「カトラリーレスト ITADAKI」
匠の技がつめ込まれたその姿に惚れ惚れ。
思わず手のひらに乗せて、いろんな角度から眺めていたい。そんな精巧さが「カトラリーレスト ITADAKI」にはある。世界遺産である富士山をモチーフに、その雄大でどっしりした存在感を醸しだしながらも、頂から裾野にかけての流麗なフォルムを表現したデザインはとても繊細だ。表面に彫られた花々に光があたった時に生まれる陰影が、表情に奥行きを与えている。金メッキを使ったゴールドと、ステンレス製のシルバーとの2色展開。ブランド名「ITADAKI」は「頂上」「いただきますと手を合わせる姿」、そして手がけた武林製作所の「最高峰の技術を追求し続ける姿勢」を表現したもの。
同社は創業以来、歯ブラシや歯間ブラシなどの金型をつくり続けてきた。口に入れるものだからこそ、より精度の高いものが要求される。このわずか10センチにも満たない「ITADAKI」にも、「蓄積してきた独自の技術とノウハウのすべてが、これでもかとつめ込まれています」と武林広高専務は語る。切削加工では太さの異なる刃を10種類以上使用し、場所によって細かく変えながら形を削り出していく。得意とする歯ブラシの金型は、曲線の連続で形づくられる。その技術が富士山の美しい輪郭を生みだしているのだ。もちろんデザイン性だけでなく使い心地にもこだわっている。ステンレスの角材から6つの面すべてを加工して丹念につくり上げているが、この角もすべて面取りされているので、漆塗りなどの繊細な加工のトレーやテーブルに置いても傷がつく心配がない。 そして菊・梅・桜・芍薬・ツツジと、日本の四季を彩る花々を彫り込んだ繊細な柄は、あえて刃物の痕や削った目を残すことによって光を反射して美しくきらめき、見る角度によって表情が変わるようになっている。機械を使っても毎回均一な仕上がりとならないため、職人が熟練の感覚を頼りに1ミクロン=1/1,000mm単位で調整をして、美しい仕上がりを実現しているという。
仕上げ作業においては、大阪府知事より鏡面磨きの技術で「なにわの名工」として表彰された金型職人が、加工時にほんのわずかに発生する小傷やささくれを、微細な花の文様を崩さないように一つひとつ丁寧に手作業で磨き上げて完成させる。たしかにその工程を聞けば、「一日に数個しかつくれない」という言葉にも納得がいく。この存在感のあるカトラリーレストは、毎日の食卓に繊細な輝きと上品な落ち着きをもたらしてくれるだろう。
この繊細な花の文様は刃物の消耗や熱膨張を職人が管理して、熟練の感覚を頼りに1ミクロン単位で細かく調整し、線の幅が変わらないように加工
富士山の形を活かした2本置きが可能で、箸だけでなく、箸とスプーン、ナイフとフォークの両方を置くことができ和洋問わずテーブルを彩ってくれる
株式会社武林製作所 大阪府八尾市萱振町7丁目5-2
*https://osaka-sei.m-osaka.com/product/34/ より
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