~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

連弾に思うこと

2008年10月15日 11時13分10秒 | ピアノ
娘の習っている先生のところの発表会では、伝統的に「ファミリー連弾」があります(もちろんお友達同士や先生との連弾もありますが)。

今回ファミリー連弾(他楽器とのアンサンブをのぞく)は12組。うちお母さんとのものが7組、お父さんとが3組、お兄ちゃんとが2組。
2人4手が9組、3人6手が3組。
子どものレベルもいろいろなのですが、親はもっといろいろで(笑)、なかには生まれて初めてピアノというものを弾くというお父さんも。
でも、このお父さん、暗譜でミスなくしっかり弾かれたのですよ。ほかの楽器の経験はもしかするとおありかもしれませんが、いやあとても初心者には見えない。
なかには凄まじく緊張されたのか、子どもさんがちゃんと弾いている一方でかなりバランスを崩された親御さんもおられ、・・・帰ってからどういう会話があったのか、他人事ながらちょっと気になります。
こういう経験をされると、自分の子どもがステージで失敗したときに、「他の子はちゃんと弾いたのに・・・もう恥ずかしい・・」などというあまりタメにならない責め方はしなくなるのかも・・。いや、逆に「お母さんですら、ああいうことがあるのだから、もっと一生懸命練習しないとダメよ」になるのか・・。ふつうは素直に謝って「○○ちゃんはえらかったね。ちゃんと弾けて。来年はお母さんももっと練習してがんばるね」と言うのだろうなあ、と思いますけど、来年また弾くのもなかなか大変ですよね。ですが、そこは子どもへの教育効果も考えてがんばらないと、です。
私にしても、もしヴァイオリン弾け言われたら、半死半生ですから。今ですら、娘に「弓がヘン」「音がヘン」とか怒られてますし(汗)。

ところで、人間、なにかやるとき人数が多ければ多いほどヘンに安心感が生まれたりするのですけど、今回聴いた感想では、ピアノはやっぱり、ソロ→2人4手→3人6手の順に難しくなるなあ、というところです。
あたりまえなんですけどね。
本人たちの練習や指導の時間が足りないということはもちろんあるだろうし、ソロに比べると「余興」的で、失敗してもワイワイ弾けばマル、みたいな雰囲気なのでそれはそれで楽しくていいと思いますけど、やっぱり一度破綻すると、人数が増えれば増えるほど復活が難しい。
6手あたりだと、3人のパート譜をすべて理解している人がいないと、破綻をきたした箇所をとっさに特定すること自体が難しい。しかも本番でアガッている状態で(汗)。
ヴァイオリンなんかだと、一人で弾くことそのものが少ないので、わりにこういうことには子どもの頃から慣らされてますけど、ピアノの人間はこういうことが苦手だったりします。そういう意味で、まずは「連弾」、止まってもばらけてもやってみる、というのは大いに意義があると思います。
ただ連弾は弾くのも指導するのもけっこう難しい。「余興」でなくて「演奏」にしようと思ったら、どんなにやさしい譜面でも、譜読み時間と練習時間(とくに合わせる時間)、と最終的にはセンスが要ります。
私が今までコンクールで聴いた連弾の中には、それはそれはすごいレベルで、演奏者の力量というよりは、監督というか指導者のレベルの高さを感じるものがありました。それこそ、シンクロナイズドスイミングではないけど、合宿して指導者と朝から晩まで練習をともにしたのではないか?と思ったりするほどの。

連弾そのものは、私も長いことやっていて、特に学生のころは3人6手、2台、2台で4人8手だのいろいろやりましたけれど、ほんとに「楽しい」と思い始めたのは、相手パートもすべて弾けるくらいに練習をして、暗譜できるくらいに楽譜を頭に入れ始めてからです。・・・つまり最近のこと。
それまではどうしても、「ソロのほうがいい」という考えが頭から抜けませんでした。

今となっては、どうして子どものころあまり連弾とか2台が面白くなかったのかよくわからないのですが・・・・。