~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

本選講評

2008年08月12日 10時20分12秒 | ピアノ
朝、宅急便で送られてきました。
なぜか、「祝・決勝進出」の楯がまたまた同封!!
楯はただでさえ嵩張るのに、ふたつもいらん(笑)。
・・それはともかく、余っているはずはないから、誰かもらってない人がいると思われます。とりあえず本部の留守電に連絡。

採点票は7枚。たしか本選は最高最低点はカットで、5人分の点数の平均だったと思います。
予選の時は、項目ごとにわけてここに書きましたが、今回は審査員ごとに。
なるほどごもっとも・・・でもそんなできるかよっ!!みたいなことが山盛り(泣)。


○ 気持ち、気迫のある演奏で歌心も充分で結構です。
  melodyラインが沈んでいます。減衰する楽器だということを心して演奏してください。細かい音符に負けているのが気になりました。
スケールの大きい表現でフレージングも考えられていてよかった。メカニックのしっかりした演奏でよかった。

○ バランスのよい音のつくりに、メロディラインがひびき、大きなフレーズで構成力のある演奏です。なかなかきかせる演奏です。

○ イメージをしっかり持った演奏です。メロディラインがもう少しはっきりすると良いですね。
響きがきれいです、無理のない音で良いです。段落として大きく捉えたいですね。もう少し音楽はまとまってくると思います。
大人にしか弾けない大曲ですね。すばらしいチャレンジでした。

○ 音量の差によるパートの弾き分けよりも音色の変化をもう少し多彩にできると良いです。1小節ずつフレーズが切れないように息の長いフレージングを意識して歌うように弾いてみましょう。メロディーライン以外のパッセージをもっとcantabileにespressivoに演奏できると良いです。
長いcresc.はもっとがまんして急に音が大きくならないように気をつけましょう。fのところも美しい響きで、音を遠くに飛ばせるように演奏できるとよいです。もっとロマンティックに歌えると奥行きがでます。

○壮大な楽劇のイメージを彷彿とさせるこの作品にとり組む意欲を多としたい!
音色:幅のある音色をじっくり出し、メロディーがたっぷり歌われていて、ハーモニーの重厚さも充分に出し切っている。
ニューアンスに富んだ演奏、単調にならず面白く聴かせている、日頃の努力が偲ばれる!まとまり良し!

○ とても良い音楽の部分と、メロディーがはっきりしない箇所とがあります。そして、音楽は始まったら一つの緊張感がずっと続かないと、フレーズ度に気持ちが終わってしまわない様にずっと歌い続けて行かないといけません。良い音楽を弾けている部分の音色は良いのです。

○ 内容のいっぱいつまった音と音楽でした。ハーモニーの進行がとても重要な曲だと思うのですが、バスの流れがもっと客観的につかまえられたら良いですね。



採点票というのは、一曲全部を聴き終わってから書くわけではないので、かならずしも全体についてのアドバイスではないんですね。
実際にレッスンを受けてみると、実は「この部分なんだけど・・・」とある限定された箇所についての意見だったりするわけです。
7人の方のアドバイスを見てみると、「お、いい」と思ってその部分で書かれた方と、「ここはちょっと」と思って書かれた方に分かれている気がします。自分でも弾きながらクオリティの高い部分とそうでない部分があった(つまりムラがあったということ)のは分かっているので、それぞれのご意見が特にどの部分に該当しているのかを楽譜で確認していかねばなりません。

メロディラインは、単音のところは比較的続けやすいのですが、オクターブはまだまだだし、フレーズについても続けやすいところと気持ち的にどうしても切れてしまいがちなところがあります。バスも音が飛ぶ箇所は死ぬほどはずしましたし、音色にしてもムラがありました。
技術的に簡単なところと難しいところで、「良い音楽」と「良くない音楽」の差が出てきてしまっているのは否定できません。


ただ、この曲の内容そのものへの言及はほぼなく、ピアノ技術の、ある意味一般的な指摘がほとんどだったのはちょっとつまんなかったです(逃)。