~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

ピアフ讃

2008年10月27日 22時35分29秒 | その他音楽
本番が迫って追い詰められてくると、挙動不審になるのが私の常ですけど・・・

今日もやってました・・・息子の部屋の掃除(爆)。
どこが挙動不審か、まっとうな主婦のお仕事ではないかと思われるかもしれませんが、家族が出払って、頭の中でああでもないこうでもないと曲をいじりだすと、無意識にふだんと違うことしてます。
それが、掃除だったり、資源ごみの整理だったり(←いつもやれよっ!ってツッコミはなしです)。
なんなんでしょうね?よく電話をしてる時、ふだんやりもしない拭き掃除を子機片手に始めちゃったりするんですけど、それにも似た不思議な現象です。


で、掃除しながら、やめればいいのにwowowをつけてしまい、これがまたエディット・ピアフの映画だったりなんかする。最初のうちは、「頭の中のピアノ」と「目から入るエディット・ピアフ」と「身体を使ったお掃除」が同時進行だったのですけど、間もなく勝ちました、ピアフ。・・ほかはしばし休憩(汗)。
ピアフの生涯は波乱万丈。貧困の中に育ち、あっという間にスターになるも浮き沈みあり、そして恋愛とドラッグとアルコールでもうもう大変な人生なんですけど、それよりもやはり惹き付けられたのは、歌声。映画では、ピアフ自身の歌が使われていましたけど(当然ですよね・・ほかの誰も吹き替えられない)、シャンソンにとんと疎い私でも、テレビの前に張り付いて聴いてしまうような引力。(映画のあとのドキュメンタリー映像でご本人も見ましたけれど、これがまたすごい)
どこか美空ひばりさんに通じるような声の感じ(声域が似ているのかもしれません)もあるように思いますけど、いやもう、参りました・・・です。
歌というのは、当然一人で歌うときは単音であるはずなのですけど(モンゴルのホーミーは重音みたいです)、ただの単音ではなく、どうも裏地(?)がついているかのような感じがします。
それが「響き」なのだ、といってしまえばそれまでですけど、ウラにもう一音ついて陰影をあたえているとでもいいましょうか?
そういえばこれに類する体験をちょっと前にしました。チェロで演奏されたトロイメライを無伴奏で聴いたとき、「単音なのに一音ずつに和音がついてる」かのように錯覚したことがありました。

こういう「含みのある声(音)」というのは、どうやったらでるのでしょうね?
天性のものといえばそれまでなのですけど、ほんとに魅力的です。
ピアノでもこういう音を出せる人はいます。では楽器が特殊なのかというとそういうことではなく、100%弾き手による「なにか」です(ほかの楽器についてはよくわかりません)。

結局はこの「なにか」なんですよねえ・・
ピアノを始めて間もない幼児でも出せる子はだせるし、何十年の修行の末にたどりつく人もいるし、結果たどりつけない人もいる。

・・ということをピアフを聴きながら思ったのですけど、私は目下それ以前の話、25~6分の曲を無事に弾き終えられるかどうか、という低レベルでバタバタしております。

もう数十時間弾きこまないと、夜が明けないような気がするのですけど、弾きこんで果たして夜は明けるのか・・・