「はらこ飯」
主な伝承地域 相馬市、南相馬市、浪江町
主な使用食材 はらこ、ご飯
歴史・由来・関連行事
松川浦や浜通りの河川では、秋になると新鮮な鮭を獲ることができる。中でも請戸川は、福島で最初に鮭の人工ふ化を取り入れた場所としても有名で、以前は毎年鮭の捕獲を行う時期に鮭祭りを開催していたほど。最盛期には1日1,000尾から3,000尾の水揚げがあった(浪江町ホームページより)と言われ、鮭漁の名所として知られている。
鮭が多く獲れる時期には鮭料理が多く振る舞われ、郷土料理にも鮭が使われている。鮭の卵であるいくらを「はらこ」と呼び、はらこをたっぷりとご飯にのせて食べるのが、「はらこ飯」。新鮮な鮭から袋ごとはらこを取り出し、薄皮を丁寧に取り除いたあとに鮭と醤油に漬けて作る。
食習の機会や時季
9月の下旬から11月まで、鮭は産卵のために遡上し、鮭の捕獲が始まる。かつて実施されていた川幅ほどの大きな網による地曳網漁は圧巻で、これを見るために遠方から観光客も訪れていたほど。漁を行っている間は、近隣の食堂で獲れたての鮭を使った料理が振る舞われ、はらこ飯を食べることができた。
飲食方法
鮭からはらこを取り出し、下ごしらえをして酒と醤油に漬けておく。これを炊き上がったご飯にたっぷりとのせて食べる。家庭で作る際は多めに作って冷蔵庫に保管しておき、何度かに分けて食べることもあるという。また、福島では、鮭の切り身やこんにゃく、里芋、ねぎをだし汁で煮込み、味噌で味付けた「紅葉汁」と一緒に食べることが一般的。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
各家庭で作られるほか、県内の飲食店や宿泊施設で振る舞われている。また、旬となる9~11月頃には特設の食堂が設けられ、提供されることも。そのほか、小学校や中学校でふるさと学習を行い、はらこ飯を実際に作って振る舞うなど、保存・継承の取り組みを行っている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/30_12_fukushima.html より
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