「豆腐カステラ」
主な伝承地域 大仙市、横手市
主な使用食材 豆腐、砂糖、卵、片栗粉
歴史・由来・関連行事
「豆腐カステラ」は豆腐を搾って水分を切った状態で砂糖や卵などを混ぜてカステラ状に焼いた菓子。秋田の県南地域に伝わる豆腐料理で、冠婚葬祭の口取り、おやつやお茶請けとして食べられてきた。
通常のカステラは長崎が有名だが、元々ポルトガルより伝わった南蛮菓子を土台にして日本独自の製法で作り、発展した。江戸時代、日本海交易が盛んだった秋田県は、大阪や北陸から最新の文化が伝わりやすい環境にあった。だが、材料の砂糖や卵が庶民にとっては高価であったため、ハレの日に食していた貴重な豆腐を使って作ったことが豆腐カステラの始まりと伝えられている。
豆腐の風味を残したしっとりとした独特の食感が特徴。
食習の機会や時季
戦後、カステラの材料である卵、砂糖、小麦粉、そして大豆(豆腐)の材料はどれも高価だったこともあり、正月や田植え、冠婚葬祭など特別な日に食されていた。
飲食方法
温めた袋に豆腐を入れ絞り裏ごしし、砂糖・卵白・片栗粉・塩を入れ滑らかになるまで練りあげ、カステラ鍋と呼ばれる調理器具に入れて上下を焼く。おやつやお茶請けが一般的だが、秋田ではおつまみとしても親しまれており、刺身のようにわさび醤油をつけて食べることもある。砂糖をたっぷり入れて焼き上げているので、豆腐が入っていても割と日持ちがよい。現在は、くるみ入りやレーズン入りなど、様々なバリエーションが生まれている。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
JAや各小学校で実際に作り方を体験して伝承する活動を行っている。
また、現在は大仙市にある「菓子司つじや」「佐藤食品」、横手市にある「藤倉食品」が伝統の味を伝えている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/29_12_akita.html より
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