登録番号 第47号 岩手野田村荒海ホタテ
特定農林水産物等の区分 第11類 貝類 ほたてがい
特定農林水産物等の生産地 岩手県野田村野田湾
登録生産者団体 野田村漁業協同組合
特定農林水産物等の特性 プランクトンが豊富で自由に泳ぎ回れる環境下で養殖されたホタテガイ。身は肉厚で旨味が濃く、貝柱は繊維がしっかりとして弾力がある。貝殻は表面に付着した生物が丁寧に除去されているため美しい。
地域との結び付き 野田湾は三陸沿岸の湾の中でも開放性が高く、波浪等の影響を受けやすいが、潮通しが良く、水質がきれいで、プランクトンが豊富なため、ホタテガイの飼育環境が良好。栄養素が豊富でホタテガイが自由に泳ぎ回れる環境を維持するため、カゴ養殖等を行うことで良質なホタテガイを生産。
*https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/i47.html より
「岩手野田村荒海ホタテ」は、岩手県野田村野田湾において、プランクトンが豊富で自由に泳ぎ回れる環境の下で養殖されたホタテガイです。
「岩手野田村荒海ホタテ」の特徴は、身が肉厚なことです。特に、貝が自由に泳ぎ回れるような密度の下で養成するため、その貝柱は繊維がしっかりとしてぷりぷりとした弾力のあるものとなります。また、貝殻の表面は滑らかで美しい外見です。これは、貝殻に付着した生物の除去が丁寧に行われていることによります。
味と食感、外見がいずれも優れ、生食はもちろんのこと、焼く、煮る、蒸すなど、どのような調理法にも良く合うので、その品質は飲食業者等から高く評価されています。
「岩手野田村荒海ホタテ」の養殖場は岩手県野田村野田湾にあります。
「岩手野田村荒海ホタテ」は、4~5月頃に野田湾内で採取されるホタテガイの幼生(ラーバ)から育てられます。採苗器に付着した幼生を7~8月頃まで育てた後に養殖用のカゴに収容します。
「岩手野田村荒海ホタテ」の養殖方法の特徴は、ホタテガイの成長に応じ、養殖用のカゴに収容するホタテガイの数を減らしていく分散作業を行うことです。これにより、ホタテガイが自由に泳ぎ回れる環境が維持されます。
「岩手野田村荒海ホタテ」の出荷は、採苗年の翌年以降に行われます。殻長が11cmを超えるような大型のホタテガイが出荷されるまでには、分散作業が5回も実施されます。
分散作業および出荷の際には、機械等により、貝殻に付着した生物の除去を行います。
「岩手野田村荒海ホタテ」の生産地となる野田湾は、岩手県県北部の三陸海岸北部に位置します。三陸の北部海域は、北から寒流の親潮(1)、南からは暖流の黒潮(2)北上分派、そして津軽海峡からの津軽暖流(3)と様々な海流が交錯するので、栄養豊かでプランクトンが豊富です。
また、野田湾は、養殖漁場のある他の湾と比べ、開放性が高いのが特徴です。このため、潮通しがよく、海水が淀みなく流れているため、きれいな水質が保たれています。
このような良好な飼育環境の中で、生産者はカゴ養殖等を行うことで、栄養素が豊富でホタテガイが自由に泳ぎ回れる環境を維持しています。これらのことが「岩手野田村荒海ホタテ」の成長の良さにつながり、肉質や食味の良さなど高く評価されている品質となります。
野田湾でのホタテガイ養殖は1973年に養殖用種苗の生産から開始されました。食用としての生産も当時から種苗生産と並行して行われ、その生産量は平成の年代に入り増加させてきました。
2011年3月11日の東日本大震災では、野田村の水産業も津波により壊滅的な被害を受けましたが、生産者は震災直後となる2011年5月には採苗を行い、その生産を再開しました。
(1)親潮:千島列島に沿って南下して日本の東まで達する海流で千島海流とも呼ばれています。栄養塩に富んでおり、「魚類を育てる親となる潮」という意味でつけられたと言われています。
(2)黒潮:東シナ海を北上してトカラ海峡から太平洋に入り、日本列島の南岸に沿って流れ、房総半島沖を東に流れる海流で日本海流とも呼ばれています。南極環流やメキシコ湾流と並んで世界最大規模の海流です。
(3)津軽暖流:北海道と青森県の間にある津軽海峡を西から東へ流れる海流で、日本海を流れる対馬海流(暖流)の分流です。
*https://gi-act.maff.go.jp/register/entry/47.html より
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