「あんびん」
主な伝承地域 峡南地域
主な使用食材 さつまいも粉、小麦粉、さつまいも、あん
歴史・由来・関連行事
「あんびん」は峡南地域の特産として、さつまいもの粉や小麦粉、角切りのさつまいもを熱湯で練った生地に、あんを包み平らにして蒸したもので、素朴な味わいが好まれている。あんを入れてから「びんた」をするように強く叩いてつくることから「あんびん」という名前がついた。米づくりに不向きな土地であったので、さつまいもやとうもろこし、小麦などの栽培が中心で、粉物の文化が発展した。とうもろこしの粉でつくられることもあるがそれは黄色となり、さつまいもの粉でつくると黒くなる。重曹などの膨張剤などは使われず、冷めたあんびんはずっしりと歯ごたえがあり腹持ちも良い。食生活の変化とともにつくる人、食べる人ともに減ったが、1996年に市川三郷町の落居小学校廃校の話が持ちあがったのをきっかけとして地元民が「伝統食をPRして町おこしをしよう」と立ち上がり、六郷町特産品加工組合を設立。地元農産物や加工品の販売と合わせ、かつての伝統食「あんびん」を復活させた。
食習の機会や時季
昔は各家庭で手づくりされ仕事の合間などに食べられてきたが、現在は朝市や地元の団体により、おやつや土産物として通年販売され食されている。
飲食方法
さつまいも粉、小麦粉、塩、さいの目に切って水にさらしたさつまいもに熱湯を混ぜ、耳たぶの柔らかさになるまで練る。丸めてあんを入れて手で強く叩きながら平たくかたちをととのえて蒸し器で15分ほど蒸す。生地にはさつまいもの粉のほかとうもろしの粉なども使われる。またあずきあんのほか白いんげんのあんなどもある。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
六郷特産品加工組合により地元の小学校で子どもたちにつくり方を教える食育活動がおこなわれている。また、山梨県が次世代への継承に取り組んでいく郷土食176品目「やまなしの食」のうち、さらに代表的な47品目としてしぼられた「特選やまなしの食」に選定されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/anbin_yama_nashi.html より
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