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< 郷土料理 > 神奈川 奈良茶飯

2024-12-06 08:33:09 | 郷土料理

 「奈良茶飯」

 主な伝承地域 川崎市

 主な使用食材 米、栗、小豆、煎茶、栗甘露煮(古くは勝栗)

 歴史・由来・関連行事
 米に栗、大豆、小豆、アワなどを入れ、お茶で炊いた炊き込みご飯。もともとは奈良の東大寺や興福寺などで僧が食べていた料理が川崎に伝わったという。江戸時代、東海道五十三次の宿場町であった川崎宿は人の往来が盛んであった。奈良茶飯は、川崎宿にあった茶屋「万年屋」でシジミのみそ汁や奈良漬けとともに提供され、旅人に大変な好評を博した。手早く食べられておいしい、現代でいうファーストフードのような料理で、江戸後期には大名も昼に立ち寄るほどの人気ぶりだったそうだ。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』で弥次さん喜多さんが万年屋の奈良茶飯を食べるシーンが描かれたことがきっかけとなり、全国にその名が知れ渡った。万年屋の廃業によって川崎の奈良茶飯は途絶えていたが、2001年に開催された「大川崎宿祭り」で文献をもとにその味が再現され、シジミのみそ汁などとともに提供された。現在では、市内の和菓子店が奈良茶飯を現代風にアレンジした「奈良茶飯風おこわ」が開発され、川崎の新たな名物として注目を集めている。

 食習の機会や時季
 万年屋の廃業以降は、日常的に食される機会はなくなった。「奈良茶飯風おこわ」は季節に関わらず1年を通して提供されている。

 飲食方法
 米に小豆や勝栗などを入れ、煎茶で炊き込む。なお「奈良茶飯風おこわ」は炊き込みご飯ではなくもち米を使用したおこわであり、勝栗の代わりに栗の甘露煮が用いられている。また、江戸時代と同じようにシジミのみそ汁とともに提供されている。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 市内の和菓子店「菓寮 東照」が、奈良茶飯の史実の記録をもとに、炊き込みご飯をおこわにアレンジした「奈良茶飯風おこわ」を開発し、販売および喫食の提供をしている。2015年に「かわさき名産品2015-2017」に認定され、川崎市のふるさと納税返礼品にも採用されている。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/35_20_kanagawa.html より


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