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<大阪製ブランド-文具・スマートフォンアクセサリー> mahora(まほら)

2023-09-05 07:37:02 | 大阪製ブランド

 「mahora(まほら)」

必要とする人に届けたいという想いから生まれたみんなにとって使いやすいノート。

1963年からノートを製作し、大手文具メーカーの製品を受託生産する大栗紙工。取締役の大栗佑介さんはある声を聞いて驚いた。自分たちがいつも作っていた白いノートは「使いづらい」。それは発達障がい者の支援団体に寄せられた当事者の声だった。発達障がいの特徴は様々だが、感覚が過敏だったり、集中力が途切れやすい人たちにとって、一般的なノートは使いづらいことも。ノートの中紙は白、罫線は薄い色で細く、ナンバーや日付の記入欄がある。そんな当たり前と思っていたことが妨げとなって、学習意欲がそがれることがあるという。この経験をきっかけに初めてのオリジナル製品、発達障がい者にも使いやすいノートの開発に挑むことに。
製品の開発にあたっては、企画の初期段階から当事者を巻き込む「インクルーシブデザイン」という手法を取り入れた。まずは課題の抽出から。既存のノートに対する悩みを約100名の発達障がい者にアンケートしたところ、「紙からの反射がまぶしくて、文字が書きにくい」「いつの間にか書いている行が変わってしまう」「罫線以外の情報が気になり集中できない」という3つの課題が浮かび上がった。こうした課題に対応するために、中紙は白い紙に比べ光の反射を抑えられる13色から選んでもらい、最終的にレモン・ラベンダー・ミントの3色を採用。次に、行が識別しやすい罫線を考え、太い線と細い線が交互に印刷されたものと、一行おきに帯状の薄い網掛けが印刷されたものの2種類を開発。そして日付などの記入欄をなくし、罫線だけのシンプルな設計に。ユーザーの声を受け止め、その課題を解決することで、使いやすいノートにたどり着いた。同社の技術力やノートづくりへの愛情が形になったといえる。表紙やロゴ制作などは、活版印刷会社・山添のデザイナー、大友貴之さんに依頼。ノートは豊富なサイズ展開で24種類、穴を開ければファイリングして使えるA4サイズのシートもある。製品名の「まほら」とは「住みやすい場所」を意味する古語。誰にとっても「使い心地のいいノート」でありたいという願いが込められている。その願いどおり、はじめは誰かのために考えたものが、多くの人にとって使いやすいものにつながっている。
「このノートだと書くことが苦痛でなくなり、勉強が楽しくなった」という声も寄せられているという。ほかにも自分たちが気づかないことで困っている人は大勢いるはず。大栗紙工がめざすのは、人に寄り添い、笑顔や感動を生み出すノート。同社はいまその1ページ目を開いたばかり。これからもいろんな人の「あったらいいな」の声に寄り添いながら、挑戦のストーリーを記していく。

2種類の罫線を独自に開発。太い線と細い線が5mm間隔で交互に入っている「太細交互罫線」、網掛けの帯が8.5mm間隔で入っている「あみかけ横罫」。この工夫により行をはっきり識別でき、文字がまっすぐ書きやすくなる。 

「ペイ・フォワードまほらノートプロジェクト」は、箔押しデザインのmahoraを1冊購入すると、2人の発達障がい者に通常版のmahoraがプレゼントされるという取り組み。表紙のデザインは「まほらのもり」「まほらのよる」「うちゅうからのおくりもの」の3種類。

 大栗紙工株式会社 大阪府大阪市生野区巽北3丁目15−7

*https://osaka-sei.m-osaka.com/product/1611/ より


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