵母の体内に取り入れやすくしたり、 生産する酵素によって糖やアミノ酸といった清酒の重要な旨み成分をつくったりします。
麹には酵素の他にビタミンなどの微量成分なども含まれます。
白扇酒造の麹は、機械を一切使わずすべて手づくりです。
大吟醸のもろみは長期間ゆっくりと発酵させるので、硬めでお米の中心部にもしっかり酵素が生産されるような麹をつくります。
純米酒は旨みが必要なので、大吟醸よりも少し柔らかめの麹をつくります。本醸造・普通酒は酒質の甘口に負けないような柔らかい麹をつくります。
もろみのこだわり
白扇酒造では清酒製造の他に、みりん・焼酎・果実酒・リキュールとさまざまな種類のお酒を製造しています。
種類ごとに製法が異なり、管理・貯蔵にも気を遣うことが多いです。
でも、一般的な清酒のもろみ管理法から他の酒類のもろみ管理を応用した管理法など、白扇酒造だからできるノウハウがたくさんあります。
そのため、新しい商品づくりには積極的な蔵元で、新しい清酒酵母にも果敢にチャレンジしたり、生もと造りを復活させたりと常にお客様目線で清酒製造に励んでいます。
造り方へのこだわり
上槽のこだわり
「純米大吟醸・馥」は、短くて20日間、長くて40日間かけて低温でじっくり発酵させたもろみを、酒袋に一つずつ丁寧に袋取りし吊り下げて、袋から染み出た清酒を香りが飛ばないうちに素早く一斗瓶に囲い、低温貯蔵しました。
その他の商品も槽(ふね)と呼ばれる清酒専用の搾り機を使い、香りも味も一番おいしい瞬間を待って濾した清酒をお客様にお届けできるよう心掛けています。
黒松白扇の清酒の特徴
岐阜県は山々に囲まれた豊かな清流がたくさんあります。
清酒「黒松白扇」の製造元である白扇酒造は、岐阜県でも比較的温暖な中濃地域にあります。
すぐ近くには飛騨川があり、水にも大変恵まれています。
仕込水は軟水で、口当たりの柔らかな芳醇タイプのお酒に仕上がるのが特徴です。
清酒「黒松白扇」は、どの銘柄を飲んでいただいても飲み飽きない味わい深いお酒になっています。
会社名とお酒の銘柄についてお話します。
白扇酒造は明治期に加藤酒店屋号はカネトウ藤、銘柄は加茂泉、焼酎は金星でした。
昭和に入り、戦後株式会社となる時に先代が思い切って銘柄を変更し黒松白扇となりました。そして平成となる時、登録商標の問題が起こったため「あえて新銘柄で新しい時代を」と花美蔵と命名しました。白扇酒造は代が変わるごとに銘柄を変えてきた歴史となっています。
そして今度は、令和の時代を迎え、どういうわけか「黒松白扇」の登録がもどり副社長が自分の時代は「黒松白扇」というもとの銘柄で再出発したいとの事。杜氏も張切って新しい時代に挑戦します。新しいブランドを立てる事はよくあることですが、昔の銘柄にもどすのは業界でも初めてではないかと思います。
副社長 加藤:これからの白扇酒造は清酒も調味料も全て全力投球です。見ていてください。代が変わると名前が変わるという白扇の歴史ですが、私の時代にも結局変わり、結局どの代でも変更していますね!息子の時代また言われるんでしょうね!(笑)
白扇酒造 加茂郡川辺町中川辺28
ラインナップ
「黒松白扇」純米大吟醸 馥(ふく)・黒・花・蔵 など
うちのみりんは伝統製法で、すべて米から造られています。
加茂郡川辺町。町の中心を飛騨川が流れ、古くは木曽ヒノキなどの木材を筏(いかだ)に組んで流す集散地の川湊(みなと)として栄えたこの地に、江戸時代後期から続く『白扇酒造』はある。創業時は加藤商店として、みりんと焼酎を販売。明治32年に酒類製造免許を取得した後は「黒松白扇」といった清酒も製造し、昭和26年に社名を白扇酒造と改めた。
現在は日本酒「花美蔵」や焼酎、リキュールなども製造するが、主力商品は何といっても化学調味料や食品添加物を一切使わず、昔ながらの製法で造るみりん「福来純 伝統製法熟成本みりん」だ。「原料はもち米と米麹、米焼酎だけ。うちのみりんはすべて米から造られているんです」と、5代目の加藤祐基さん。
蒸したもち米に米麹と米焼酎を混ぜ、約90日間糖化させて手搾りした後、3年以上タンクで貯蔵熟成する伝統製法で造られるみりん。調理の隠し味に使えば、上品でまろやかな甘みや美しい照りとつや、深いコクが加わり、いつもの料理が格段に美味しくなる。さらに、グラスに注ぐと琥珀色に輝くこのみりんは、そのまま飲むこともできる。
まろやかで甘い女性好みの味わいで、食前酒や寝酒にも。「牛乳割りやホットみりんレモンもおすすめです。他にも僕たちが考えたみりん料理をウェブサイトで紹介しています。若い世代やより多くの方に、もっとみりんのことを知って、使ってもらいたいんです」。
みりんの代わりとして安価に販売されるみりん風調味料や発酵調味料は、伝統製法で造られたみりんとは原料や製法が全く異なる別物だ。しかし、それらの低価格商品に押され、一時期はみりんの売り上げが激減、厳しい時代が続いた。だが近年、料理研究家や多数のメディアが白扇酒造のみりんを絶賛、“飲めるみりん”と紹介したのをきっかけに評判となり、売り上げは順調に回復した。
「最近は食が見直され、本物を求める志向があります。原料と製法にこだわり続けてきたからこそ、うちのみりんも今の時代に合い、支持されるようになったんだと思います」。
*https://aun-web.jp/spot/spot-880.html より
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