「笹巻き」
主な伝承地域 県内全域
主な使用食材 もち米、笹の葉
歴史・由来・関連行事
もち米を笹の葉で巻いて、イ草で結んで蒸し上げたもの。県内各地でつくられる伝統食で、全国的には「ちまき」と呼ばれ、竹の皮などで巻く地域もある。笹で巻いたものは、秋田のほか、新潟や山形、福島の会津地方でも見られる。クマザサは古くから民間薬として利用され、万病に効くとして重宝されてきた。笹の葉には抗菌性や防腐性があると言われ、昔から保存食や携帯食の包装に使われていた。もち米はうるち米に比べると収穫量も少なく高級品のため、昔からお祝いの席のごちそうとして用いられることが多かった。「笹巻き」は豊かな米どころならではの、少し贅沢なハレの食文化と言えよう。
秋田県ではかつては端午の節句やさなぶり(田植えを終えた祝い)の行事食だった。田植えがすべて女性たちの手によるものだった時代に、農家の娘たちは「さなぶり休み」として実家に里帰りする習わしがあり、嫁家からの手土産として笹巻きを持たせていた。
食習の機会や時季
端午の節句や田植え後のさなぶりで作られる行事食。秋田の初夏の味覚。
飲食方法
笹の葉をほどいて、砂糖を混ぜたきな粉をかけて食べるのが一般的。笹の巻き方は地域によって様々で、3枚使うと長(なが)巻き、2枚使うと短(みじか)巻きなどと呼ばれる。三種町では大きな笹1枚で小ぶりな三角、由利本荘市では細長い三角、仙北市ではぺたんこの三角など、形にも地域性がある。笹の葉は保存食としての役割はもちろん、笹のさわやかな香りを楽しむことができるのも特徴だ。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
農家民宿「開墾の里」や秋田市雄和地区では、笹の葉を採取して笹巻きを作るという体験会を開催している。また、県南地域のスーパーや道の駅でも販売され、全国へ発送されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/29_3_akita.html より
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