「かおり野」
■かおり野とは?
●三重県のオリジナル品種
かおり野<イチゴ
かおり野は三重県農業研究所が1990(平成2)年から交配をはじめ約20年かけて開発したいちごで、2008(平成20)年に品種登録の出願が出され、2010(平成22)年5月に登録されました。
名称はこのイチゴの「上品な香り」に由来し、これまでイチゴ農家を悩ませてきた「炭疽病」に対して抵抗性を持つ希少な品種として注目されています。
●かおり野の特徴
かおり野<イチゴ
イチゴの形はやや縦長の円錐形で大きく、果皮の色は明るい橙赤色をしています。一般のスーパーなどで売られているパックのものを見る限りでは、形はやや不揃いの物が多いように思われます。表面は艶やかで、そう果(ゴマのよう種状のもの)のくぼみは浅くそう果の厚みほどしかありません。
かおり野<イチゴ
果肉の色は外側が薄い橙赤で、中心部は白です。少し空洞ができる傾向にあります。
果肉は比較的固めですが果汁は多く、特別に甘いと言うわけではありませんが、酸味が穏やかでさっぱりとした甘さを感じます。そして、甘くとても良い香りが広がります。
また、食べる側の特徴ではありませんが、多くのイチゴに付きまとう「炭疽病」に対して抵抗力があり、早生種で早い時期から収穫できる事と、収量も多く、栽培者にとってのメリットが大きいという特徴もあります。
●主な産地
かおり野は三重県が開発したオリジナル品種ではありますが、普及と三重県のPRを目的に他府県の栽培者にも許諾申請によって可能とされています。現在三重県を中心に熊本県や山口県などでも栽培出荷されています。
*https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/Strawberry-Kaorino.htm より
基礎データ DATA
親の組み合わせ:「0028401」×「0023001」
品種登録年:2010年(平成22年)
かおり野の特徴
「かおり野」は三重県が開発したいちごで、2010年(平成22年)に品種登録されました。果実は大きい円錐形で、果皮は橙色に近い赤色。果肉は中心部まで真っ白で、カットするとフチの赤と果肉の白のコントラストがきれいな品種です。
果肉はかためで、甘味が強く酸味はおだやか。そして、かおり野の大きな特徴は、優れた香りを有していること。「リナロール」というフレッシュな甘い香気成分を多く含んでいて、いちごの甘味との相乗効果でより風味豊かに感じられます。
耐病性と早採りを目指して開発
また、かおり野は「炭疽病抵抗性」があり、「極早生性」であることも特徴。育成当初からこの2つの目的を持って開発されました。
炭疽病というのは、「糸状菌(かび)」による病気のことで、この病気の抵抗性を持たせることで生産者の労力とコストを大きく削減できます。
極早生性というのは、収穫時期を早めて収益の向上を目指すもの。かおり野は一般的な品種よりも早い11月頃から収穫することが可能です。
主要8品種を繰り返し交配して誕生
親の組み合わせは「0028401」×「0023001」。数字なのでわかりづらいですが、これらは「女峰」「アイベリー」「とよのか」「宝交早生」「章姫」「あかしゃのみつこ」「とちおとめ」「サンチーゴ」といった主要な8品種をもとに交配を繰り返して、育成・選抜された品種です。1990年から育成を開始し、最終的な親の組み合わせができるまでに10年以上かかり、さらに選抜を行い2008年に品種登録の出願をしました。
ちなみにかおり野は、熊本県のオリジナル品種「ゆうべに(熊本VS03)」の親品種でもあり、また三重県や香川県などが共同開発した品種「よつぼし」の育成にも使われています。どちらも2017年(平成29年)に品種登録された新しい品種で、食味のよいいちごです。
かおり野の選び方(見分け方)
へたのほうまで赤く染まっていて、果皮に張りがあり、へたがしおれていないものを選びましょう。
かおり野は名前の通り、香りがとてもよい品種なので、甘い香りがするかどうかもチェック。また果皮が橙赤色なので、明るい赤色をしたものがおすすめです。
かおり野の保存方法
他品種のいちごと同様に、パックのままポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。かおり野は果肉がしっかりした品種ですが、鮮度のよいうちになるべく早く食べるようにしましょう。
かおり野の食べ方
香りがよくて甘い品種なので、そのまま生食するのが一番です。パフェやデザートに使う場合は、まるごとトッピングするほか、カットして白い果肉と赤い果皮を交互に見せるように飾ると紅白に見えて華やぎます。
やわらかくなってしまったものはジャムに使ってもよいでしょう。ただ、かおり野は酸味が弱いので、レモン汁を多めに加えたほうがよりおいしく仕上がるかもしれません。
かおり野の旬(出回り時期)
かおり野は早ければ11月下旬頃に収穫が始まり、12月頃から流通量が増えます。
*https://www.kudamononavi.com/zukan/strawberry/kaorino より
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